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【ワンピース】lost days...【スモロ♀】
日時: 2015/11/09 19:25
名前: 生徒会長の恋を応援しています (ID: QJ6Z1NnV)

はい、こんにちは。
ワンピースよりスモーカー×ロー♀です。パンクハザード編に絡みが多かったので爆発。名前呼びとか反則よもう…。

つーわけであてんしょん!!

・♀ローさんです。先天性ね。

・口調も女の子口調です。

・容姿は72巻SBSを想像してくなんし。

・バストはナミ>ロー♀=ケイミーくらいですかね(理想)。でかすぎず小さすぎず(ワンピースの世界では)な感じがいい。

・ローさん以外は性転換なしです。

・時系列は頂上戦争すぐあと。

・だがしかし、十数年後の話も。

・娘出てくるお(力尽きなければ)。

・あとから出てくる予定のキッドさんがひどい人設定です注意。

・PH編やDR編もある仮定で話は進みますが詳しくやるつもりは毛頭ありません。




異常n((間違えた、以上の注意をご了承の上でお読みください。どーぞー♪

Re: 【ワンピース】lost days...【スモロ♀】 ( No.1 )
日時: 2015/11/09 23:32
名前: 生徒会長の恋を応援しています (ID: QJ6Z1NnV)

DAY.1

 雨が降っている。
 今夜は王下七武海も海軍本部将校たちも参加できる、天竜人主催のパーティーが聖地マリージョアにて開かれている。参加できる、とはいったが、正確には参加を強制させられている。しかし、もともとは海賊である王下七武海など信用されるわけもなく、実際は来なくても咎められることは多分ない。その言葉通り、ジュラキュール・ミホークやドンキホーテ・ドフラミンゴといった顔はその会場になかった。
 そんなふわっとしたパーティーなのだが、王下七武海新人であるトラファルガー・ローは正装で参加していた。胸や腕にあるタトゥーはドレスでなんとか隠し、新人だからと舐められないように、天竜人の反感を買わないように気をつけた。そこまでして参加するのはやはり、まだルーキーである自分は信用されにくいとわかっているから、できるだけ政府にとけこもうと思うからだ。政府に信用された方が自分が自由にできることが増える。それに越したことはなかった。

「お前、別嬪だえ。妻にしてやるえ〜」
「えっ」
「よし、手続きをしろえ。あ、でも1番目から4番目までの妻はもう飽きたえ。下々民に戻しておけ」
「承知いたしました」

 ワイングラスに口をつけながら、ローはそんな会話を小耳に挟んだ。妻にされるのはおそらく、招かれていた貴族の家の娘だろう。そういえば、シャボンディ諸島でも似たようなことがあったと聞く。天竜人というのはつくづく自分勝手が過ぎて怖い。目をつけられないように、できるだけ俯いて歩く。そのまま外に出て、マリージョアの嫌な空気を吸って吐いて、苦い顔をした。
 人間の腐ったにおいがする。はっきり言って、ゴミ溜めよりもまずいにおいがしているのだ。

「…は」

 ここが、こいつらが、私の育った国を消した人たちなのね。目を閉じて、父と母、妹の顔を思い出す。ああ、なんで彼らは死んで、こいつらは生きているんだろう。なんでまだこんな腐った世界が廻り続けているんだろう。
 そんなことを考えていると、夜風が頬を撫でた。なぜかそれが安心しなさいと母に撫でられているようで、絶対にそんなことはないのだけれど、ふいに涙が落ちた。下唇を噛んで、これからしようと考えている作戦を思い浮かべる。ダメだ。こんなメンタルじゃ、この先やろうとしていることに対する勇気が持てなくなるじゃないか。そう思いながらも、ローは流れる涙を止めることができなかった。もうやだ、と思って息を吸おうとしたが、失敗して咳き込んでしまう。本当に、嫌になってしまう。

「…なんなのよ、もう」
「あー、悪い、けむかったか」

 呟いたそのとき、頭上から突然声が聞こえた。ハッとして顔を上げると、見たことのある悪人面が、そこで2本の葉巻をふかしていた。

(白猟の、スモーカー…)

 海賊の間では有名な海軍本部の大佐だ。大佐だが、中将クラスの力を持ち、あの麦わらのルフィでさえ圧倒するという。面倒くさい相手に会ってしまったと思いながら、しかし彼のその態度に自分が海賊であることに気づいていないのか、と気がついた。

