BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 機械少女迷路
- 日時: 2015/09/13 16:19
- 名前: 華月 (ID: noCtoyMf)
はじめまして華月です。
初めてのオリジナル小説を書きたいと思います!
コメント下さると嬉しいです...!!
凄く喜びます!!
思いつきで書くので更新遅いです...
それでも付き合って下さると言う優しい方はどうぞ!
- Re: 機械少女迷路 ( No.1 )
- 日時: 2015/09/03 20:13
- 名前: 華月 (ID: noCtoyMf)
第一話
...『ことん』
大きな洋館に小さな音が響いた。
「ん、ぅ?」
その音を聞きつけ、癒波は目を覚ました。
時計の針は一時を指している。
「何の音なの?...お父様?」
ゆっくりと起き上がり、ベッドを降りる。
下の階から微かに話し声が聞こえた。
そろり。忍び足で音源の部屋のドアに近づき、こっそりと中を覗く。
「貴方、癒波と誇波は喜ぶかしら?」
「そうだな、きっと喜んでくれるよ」
小さな声で話す父と母。
そしてとても綺麗な顔の女の子が椅子に座って眠っていた。
「お父様、お母様...」
迷いながら恐る恐る声をかける。
「!?癒波、起きてたのか」
「う、ううん。さっき目が覚めたの」
「...あら。起こしちゃったかしら。ごめんなさいね」
「それより、この子...誰?」
頬にゆっくりと触れる。
ふに、柔らかい。...だが、体温が低い。
いや、体温はない。冷たいと言っても良いくらいだ。
「!!」
吃驚して一歩退がる。
「驚いたか?...この子はな、人形なんだよ」
「お人形?こんなに生きてるみたいなのに?」
「ああ。最新技術の結晶だ。心を持った人形だぞ。」
人形。同い年くらいの女の子にしか見えないソレは人形だった。
とても綺麗で、薄紅色のシフォンワンピースが良く似合っていた。
「癒波、後はもう遅いから明日にしなさい?誇波を起こしちゃ駄目よ?」
「うん、分かった。おやすみなさい」
階段を音をたてずに登り、自室に入る。
そして自分と同じ顔をした双子の妹がぐっすりと眠っているのを確認し、毛布に潜り込んだ。
第一話・完
- Re: 機械少女迷路 ( No.2 )
- 日時: 2015/09/04 18:15
- 名前: 華月 (ID: sE.KM5jw)
第二話
「へ〜、梛波っていうんだ...」
誇波が人形の頬をつつきながら言った。
「そうですよ。二人とお揃いで、良い名前でしょう?」
「そうだね。妹が増えたみたいで嬉しい!」
母が微笑みながら言うと、癒波が答える。
『お人形!?すっごーい!綺麗だね』
朝。誇波はすぐに部屋に座った人形に気づいた。
父と母と、昨日知った癒波が見守る。
綺麗な栗色の髪を指で解かしながら父の言葉を聞いていた。
『この子の名前は梛波にするよ』
そして冒頭に至る。
すっかり梛波が気に入った二人は、あちこちつついたり、いじったりしていた。
......その時。
「「「「......!」」」」
全員が息を呑んだ。
くるり。人形...梛波が目をあけている。
「おはようございます。皆様、今日からよろしくお願い致します。」
すっくと立ち上がった梛波が、鈴のなるような声で挨拶をした。
時計の針は7時。起動時間らしい。
「は、はじめまして!癒波です!えっと...この子は誇波です!よろしくね!」
慌てて挨拶を返す癒波。ぺこりと一瞬頭を下げた誇波。
父と母は微笑ましそうに眺めていた。
「ご存知申し上げております。先日ご両親から伺いました。」
にこり、梛波は楽しそうに笑った。
初めてみた梛波の笑顔は、癒波の宝物になった。
第二話・完
- Re: 機械少女迷路 ( No.3 )
- 日時: 2015/09/13 16:46
- 名前: 華月 (ID: UgVNLVY0)
第三話
「ねぇ、梛波。私達姉妹って似ていると思う?」
誇波が突拍子もない話題を梛波に振った。
「双子だから、顔は似ていると思うの。でも、性格って違うし、考え方も違うと思うんだ」
そして、表情を暗くして言った。
「癒波は頭がよくてしっかりしてるのに、どうして。っていつも言われるんだ。比較されるのは、辛いよ。私の何がいけないのかな?」
ぽろぽろと、澄んだ涙を流して問う。
相談相手がいままで居なかった誇波にとっても、梛波の存在は大きくなっていたのだろう。
そんな中、癒波が口を開いた。
「比較...されてたの?誰に...?」
「...お父様と、お母様」
「そんなことするわけ...「癒波には優しいからっ!!」」
誇波が癒波の言葉を遮る。
「ずっと、辛かったんだよ!?明るく振る舞ってたけど。それは癒波に心配かけたくなかったからだし!!」
「...ごめん。気付かなかったよ...ごめんね」
いつの間にか揃って泣く二人の涙をハンカチで拭き取りながら、梛波は言った。
「辛かったんですね。心中お察し申し上げます。今後は私もいますから、お二人とも相談してくださいね。」
「「...うん!」」
泣きながら、二人は梛波に抱きついた。
「あら...あの...、お役にたてるか分かりませんけれど」
「良いの!居てくれるだけで」
抱きついたまま、誇波が言う。
「ずっと、一緒に居ようね」
「...はい!」
癒波が言うと、嬉しそうににこっと笑い、
「絶対にお二人のそばを離れません!」
と梛波は言い切った。
第三話・完
更新遅くなってごめんなさい!(読んで下さっている人が居ればですが)
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