BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【カゲプロ小説】青い春【NL、BL、GLなんでもおっけー♪】
- 日時: 2014/12/09 17:30
- 名前: 湯たんぽ (ID: iJBt.s8k)
カゲプロの小説書きます!
NL、BL、GLなんでも書きます!
リクエスト欲しいです!
- Re: 【カゲプロ小説】青い春【NL、BL、GLなんでもおっけー♪】 ( No.1 )
- 日時: 2014/12/09 22:42
- 名前: 湯たんぽ (ID: DLaQsb6.)
セトマリ
*限りある時間*
『僕は“化け物”だから…』
「私、“化け物”なの…だから目を見ると石になってしまう…」
『そんなことは無いよ!だって、真っ赤な色は主人公の色だから』
「世界はさ、案外『怯えていなくてもいいんだよ』」
「ただいまっすー!」
「セトー!」
「あっ、マリー!どうしたんすか?」
たった今帰ってきた緑のツナギを着た少年。否、セトはメドゥーサのクオーターの少女、マリーに問いかける。
「ねえねえ、これ見て!」
そう言い、マリーは白いモコモコとした髪が覆う背中で組んでいた手をセトの前に出し、持っていたものを見せた。
「おお!綺麗な花っすねー」
赤、白、ピンク。
色鮮やかな花たちが白くすべすべした少女の手に、握られていた。
「えへへー。でしょ?さっきキドと一緒に近くの公園で摘んできたんだー」
マリーはそう言うと花を鼻に近づけ
ーー決して、ダジャレではないーー
思いっきり息を吸った。
「んー。いい匂い」
マリーは、満足そうに微笑んだ。
そんな彼女を見て、セトはあることを思い出した。
「そういやこれ、今日手が滑っちゃって割れちゃったので持って帰っていた花瓶なんすけど、マリー、これにお花入れたらどうっすか?」
そう言って、右手に持っていた紙袋をガサガサとならしながら、ガラス製の小さな花瓶を取り出した。
「でも、割れたんだろ?水が漏れちゃうんじゃ……?」
今まで二人の会話を黙って聞いていた灰色のパーカーを深く被った目つきの悪い少女が疑問を口に出した。
「っ!?」
「ひっ!?」
セトとマリーはいきなり聞こえた声に小さく驚いた。
「なんだ?どうかしたのか?」
向かい合わせに座っていた二人に、イタズラが成功したときのような顔をしたキドがそのまま、マリーの横に座りながら問う。
「いや、別になんでもないっす…」
ニヤニヤしているイタズラ好きの団長を少し睨みながら言葉を返す。
「ねえ、セト。結局この花瓶、使えないの…?」
涙を含んだ声でセトに問う少女の手には先程の綺麗なガラス細工が握られている。
「あ、そういえばそうだったすね。大丈夫、使えるっすよ。ただ、取っ手の所が取れちゃっただけで…」
「あっ本当だ!ここの所にとれた跡がある」
マリーは、バラの彫刻の横に不自然な所を見つけ、キドに見せた。
「……なるほどな。まあ、見たところ他に破損したところ見つからないし、これなら大丈夫だろう。一回、試しに水入れてみるか?」
マリーからガラス細工が綺麗な花瓶を受け取り、全体を確認しながら見ていたキドが言った。
「あ、じゃあ私が水汲んでくる!」
そう言うと、マリーは再びキドから花瓶を受け取り、台所へと走って行った。
「にしても花っすか……」
「どうかしたのか、セト?」
「あ、いや…なんでもないっす…」
と、セトは困ったように笑った。
ーーー昔。
まだセトがマリーとであって間もない頃、マリーの家に行く途中で小さなお花畑があった。
「わあ、可愛いお花!……へへっ。これではなかんむり作ってあげよう。喜んでくれるかな」
まだ時間には余裕があったのでそこで、はなかんむりを作ることにした。
作ったはなかんむりをマリーに見せると初めて見たのか、目を輝かせ、大いに喜んでくれた。
また明日。
はなかんむりをあげてから三、四回その言葉を口にした次の日、マリーは出会った時のようにこちらに背を向けうずくまって泣いていた。
「こんにちわー……ってどうしたの!?何処か痛いの!?」
少女は首を横にふる。
すると、少女の足元にヒラヒラと茶色くかさかさと乾燥し、触ったら今にも崩れてしまいそうな花びらが落ちた。
どうやらそれは、マリーが胸に抱えていたはなかんむりからだった。
すると今まで、嗚咽ばかりこぼしていた口から、言葉が発せられた。
「うっ……お花さん、ひくっ……枯れちゃった………っ」
途切れ途切れに紡がれた言葉にセトは困惑するばかりだ。
……確かに摘んだ花なんて、三、四日で枯れる。でもなんで、泣いているんだ?
