BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 衝動的行動【オリジナルBL小説】
- 日時: 2015/11/22 20:51
- 名前: 臨憑 (ID: vyWtoaEp)
初めまして。臨憑と申します。
初小説投稿なのでおぼつかない文章ではありますが、精一杯頑張らせていただきます。
空いている日に書きに来る超不定期更新です。
正直言うと漫画を描く方が得意なのでプロット的に纏めてるだけの……
文じゃない何かになってると思いますがそこは自分の力不足です。すみません。
- Re: 衝動的行動 ( No.1 )
- 日時: 2015/11/19 14:24
- 名前: 臨憑 (ID: wUEUf8c.)
俺は二時間前、誕生日を迎えた。
ケータイには受信したメールが一件。
咲也という名前の差出人。
俺が先日告白した相手である。
勿論、俺が言いたかっただけ。叶わないのはわかってるんだ。なのに言わずにはいられなかった。
独りで抱えておくことが出来ないほど、想いが膨らんでしまっていたから…
例え俺が男で、彼も男であっても、押さえられない想いというのはあるのだ…
[一時間後、学校で 咲也]
- Re: 衝動的行動 ( No.2 )
- 日時: 2015/11/20 15:54
- 名前: 臨憑 (ID: vyWtoaEp)
「…なんですか、いきなり…」
学校につくや俺はいきなり咲也に言う
いきなり、そう。本当にいきなりなのだ。それでもこんな風に来てしまう自分は
本当に彼が好きなのだと実感させられる。それに彼はプールサイドに居た。見つけるの大変だったんだぞコンチクショ
「まさか本当に来るとはね、いやぁ、この前君逃げちゃったじゃない。言いたいことだけ言ってさ」
逃げた、とはあまり思いたくないが確かに逃げた。想いを告げた後の空白が辛かったのだ。今思えば男に告白されたんだから当たり前なんだけど…
「俺の返事、聞かなくていいの?」
本音を言うと聞かなくてもいい。返事はわかりきってるし。彼が日中ではなく夜中を選んでくれたことには感謝する。夜はいい。なんでも暗闇に溶け込ませられる。
「いい…です。答え、わかってるし…あ、でもちゃんとフッてくれるならそっちの方が…」
涙が出てきた。わかりきってる答えを聞く前でもやはり涙は出る物なのか…
必死に涙を止めようと息を止めるが苦しくなって咳き込んでまたまた涙が出てくる。
「……実を言うと俺、まだ君をフるかどうか決めてないんだよね。」
「……へ?」
本当に間抜けな声だったと思う。後から後から、滝のように出ていた涙も止まってしまった。
「いくつか聞きたいことがあってね。それ次第かな」
聞きたいこと…?それの答え次第…?なんだそれ……なんだそれなんだそれなんだそれ!!
「……人をからかうのもいい加減にしてくださいよ…」
「え?からかってなんか————」
「貴方にしたら!良い玩具見つけたな位にしか思ってないんでしょう!?わかってます!!でも…俺が上手く答えれば良いって事ですか!?貴方好みの答えを選べたとして、何してくれるって言うんですか!?そんな…そんなの………ふざけないでくださいっ!!俺はっ……しんけ、に…」
俺の涙は底を知らないらしい。最後の方なんてもうぐちゃぐちゃだ。もうまともに呂律も回らない。
「…聴いて。決してふざけた訳ではないよ。」
言いながら一歩一歩着実に、俺に近づいてくる。
そして俺の目の前で止まった。
「…誤解をさせたみたいだね。、まずそれを弁解させてくれ。」
そう言って俺に優しく触れる。まるで、腫れ物にでも触るような優しさで…
「君の答え次第っていうのは嘘だ。99%、答えは決まっていたよ。ごめん。でもどうしても知りたいことがあったんだ。」
そこまで言うと手を俺の顔に当て、自らの目線と俺の目線を合わせた。
「お前は、どうしたいんだ。」
俺は、しばらく答えることができなかった。どうしたいかなんて考えていなかったからだ。最初から叶うはずのない恋なんてして、答えに期待するなんてばかげてるし。
でも俺は今の心情をそのまま言った。言うことができた。
「い…告えたら、良かったんです…伝えられれば…それで…」
…また空白が襲ってくる。俺は必死で顔を逸らそうとしたが彼の手が許さなかった。それでも俺はせめてもと目線だけ逸らしたら彼は顔の拘束をやめた。そして抱きしめられた。今度は本当に優しい…全てを包み込むような優しさで。
「……どうしたいとか、…ほんと、わからなくて…」
まだ空白が続く。
「こんな…か、叶わない…恋なんて…しなきゃ、良かったって……でも好きで…」
彼は無言でずっと聞いてくれている。いや、俺の言葉を待っている。
「ずっと…好き、だったから…お、終わるの怖くて…」
