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雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part2
日時: 2015/03/27 04:27
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

シャチ達を麓に置いていき、おれらは頂上へと登った。
もちろんロープウェイを使ったのだが、それでも時間は結構かかった。
右側にはなだらかなゲレンデがあり、左側は木々が多く生える立ち入り禁止の場所になっている。
当然、右側のコースを滑るのだが。
「なァ、トラファルガー。これって左側のコースを滑んのか?」
どうしてそうなる。
どう考えても右側だろう。一体どう考えたらその結果に行き着くんだ。
おれは、「ハァ」とため息をつき、
「違ェよ、右側だ。初心者のくせにそんなとこ滑ろうとすんな」
と話した。
「へェ...?心配でもしてくれてんのか?」
ユースタス屋が挑発的に言う。
「はッ...。んな訳ねェだろ。それとも、死にてェのか?」
「フン。愛想のねェ奴だな」
と、ユースタス屋は笑った。
テメェが死んじまったら、船員の怒りの矛先はおれに向くだろ。
おれはフッと笑いながら、スノーボードをたてる。
「んじゃ、軽く色々説明する。よく聞いとけ」
そう言うと、ユースタス屋は先程の顔とはうって違って、まるで無邪気な少年のような目付きでこちらを見つめてきた。
ただそれだけのことなのだが、いつもと違う珍しいユースタス屋の行動や態度に、軽く胸の鼓動が早まる。
くそっ....。何考えてんだ、おれは。おれが見てェのは、こんなんじゃねェ....!
おれはなるべく心情が悟られないように、顔を少し背けながら、スノーボードのコツを話していく。
全て話し終わると、ユースタス屋はつまらなそうな顔で、
「簡単そうだな」
と、呟いた。
そんなユースタス屋を見かねたおれは、ハッといい案を思い付いた。
「オイ、ユースタス屋。競争だ」
「はァ?」
「なんだよ、急に...」と、しかめっ面をするユースタス屋をよそに、おれは話を進める。
「おれはお前に滑れるまで教えてやる。それでお前がいい頃に、この左側のコースで競争をする。勝ったほうが相手の言うことを何でも聞くっていう、提案だ。さァ、やるか?」
あまりにも突飛なことに、ユースタス屋はぽかんとしていたが、しばらくすると、ニヤリと笑った。
「へェ....!いい提案じゃねェか。それで、テメェは決まってんのか、トラファルガー」
馬鹿か。当たり前だろう。こちとら、負ける気はさらさらないからな。
おれは「さァな」と嘘ぶいて、スノーボードを装着した。
そして、50メートル程下へ下る。
このくらいなら、ちょうどいいだろう。
「ユースタス屋ァ!じゃァ、まずここまで滑ってみろ!!」
と、おれは叫んだ。
ユースタス屋は「あァ」と、短く返事をし、山を滑ってくる。
しかし、約5メートルぐらいで横にこてんと転んでしまった。
必死に立ち上がろうともがくが、一行に立ち上がれない。
フフフ...!そうだ、こういうのが見たかったんだ。
おれは盛大に笑いたい気持ちを押しこらえて、ユースタス屋に問いかける。
「ユースタス屋!どうした、立てねぇのか!?」
すると、遠くから「うるせェ」と声が聞こえた。
なおももがくユースタス屋に、おれはしびれを切らし、手を貸してやることにした。
「RooM」
その一言で、薄く透明な青色をした膜がドーム状に広がっていく。
「スキャン」
そして、ドサッと何かが落ちた音と共にユースタス屋が現れた。
そう、これがおれのオペオペの実の能力だ。この力は、おれがこの世界で一番大切な人からもらった力。
今は話す気はないが、いつか酒でも飲みながら、ユースタス屋に話してもいいと思う。
「よう、気分はどうだ?ユースタス屋」
おれは、ニヤニヤと笑いながら問いかける。
ユースタス屋はぎりっと歯ぎしりをしながら、「うるさい」と呟いた。
「フフ...」
おれはユースタス屋の高さまでしゃがみこむ。
「さっきまでの威勢はどうした?」
そう言った瞬間、プチンと何かが切れる音と共に、おれの体が後ろへ傾いた。
「ッ....!?」
始め、何が起こったのか分からず、頭の中が混乱する。
次に、背中から倒れ込み、少しの間呼吸が難しくなった。
「っハァ...!」
おれが体を起こすと、何がおれの上にのしかかり、おれはまた倒された。
「うッ...!?」
次々に移り変わる出来事に翻弄されるが、いまの状況は理解できる。
ユースタス屋がおれにのしかかっているのだ。
おれは、頬が紅くなっていくのを感じながら、ユースタス屋に話しかける。
「オイ....重い....。何のつもりだ...ユースタス屋」
ユースタス屋は何も答えず、ただニヤニヤとこちらを見つめる。
おれは不機嫌だった。
なんと言うか、こう、辱しめや憤りや嫌悪感、そして...期待。これらが混ざりあって、よく理解できない。
それに、背中が冷たい。
「オイ...!いい加減にしろよ...一体何のつもりだっ...!!」
すると、ユースタス屋はククッと笑い、
「お前を遊んでたんだよ」
と、笑った。
「何...」
これでは、役が正反対ではないのか。
くそっ....。くそっ....。
ユースタス屋がぐいっと顔を近づける。
「ッ...!?」
「どうした?トラファルガー」
耐えきれなくなったおれは、力いっぱいユースタス屋を押し退けた。
「...ッ...。この野郎ッ....」
おれはらしくない罵倒を口にすると、ユースタス屋の顔を見ない様に麓へと滑っていく。
おれは気付いていなかった。
自暴自棄になったせいか。
それでも、おれはこれから起きる出来事に気付かなかった。
雪山が退屈をもてあまし、おれ達を弄ぼうとしていることに。

Re: 雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part2 ( No.1 )
日時: 2015/03/27 05:20
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

こんばんわ、です。IAです。
part2どうでしたか?楽しめていただけたでしょうか?
part3でます。....たぶん。いえ、でます。
ので、これからも精進して頑張ります。ご指摘等よろしくお願いします!

Re: 雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part2 ( No.2 )
日時: 2015/03/28 18:21
名前: LAS (ID: 5kOzRZ6l)

どうもですぅ。
どうやら、パート5まで出されているようなので
イッキ読みさせていただきます!
床ドンならぬ雪ドンww
それはそうと、タメよろしいですか?
返信待ってます


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