「いいえ、ごめんなさい、そうじゃないわ。気にしないで」
「じゃあ、なんで泣いていたんだ、お前」

 う、と息がつまった。やはり見られていたのか。ローは背を向けかけた姿勢を彼に戻して、あなたが知る理由なんてないわよ、と言ってみる。

「あまり詮索を入れないでくれる、白猟屋さん」
「…やっぱりな。お前がトラファルガー・ローか」

 え、と声が漏れた。自分の行動を思い返してみて、自分独特の人の呼び方をしていたことに気がついた。この呼び方はそんなに有名なのか。そう思うとなんだか恥ずかしくて、熱が上がりかけた顔を思わず下に向けた。

「やっぱりって、気づいていたんなら話しかけるのは嫌じゃないの、海賊よ」
「たとえそうでもな、泣いてる女を放っておくほど俺は薄情じゃねえ」
「なっ…、し、信じられないわ、海賊嫌いで有名なのよ、あなた」
「知っている」
「あのね、それってつまり、海賊もあなたが苦手ってことよ。それに私はまだ新人だから、海軍ってわかると反射的に距離をとりたくなるの」
「じゃあこれからはその必要がねえってわけだ」
「うるっさいわね」

 言うことにいちいち反論をしてくるスモーカーに、ローはついにしびれを切らして言い放ってしまった。対する彼は、いつもの悪人面に若干の苦笑を浮かべた、余裕の表情。なんなの、と思っていると、彼は何かごそごそと懐を探り出して、やがて何かローに投げつけてきた。

「うわっ!?」
「次の招集の案内だ。しっかり読んでおけ」

 それだけ言って、彼はそのまま煙となってその場を立ち去った。よくわからないひとだった、と思いながら招集案内の紙を見ると、一輪の薔薇も一緒に手渡されていることに気づいた。
 ———本当に、よくわからないひとだ。

 そのときのローは、その薔薇に込められた意味など、知るはずもなかった。

Re: 【ワンピース】lost days...【スモロ♀】 ( No.2 )
日時: 2015/11/11 22:53
名前: 生徒会長の恋を応援しています (ID: QJ6Z1NnV)

DAY.2

 次の招集は、パーティーから半年後。新時代が始まって混乱が絶えないせいか、頻繁に招集される気がする。またボア・ハンコックやジュラキュール・ミホークは来ないんだろうな、と考えながら、パーティーから3か月経った今、ローはとある島に来ていた。
 普段はしないのだけれど、綺麗な街だから出かけたいと言って、ローは自ら買い出しに出かけている。ログが溜まるまで3日ほどだ。それまで街の古書店でも物色していよう。

「ええっと、あの薬草がもう切れかけていたわね…」

 とん、とん、と鬼哭を肩に当てる。考えるときの癖なので深い意味はないのだけれど、ずぐ傍を通った人がびくっと肩を震わせた。ごめんなさい、と微笑んで、刀を見るだけで怯えるなんて、この街には海賊でも来るのか、と思案する。治安のよい街なら今くらいのしぐさなら気にしないだろうに…。

「まあ、私も海賊だけれど…」

 自分の思っていることがそのまま自分に返ってくることに気づき、少し笑う。怯えられるのも無理はないだろう。さて、古書店はすぐそこだ———
 と、そのときだった。

「きゃあああああ!!」

 悲鳴。聞こえたローは、反射的にそちらを振り向いた。もう古書なんて考えている場合じゃないと、瞬時に理解したのだ。悲鳴が聞こえた方に、すぐに走っていく。人をかき分け、かき分け、進んだ先で、

「金だァ! 全部出せって言ってんだよォ! 俺ァ、3300万ベリーの賞金首だぞ! 殺されたくなけりゃ、全部出せェ!!」

 海賊だ。ここは高級宝石店で、なんでこんな小物なマネをするんだろうか。3300万って、割とやり手なはずなのに。溜息をついて、ローはあふれる人だかりの一番前に躍り出た。

「あ? なんだてめえ」
「宝石店で強盗なんて、やり手の海賊のわりに安っぽいことをするのね」

 呟きながら、海賊たちが物色していた宝石を彼女もつつく。良いものだけれど、と言ってから、彼らに言ってやる。

「こんなことするより、賞金首ひとりを倒した方が、よっぽど儲かると思わない?」
「なんだてめえ…随分知った口を利く女だなァ! 殺してやってもいいんだぜ」

 海賊は、ローの首筋にナイフを当てた。つ、と血が滴るが、もちろん彼女はそんなことなど気に留めず、相変わらずの薄ら笑いである。癪に障ったのか、ナイフに力を込めた。近くから小さな悲鳴が上がる。それでも彼女は表情を変えない。むしろこの状況を楽しんでいるのだ。しかしそのとき、さらに癪に障った海賊は、彼女が女であることに、目をつけた。豊満な胸に、細いウエスト、小さなヒップ…抜群のスタイルに、海賊はするりと手でその体を撫でた。

