BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【百合】それが終わるまでは【オリジナル】
- 日時: 2015/07/10 21:06
- 名前: riη (ID: .mmW4jd2)
百合小説です
R-18(エログロ)無し!
先輩×後輩成分と僅かな同級生×同級生成分を含みます。
ここまでで、ニガテだな…と思った方は戻るのをオススメします!全然おk!という方だけどうぞごゆっくり♪
※たいして長くないので、書き終えたら(良識の範囲内で)リクエスト受け付けますーどうぞー(・∀・)
- Re: 【百合】それが終わるまでは【オリジナル】 ( No.1 )
- 日時: 2015/07/10 21:21
- 名前: riη (ID: .mmW4jd2)
「みーさきちゃん!」
あぁ、またこの声だ。 この声の主は、いつもこうやって、ゆるゆるとした呼び方で私を呼ぶ。
きっと、他の人だったら、こんなことは言わないはずだ。
何故なら、自分の名前をゆるゆるとした呼び方で、大きい声で、そして愛のあるような呼び方で呼んでくれる人が、腐るほど居るからだ。
でも、私の事をこんな風に呼んでくれるのは、たった一人だけ。
「…楢瀬先輩」
そのたった一人の私の心の拠り所が、彼女、楢瀬星花先輩だ。
「どうしたの? みさきちゃん、時々ぼーっと歩いてるから心配しちゃうよー?」
「…すいません」
「癖」というものなのだろうか。私は反射的に謝ってしまった。
なにも謝らなくてもいいじゃない、と先輩は笑った。
だけど、その「癖」は私にとっては「悪癖」であった。
誰にでもびくびくおどおどして、マトモに話せる人なんかいない。私は、謝って、謝って、謝られたら「いいよ」と微笑むだけのつまらない人間だった。
それなのに、先輩だけは、いつもそんな私の側で、ニコニコ笑っていてくれた。
- Re: 【百合】それが終わるまでは【オリジナル】 ( No.2 )
- 日時: 2015/07/10 22:09
- 名前: riη (ID: .mmW4jd2)
そうやって先輩は、いつも優しくしてくれる。
私のゆっくりな話を聞いてくれる、私の滅多に言えない愚痴を聞いてくれる、私の側で、ただただ笑って居てくれる。
きっと、友達が多い先輩は、私以外にもそうしているはずだ。
効率良く、いろんな人にそうしていて、だから先輩の周りにはいつも誰かが居るんだ。
「そうだ、みさきちゃん、今日は塾無いんだよね? 一緒に帰らない?」
「…はい」小さく頷く。
こうやって、先輩の周りには人が増えていくんだ。
私は、所詮その中の一人でしかない、その筈なのに…
「良かった! みさきちゃんと帰れて嬉しいなー」
先輩の手が、私の頭を撫でた。
たったこれだけの事なのに、私はいつもドキドキしてしまう。
「わたしも、です…」
今の私は、うまく笑えていただろうか。
…「先輩の取り巻きの中の一人」の枠で、納められてしまわないような笑顔で。
- Re: 【百合】それが終わるまでは【オリジナル】 ( No.3 )
- 日時: 2015/07/10 22:45
- 名前: riη (ID: .mmW4jd2)
「…でさー、ほんっと笑っちゃったよー! 信じられなくない?」
「えへへ…そうですね」
先輩は、さっきからクラスの話をしている。今は、授業の時のクラスメイトの事を話しているようだ。
聞きたい。こうやって、先輩の話をずっと聞いていたい。
なのに、聞きたくない。
先輩の、周りの人の話の話なんて聞きたくでもない。先輩が、周りの人を自慢してるのなんて。
普段は、私の事も誉めてくれる。優しくしてくれる。だからこそ、他人の話をされるのが恐怖になっていた。
「みさきちゃん、どうしたの?」
「いえ…なんでもないです」
「そう…?」
不思議そうに聞いてくる先輩。心配させてごめんなさい、と心の奥で謝った。
やっぱり、私はおかしいのだろうか。なんで、こんなに一挙一動に嫉妬しなくてはならないのか。
きっとこれは、同性である先輩に向ける感情じゃないはずだ。
ないはずなのに、向けているのが、私の今の現状だ。
「ごめんね」
「え? 何がですか?」
唐突に謝られて、慌てる。
「いや…みさきちゃんにわかんない話ばっかりしちゃって、感じ悪かったよね? …折角だし、私、みさきちゃんの話、聞きたいな」
「… えっと」
ごめんなさい、すいませんじゃダメだ。今までのつまらない私のままになつてしまう。
「ありがとう、ございます」
「ん」
やっと言えた、謝罪以外のセリフ。
安心した私を察したように、先輩はゆっくりと私の髪を撫でた。
ほんと、なんで嫉妬なんてしているんだろう。
それが、たった一瞬だったとしても、先輩は私の事を気遣ってくれているのに。
一体、私はこれ以上の何を先輩に求めているのだろうか。自分でも、自分の欲深さが憎く、そして恐ろしくなってきていた。
Page:1