無言を貫いていた彼が、抱きしめる力を少し強くして言う
「うん。わかった。でもさ、君は告白の時も『ずっと、好きでした…!』だったよね」
俺は彼の肩に顔を埋めている状態で頷いた。
「…俺ならこう言うよ?『ずっと好きでした。付き合ってください』って。」
「あ…」
どうしたいかの意味がわかった。告白の先のこと、伝えて、答えはいらないのかって…そういうことか。でも…
「つ、付き合って…くれなくても…良いんです…それを望んでいた…わ、訳ではないので…」
また空白が襲ってくる。しかもなんかピリッとした空白が。でも先に今回の空白を破ったのは彼だった。
「いいよ。君の言葉で言って。君の言葉なら信じよう。」
俺の言葉。俺の本心。叶わないと決めつけた故の言葉ではなく…俺の言葉を待っているのか……
俺は、俺の本心は…
「…もし…か、叶うなら……貴方の近く…玩具でもいいから…誰よりも近くに…い、居たいです…」
「本当にそれを願う?」
間髪入れずさらに問いを被せてきた。
「…か、叶うなら……」
「玩具でいいの?」
近くに居られるなら玩具でもいい。それは本心だ。彼が俺に飽きるまでは誰よりも近くに居られ——…
「誰よりもって事は、俺の彼女よりってことだよね?」
「———…ッ!」
…彼には彼女が居る。ずっと見てきたんだ。知らないわけがない。そんなことができるとは思ってもないから望みもしない。きっと言い過ぎたんだ。俺もそう思う
「……だッ…誰よりも近くなんて…」
『無理に決まってました。ごめんなさい』そう言うだけなのに、言葉が出てきたがらない。紛れもない俺の本心。『誰よりも貴方の近くに居たい』叶わなくても、せめて…願うことは許して欲しい
「む…無理だってわかってます。…でも!でも…」
「…でも、何?」
俺はいつの間にか彼の背中に爪を立てていた。それほど混乱していたのだろうか…慌てて離れる
「…す、すいませ、せなk「いいから、続き」
俺の言葉に被せて言う。そして1度離れた俺を再び自らの元に連れ戻した。
「…ぅあ、う…」
申し訳なさと恥ずかしさと嬉しさと切なさと…色々な感情がこみ上げてきた。
次の言葉を発すのにどれくらいかかっただろうか。俺はやっとのことで言葉を発した
「無理でも…願うのは…許して…ください…貴方の邪魔はしませんから…」
そこで彼はため息を大きくつく。そこから一拍おき、続けた。無邪気そのものの笑顔で。
「……なら、叶えよう。その願い。」
呆然とした。叶うことなんてないはずなのに、1度だけ願ってみたら…こんなにも…
足の力が抜けてその場に崩れ込む。彼は俺を支えながら一緒に座ってくれた。
「なん…」
まだ思考回路が仕事をしない。何が起こったのか自分でも理解していない
「どうしたの?俺は君を受け入れるって言ってるんだよ?」
その言葉を聞いてやっと理解した。理解した故の疑問も出てきた。
「彼女さんは…どうするんですか…」
「他に気になる子が出来たって言うよ。人間なら誰にだってあり得ることさ。同性でもね」
「だめですっ!」
瞬間、立ち上がりながら叫んでいた。自分でも驚くような大きさで。
「だってそんなの、俺が2人の邪魔をしてしまったなんて…普通の人なら男女で対になるはずです。俺みたいなイレギュラー…気持ち悪がられて、独りになって…それが普通じゃないですか!!」
しばしの沈黙の後、口を開いたのは彼だった。
「…じゃ俺も普通じゃないのかなぁ…イレギュラーとイレギュラーなら、アブノーマルもノーマルになると思わない?」
「貴方は普通ですよ…女の人を好きになるんでしょ?」
「でも今君を受け入れたよ?」
「好きでもないくせに」
言い合いが続いた。いつか俺が負けると思ったが先に口を閉ざしたのは彼で、俺は自分の言ったことなのにとても胸が痛くなった。言ってしまったという時点では俺の負けだろう。
「…そうだね、好きじゃないよ。好きじゃない…。」
「じゃあなんでッ!…あぁ、そうか。貴方は人で遊ぶのが好きなんですね…」
「君が自分で玩具でもいいって言ったんじゃない。玩具で遊んで何が悪いのさ」
今度は俺が負けた。こんなに言われてもまだ近くに居たいと思う俺なんて海に沈めてしまいたい…あぁ、近くに小さいけど海があるじゃないか。一歩横にずれれば…
「ちょ、おまっッ…!」
俺はプールの中心近くに飛び込んだ。自慢ではないが俺はビート板をつかって犬かきが出来れば超褒められる。
自ら浮こうとしない体は水の浮力を微量に受けながら沈んでいく。薄れゆく意識の中で俺は、もう一つの水音を聞いた。
- Re: 衝動的行動【オリジナルBL小説】 ( No.3 )
- 日時: 2015/11/24 14:26
- 名前: 臨憑 (ID: vyWtoaEp)
誰かに…抱き寄せられてる…?