「へへ…」
「っ…」

 それにはさすがのローもしびれを切らし、後ずさりをした。なんなの、変態なの、と思ってから、彼女は溜息をつく。そしておもむろに、肩に乗せるようにして持っていた鬼哭を文字通り「持って」、片手を前に出しながらこう言った。

「挑発したのは悪かったと思うわ。けれど、こんなことをするのは、やめてもらわないとね」

 "ROOM"
 声に出して、その瞬間、あたりに薄い膜が広がる。にこりと笑って鬼哭を抜いた。なんだなんだとあたりを見回している海賊たちを見て、ああ愉快愉快、なんて不謹慎なことを思いながら、鬼哭をひょい、と振った。
 もちろんのこと、彼らの体はばらばらに切り刻まれる。大きな悲鳴が耳をかすめる。しかしそれは彼女の能力ゆえに、死にはしない。ふふ、と笑って、

「"タクト"」

 ばらばらになった彼らの体を振り回す。うわあああと彼らがわめいて、さっきまでの威勢が嘘のよう。ああ、本当に愉快だ。ふふ、とさらなる笑みをこぼす。

「てめえ、何者だァ!!」

 気づいてなかったの、と思った。しかし、聞かれたなら答えよう、隠す身分でもない。そうね、と間を置いてから、彼女はこう名乗った。

「オペオペの実の、"人体改造自在人間"———」

 "世界政府直下王下七武海"トラファルガー・ローよ———

Re: 【ワンピース】lost days...【スモロ♀】 ( No.3 )
日時: 2015/12/05 18:36
名前: 生徒会長の恋を応援しています (ID: QJ6Z1NnV)

DAY.3

 ローは、形の良い口をきゅっと引き結んで、海楼石の錠でしばって転がした馬鹿な海賊どもの上にどっかり座っていた。
 襲われた宝石店の店主はローの指示に従って海軍を呼んでいるようだった。まわりの野次馬は、大きな刀をかついだ謎の美女が"最悪の世代"で新人七武海の"死の外科医"のトラファルガー・ローだと知って、ひいい、なんて情けない声を上げつつ逃げ去ったから、ずいぶんと静かになった。とはいえ、何もしていないのにそんなに怖がるなんて、失礼ではないか。仮にも女性相手に。
 はあ、と溜息をついて、当然のように足をぶらぶらさせて海軍の到着を待つ。下でうえっ、なんて苦しそうな声が聞こえたが、気にしない。強盗なんてする方が悪いのだ。やがて、イライラした口調で呟く。

「おっそいな…」
「悪かったなそりゃ」

 独り言のつもりだった。なのに答えが返ってきて、驚いたローはびくんと大きく跳ねた。すると眼前に白いふわふわしたものが見えたので、ん、と首を傾げたが次の瞬間、ゲホゲホとむせて、煙だと気づく。まさか、この白煙は———

「は、白猟屋さん!?」
「なんだ、知らなかったか」

 ここはG5の管轄だぞ、とスモーカーは煙を吐き出した。
 まわりを見回してみると、なるほどG5であろうガラの悪い海兵が宝石店の店主に話を聞いたり、荒れた店内を調査したりしている。ぼうっとしすぎていたか。

「おい、それよりそこどいてくれるか」
「へ?」
「お前の下、そいつらをしょっぴかにゃならんからな」
「あ…そうね、あなたがどれだけヤクザのようでも海軍中将だものね」
「うるせえよ」

 嫌味を言いながらそこをどいてやると、スモーカーは意外にも小さくそう言っただけで、怒鳴ったり、海賊風情が、と掴みかかったりしてこなかった。体をバラバラにされた哀れな海賊どもを片手で持ち上げると部下に連行させ、それが全部済んだら、今度はその場を去ろうとしていたローに声をかけた。

「何、まだ何かあるかしら」
「事情聴取と、そうだな、七武海が討伐したということで、報告書も作ってもらわんとな」
「ああ…そうなのね。わかったわ、クルーには伝えておく」
「いや、今すぐの必要はねえよ。落ち着いたら俺が船まで迎えに行く」
「…そう、悪いわね」

 ドキン、と心臓が鳴ったのを感じた。この男、当然のように『迎えに行く』と言った。『迎えに』って。余計なお世話、と思ったけれど、でも、不思議と嫌じゃなかった。

「じゃあ、今のところは戻ってもらってかまわん」
「ええ、じゃ、帰らせてもらうわね」

 動揺を隠すために帽子をいつもより目深に被って、口早にそう言って、その場をシャンブルズを使ってあとにした。
 何に動揺しているのか、自分でもわからない。でも、心臓がうるさいからしょうがない。そう言い聞かせて船に戻って、目当ての古書を買いわすれたことに気がついた。


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