BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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・百合書きます・
日時: 2015/03/21 20:47
名前: rin (ID: mEh5rhZz)

百合(GL)を書こうと思いつきました。

完全オリジナルです。

題名は特に思い付きませんでした。すいません。

エロはもちろんありません。需要があれば大人の方で。

苦手だ、という方は、ブラウザバック推奨です。

ゆっくり、書いていこうと思います。

Re: ・百合書きます・ ( No.1 )
日時: 2015/03/21 21:07
名前: rin (ID: mEh5rhZz)

4/5、木曜日。

「茉子、そろそろ出掛けたら? 遅刻するわよー」
あぁ、もう、わかってるってば。

私、長咲 茉子(ナガサキ マコ)は、心の中で口答えした。

…心の中じゃなくっちゃ、口答えなんてできないけどね。

これもまた、心の中で呟いてみる。
自分でも、かなり変わっているなぁ、とは思うが、心の中で自問自答を繰り返す癖はなおらない。

というか、なおそうとも思っていない。

「まーこ! いつまでぼーっと座っているつもり? 新学期早々遅刻なんて、恥ずかしいでしょ?」

「べっつに、『ぼーっと』なんてしてないし…」
ゆっくりする時間を奪うなよ、と、そこまでは言えないので、また心の中で呟いてみる。

「ぼーっとしてなくてもそう見えます。ほら、準備はもうしたの? …できてるのにゆっくりしてない! ほら、早く! 悠乃ちゃんを待たせてるんでしょ! それから…」

まさに機関銃だ。早口で言っている訳ではないのに、茉子に反論の隙を与えない。

「…はい」

母の機関銃攻撃(?)に、茉子はしぶしぶ立ち上がった。暖かい部屋から寒い廊下へ。

…が、茉子はまた立ち止まった。

「悠乃ちゃん? またどうして悠乃ちゃんが」

「悠乃ちゃんが、茉子と一緒に行きたがってるらしいのよ。本人から直接聞かなかった?」

母は、さも当たり前そうに言っている。
しかし、すこしも、ほんのすこしも、ほんのほんのすこしも、当たり前ではない。

悠乃… 林場 悠乃(ハヤシバ ユウノ)とは、茉子の仮の幼馴染みだ。

幼馴染み「仮」というのはおかしい気もするが、茉子は、悠乃とは幼「馴染み」では無かった。

悠乃は、おとなし、というかおとなしすぎる子で、無口で無表情な少女だった。
髪は腰より少し上くらいの長さの黒髪で、いつもおろしている。(綺麗な髪なんだから、すこしはアレンジすればいいのに、といつも思わされる)

そして、仮にも幼馴染みである茉子に対しても馴染まない。会話さえまともにしない。

「…人違いじゃないの? 悠乃ちゃんとなんてほとんど話さないのに…」

「…本当の話よ? ほら、早いとこいってあげなさいよ。全く茉子は家でだらだらだらだらと…」

機関銃、再来。

茉子は半信半疑のまま、その場をそそくさと逃げ出した。

Re: ・百合書きます・ ( No.2 )
日時: 2015/03/21 21:27
名前: rin (ID: mEh5rhZz)

ばたん、と大きめな音を発てて、ドアが閉まる。母のため息を華麗に(?)シャットアウト。

悠乃が茉子を待っている、というのは嘘では無かった。

悠乃は、2年目にしては綺麗な葵ヶ丘中学の制服を校則通りに(というか、スカートを少し長くして)着こなして立っていた。

「お、おはよう…」
茉子は話し掛けてみた。が、

…おはようという声は返ってこなかった。

気まずい。ちらりと悠乃の方を見ると、こくり、とだけ頷いてくれた。

おはようと言われて頷き返す人は初めてだったが、まぁそこは悠乃だ。頷きがあっただけ好感度は高いと見ていい。…の、かもしれない。

「…行こうか」

「…うん」

今度はちゃんとした相槌が返ってきた。奇跡だ。


少しだけ先を立って歩き出すと、悠乃も少しだけ後ろをついてくる。

…無言。

…無言。

…無言。


流石にここまで来ると不安になる。
私と話がしたかったんじゃなかったの!? ていうか友達と無言で登校して楽しい!? もしかして私といるから無言なの!?

色々な文句がぐるぐると頭の中を廻る。
別に、悠乃が喋らない事なんて慣れている。前々からそんな事知っている。
だけど、今朝は悠乃から誘ってきたんじゃないの?

…ちょっと、期待しすぎていた部分があったのかもしれない。
茉子は、小さく溜め息をつくと、歩幅を大きくしてさっさと歩く事にした。これで、少し距離をおける。

ーはずだった。が、悠乃は茉子に合わせようと速度を速めてきた。
しかも今度は、後ろに立つのではなくちゃんと横に並ぶように。

「なんか…その…ごめん」
茉子は少し振り向いて言った。

「?」
どうして謝られたか分からない、という表情で見つめられる。こっちだってなんで謝ったのかさっぱりわからない。

これだから、茉子は悠乃が得意では無かった。

Re: ・百合書きます・ ( No.3 )
日時: 2015/03/21 21:40
名前: rin (ID: mEh5rhZz)

昇降口。

びしっ。

いきなり悠乃が指先を前につき出すので、茉子は反射的にぶっ殺されるんじゃないかと思ってしまった。

指差した先を見ると、クラス表が張り出されている。

「おー! そういえばクラス替えじゃん!」
こんな重要な事を忘れてたのはあんたのせいだよ。と、心の中で呟く。

「早く、見よ」
彼女にしては珍しい速めの動きで張り出されたクラス表に近づいていく悠乃を、少し呆れて見送りながら、ゆっくりあとを追う。

「どーだった? なん組?」
「…2組」
「私はー?」
自分で見るのも面倒なので歩きながら少し遠くから聞く。

「…2組」
…え?

クラス替え恒例行事の「絶望」。
まさかこんなところで即死とは思わなかった。

悠乃は、ほんのほんの少しだけ、微笑むと、先に下駄箱に行ってしまった。

悠乃ちゃん、久しぶりに笑ったなー…じゃなくて。

…自問自答の中で核心に触れないように、関係ないことを考えよう。そうしよう。ドーナツ食べたい。クッキーも食べたいな。はやく家にかえりたいな。

…クラス替えしたいなぁ

茉子は、一人で途方に暮れた。


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