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雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part3
日時: 2015/03/27 17:47
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

「ッ....」
おれは銀世界をさっさと滑り落ちていた。
粉雪が舞い、先程よりも風が強く吹いてきた気がする。
その中おれは、この雪山の状態に違和感をもっていた。胸騒ぎに似た何かなのだが、その正体はよく分からない。
滑り落ちるスピードを下げ、ようやく止まったところで雪山の頂上を見上げる。
少し前までは晴れていたのだが、今では吹雪を雪山の頂上付近が纏っている感じになっている。
山の天候は変わりやすいことは知っていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
「....あ、ユースタス屋置いてきちまった」
ふと、ユースタス屋のことが頭に浮かんでくる。
あのまま置いてきちまったが、本当に大丈夫だろうか...?
しかしそんなことを思ったつかの間、ついさっきの出来事がよみがえる。
「...ッ...。あの野郎ッ...!」
心配よりも憤りがおれを支配した。
顔が一瞬にして、赤面していくのが分かった。それを隠すようにして、頂上から目をそらす。
少しくらい困りやがれ、ユースタス屋...!!
そう思うと、憤りも少しだけ和らいだ気がした。
「フー...まァ、いい...。絶対に負かしてやるからな」
そう思った瞬間、ガクンと平行感覚を失った。そして、ゴゴゴ...と地面が唸る。
「何...!?」
胸騒ぎのようなものがさらに増した。
「くそっ、早く下りねェと」
その時だ。
「オイッ!!トラファルガー!!」
ユースタス屋の叫び声が聞こえた。
「ユースタス屋....!」
ぎりっと、無意識のうちに歯ぎしりをする。
その胸の中にも、憤りは勿論あるが安心感もあった。
「何だ、ユースタス屋...!」
「バカ野郎!!早く下りろ!!雪崩だ...もうすぐでこっちにも来る...!!」
その声はまさに焦り、そのものだった。
こんなユースタス屋は見たことがない。海でも陸でも、いつも悪魔に似た笑いで相手を見下して。そして力でねじ伏せる。そんな奴が何故こんなに焦っているのか。
てっきり、おれのことなど気にせずに、さっさと下りていくような奴だと思ったのだが....。
「つまんねェ.....!!」
おれはぎゅっと拳を握りしめる。
「オイ...!何つっ立ってんだよ!早くしろってんだ...!!」
おれはその声で我に返り、急いでスノーボードを走らせる。
すると、ユースタス屋が平行しながらこちらへ寄ってきた。
「音、気付かなかったのか?」
明らかに不機嫌そうだった。
おれは盛大に舌打ちをしながら、答えた。
「チッ...うるせェな、聞こえてたよ」
気付けば、おれも明らかに不機嫌だった。
「....後ろ、見てみろよ」
ふとユースタス屋が後ろを指差す。
「あァ、本当だな....」
後ろには大きな雪の波が、おれ達に襲いかかろうとしていた。
「ッ....随分上達早ェじゃねェか。ユースタス屋」
おれは皮肉を言うように呟く。
ユースタス屋は「それどころじゃねェだろ...」と、おれを睨み付けるが、ふと笑うと、
「ざまァ」
ニヤリと笑った。
あァ、いつものユースタス屋だ。なのに、なのに....。
どうしてそんなに優しいんだよ...!!
こんな状況下に置かれてまで、どうしておれはこんなことを考えているのか。
ふと、風がおれを押し倒した。
「ッ...!?」
無様に尻餅をつく。
「トラファルガー!?」
ユースタス屋が慌ててこちらへ向かってくる。
細身のおれの体は、この吹雪の中では立てないままでいた。
「くッ...」
そんなことをしている間にも、雪崩は近付いてきている。
振動がひしひしと伝わってきた。
「オイ...早くしろって...!おれまで殺す気か!?」
ユースタス屋が叫んだ。
おれまで、だと?だったら先に行けばいいじゃねェかよ。何、気ィ使ってんだよ、この野郎は。
おれは憎しみを込めて言ってやった。
「調子にのるなよ、ユースタス屋...。テメェが何思っておれに気ィ使ってんのは知らねェが、おれはお前なんかに心配される筋合いは無い」
「それに...」
「うるっせェな」
ユースタス屋が言葉を遮った。 
「おれの勝手だろーが。気に食わねェ云々じゃねェんだよ」
ユースタス屋がそう言っておれを立たせた。
「くそがッ....!!」
「ア?何言ってんだ...さっさと行くぞ、今ならまだ間に合うだろ...!?」
いささか焦っているようだ。
....へッ....。間に合うだと...!?お前なんかに心配される程、おれは府抜けてねェぜ...!!
「ユースタス屋...よく聞け」
おれはユースタス屋の胸ぐらを掴み、ぐいっとおれに近寄らせる。
「オ、オイ...!!早くしねェと...」
ユースタス屋は戸惑いの表情を浮かべた。
「おれはお前のことが」
「大嫌いだ」
おれはそう言った瞬間に意識が途切れ、最後に覚えていたのは、ユースタス屋と一緒に雪崩に飲み込まれたということだけだった。

Re: 雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part3 ( No.1 )
日時: 2015/03/27 21:48
名前: IA (ID: 5kOzRZ6l)

作者のIAですー。
突然でスミマセン。感想くださいm(_ _)m
お願いしますwどんなことでもいいんで、よろしくお願いします。
寂しくコメント欄にかいてますww
part4行きましたね、こりゃ。HAHAHA。
こんな長くなるとは....。
では、これからもよろしくお願いします!

Re: 雪山にて白き記憶は刻まれる(ロキド)Part3 ( No.2 )
日時: 2015/03/28 18:30
名前: LAS (ID: 5kOzRZ6l)

あわわわ....
ローがうわあああああああああああああああああああああ!!
かっけぇえええええ、照れ隠しやばいですね!!
続きみよっ


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