当たり前のことを泣きながら言う彼女。しかし何故泣いているのかわからない少年は何も言わず、自分がやられていたように優しく背中を撫で、彼女の次の言葉を待った。
「やっぱり皆…うっ……私よ…り……ぐすっ……先に…死んじゃうんだぁ……」
そこでようやく、彼女が泣いている理由がわかった。
彼女は四分の一といってもメドゥーサに代わりない。はたして、今まで何十年生きてきたのだろう。
きっと、数えるのが億劫になるぐらいだ。
そのなかでいくつの生と死と出会ったのだろう。
だから、こんな些細な死でも泣くほど悲しいのだ。
「…うっ…………ひっく………ぐず………」
「………………」
まだ幼いセト
ーーしかも、コミュ障を克服したばっかりーー
なんて声をかけていいかわからずただ背中を撫でたり、頭をポンポンするだけで精一杯だった。
その後三十分は泣き続け、結局疲れてそのまま寝てしまった。
一旦カット
- Re: 【カゲプロ小説】青い春【NL、BL、GLなんでもおっけー♪】 ( No.2 )
- 日時: 2015/01/11 21:32
- 名前: 湯たんぽ (ID: hqJT.tW.)
「……うああ!ブ、ブリザードフラワーとかにしておけばよかったかもっす……!」
「セ、セト!?どうした、いきなり!」
いきなり頭を抱え、唸りだしたセトに、キドは驚きのあまり、きゃ!と、可愛らしい声を出してしまっていた。
「セトー!キドー!お水汲んできたよー!………ってどうしたの、二人とも……?」
タプタプと水を揺らしながら走ってきたマリーの目に映ったのは、何やらぶつぶつ言いながら悶絶するセトと顔を赤くしながら「俺は何て声をあげてしまったんだ…」と、何故か後悔しているキドの姿だった。
「……ブ……ード………フ…ワー…………ああ!マリー!どっすか?どっかから水漏れなかったすか?」
ぶつぶつよくわからないことを呟いていたセトがポカーンと、立っていたマリーに気付き、声をかけた。
「あ、うん!大丈夫だよ!」
マリーは、水を入れ、よりいっそう綺麗に見える硝子細工の花瓶を、机の上に置いた。
「おお……何か綺麗だな……」
ほぅ…と、キドが感嘆の息を吐く。
照明が反射し、所々キラキラと輝きを放っている花瓶はまるで、宝石のようだった。
セトは、マリーとキドがうっとりと花瓶を眺めている間に、花瓶に入れれるように準備をした花を「じゃ、早速」と、さしこんだ。
「おお!花瓶だけでも綺麗だったが、花を入れると、ますます綺麗だな」
キドが花を眺めながら言う。
綺麗な花瓶だが、硝子なので色はなく、花の色だけが唯一の色という、花が映えるようなデザイン。
これが本当の花瓶。
と言えるような完璧さだった。
暫しの間、三人が花を眺めていると、
「あー!お腹減ったー!キド、何か無い?」
ガチャと、カノがリビングに入って来た。
その言葉にハッと、キドは料理の途中だったことを思い出す。
「ああ、今作っているから少し待っててくれ」
「わーい!ありがとー、キド!」
キドに抱きつこうとして殴られたカノはその後、素直にセトとマリーの向かい側のソファーに座った。
そこでカノは机の上に置いてあるひとつの花瓶を見つけた。
「へぇー、綺麗な花瓶だね。どうしたの、これ」
「ああ、この花瓶は、俺がバイト先で割っちゃって、責任とって、持ってかえってきたんす」
「ほらここ!取っ手が取れちゃったの!」
マリーが取っ手がついていた跡をカノの方に向ける。
「あ、ホントだ。でもいいじゃん」
カノはその部分を見たあと、全体を見回し、感想を口にした。
するとマリーは、そうでしょ!そうでしょ!と、目を輝かせた。
そしてそのまま、ぐりんとセトの方に顔を向け、
「ね、セト。これ私の部屋に飾ってもいい?」
と、言ってきた。
セトは別に自分の部屋に飾る予定は無かったので、昔の事が気になるが、いいっすよ!と、OKした。
それを聞くや否や、
「じゃあ、今から飾ってくる!」
と、マリーは、ピュン…いや、ビュン!と音がしそうなぐらいの速さで自分の部屋に入っていった。
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