寒い………身体が…重い…
喉に何かつかえて…い、息が 出来ない…
酸素…酸素が…
「げほっげほっ……かはッ…」
ここ、は…
「!!気づいたか、良かった…」
心底安堵したような表情でこちらを見つめる
そんな顔しないでよ…そんな、そんな…
「お前が泳げないの知ってたから…焦ったよ…。大丈夫…?」
「ありがとう……ございます…」
『なんであんな事をした』と怒らない…怒ってくれない…。怒ってくれたほうが…
ゆっくりと、彼の顔に手を伸ばす。
「…酸素の海って、知ってますか…?」
「いや、塩素の小さい海なら知ってるけど…」
知らないのが普通か…関係ある人にしか知られてない秘話だものね…。
「昔…惹かれ合っていた2人が居たそうです。一人は、肺を患っていて、余命がもう無かったらしいです。」
「今の俺達みたいだね」
本当にこの人は無邪気そのもので笑う…そもそも惹かれ合ってなんてないし……
俺の片道通行でしょ…
「その2人はやっとのことで想いを伝え合い、一緒になりたいがためにプールで心中しようとしたらしいです」
「プールで…ねぇ…わからなくもないかな、」
手が…ずっと握られている…多分もうプールに飛び込まないためにだろう…
俺も…握り返して……良いのかな…
握られていた手にそっと力を込める。
「っ!!…風邪、引くといけないし…移動しよ?…」
彼は…優しい顔で微笑んで握り返してくれているつもりなのだろう……
愛しい…彼が愛しい…そんな表情されたら…
「保健室…でいいよね?…」
「それ、さ…」
誘ってるんですかなんて言えるわけない…その気が彼に無いのはわかりきってるし、
俺は口ごもる形になってしまった。
「俺さぁ、…これでも一応誘ってるんだけど?」
とても小さな声で呟いた。かなり近くに居ないと聞こえないくらい。
俺は返答が思いつくどころか完全に固まってしまっていた。
「ヤってみたら好きになれるかも知れないじゃない。大事だよ?身体の相性。」
好き合っていないでなんて、そんなの性欲処理でしかない
俺だったら絶対に嫌だ。好きでもない相手と繋がるなんて。考えただけでも吐き気が…
「っうぇ…」
「え!?ちょ、大丈夫!?吐くの!?ト、トイレは鍵かかってるし…保健室まで保つ?」
「っだ、だいじょう…」
「じゃないでしょ!?おぶって連れてくけど吐きたくなったら言えよ!」
あ、どうしよう…大量に飲み込んだ塩素水が上がってくる…ダメだ…も、無理…
再び意識は遠のいた。
- Re: 衝動的行動【オリジナルBL小説】 ( No.4 )
- 日時: 2015/11/24 14:11
- 名前: 臨憑 (ID: vyWtoaEp)
再び目を覚ましたのは保健室のベットの上だった。
あぁ、このパターンは…俺…あのまま…
「あぅぅ…死にたい…」
自己嫌悪に陥っていると、窓から外を覗いている咲也が見えた。
とりあえず謝罪とお礼をしようと近づいていく。
「ゆう…君は…」
ッ…!
俺は瞬間的に黙る。
ゆう…?誰…?っていうか、泣いてる…?
彼が泣くことは珍しくはなかったが、涙にも種類はある。悲しみ、痛み、楽しみ…
月明かりが彼を照らしているのもあってか、今の彼の涙は哀しみの涙に見えた。
俺、そんな涙見たことない…
「ほんとあり得ない…居なくなった後も君の話を聞くなんてさ…」
俺はなにも出来なくなった。話しかけていい雰囲気ではないと諭した。
この『独り言』は聞いても良いものなのか、はたまた知らぬが仏なのか…
「…君は、もう自由だものね。俺なんかが縛っちゃいけない…」
あぁ、ゆうさんは亡くなったのか…
その後彼は無言で泣き続けた。俺はベッドの中に戻り、ひたすらそれを聞いていた。
ピリリリリリリリッ
「「!!」」
突如なった着信音は俺のものだった。塩素水に沈んだくせにまだ使えるというのか。凄い。
俺は反射的に電話に出ていた。
「…はい?」
「あんた今何処におると!?」
…母からだった。最近トイレが近いとか言ってたからな…
「学校じゃ…すぐ戻る。心配せんで…」
彼がこちらに近づいてくる。カーテンを開け、俺の寝ている(今は座っている?)ベッドに乗ってくる
素肌に白衣というその姿はとても魅惑的で月明かりが更に怖さを演出している。
こんなに人を恐いと思ったのは電車で痴漢にあったときくらいだ…(男でも痴漢にあうのだ)
「はよ戻ってきぃや。んで、どげん用事があったと?」
「…え、あ、すまん聞いとらんかった…」
ちゅ…
「……ふぁ…?」
「どげん用事があったらこんな時間に学校行かなあかんのやて聞いとるんよ」
思考停止。右側からの母の声も聞こえてこない。
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