BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【おそ松さん】嘘吐き。(そしてチョロ総受け)
- 日時: 2016/01/20 21:12
- 名前: かわの (ID: cJYcwzou)
※チョロ松以外全員ヤンデレ。何か怖い。またもや総受け。R18。自重しろ。以上苦手な人ブラウザバック(゜ω゜)
其処には幼い少年が立っていた。血みどろで少年は狂ったように笑っていた。其れと共にでる滴は冷たいコンクリートを濡らした。
『僕は、常識人だ。そうだ。そうだそうだそうだそうだそうだそうだそうだ。』
(本当にそれでいいの?)
そんな幼少年の時の僕の声は聞こえないように塞いだ。
「やっと就職できたー!」
松野チョロ松はバンザイ三唱する。兄弟達はちゃぶ台を囲みながら目を丸くし、合格通知をのぞき込でんいた。見たか!このクズ兄弟共!内心いや、目に見えるように兄弟達を見下す。
僕だってやればできるニート、略してYDNだ!
だが兄弟達はそこに目を取られている訳ではないようだった。
「お前、この会社隣の県だぞ。遠いぞ。」
おそ松兄さんが真顔で僕に問いかける。
「今更会社なんて選べないし、そこ正社員で雇ってくれたし、いいかなって。」
僕は少し兄さんの真顔にたじろぎながらも答える。
「・・・会えなくなるよ。」
一松が小さく呟く。
「別に、僕が居なくても生活できるでしょ。」
そう言うと、一松の猫を僕は撫でた。
「my brother。本当に行ってしまうのか。」
カラ松は少し涙目だった。
「大袈裟だよ。月に一回は帰ってくるって。」
そっと微笑む。
「ふーん兄さんの勝手にすれば。」
トド松はスマホをイジっていた。声は震えていた。
「そうさせて貰うよ。」
トド松の頭を少し叩く。
「いついくの−?」
十四松が笑顔で聞く。
「明後日に行くよ。色々準備もあるし。」
そう言うと皆ふーん、と興味無さそうに言っていた。
荷物を詰めて、早朝に家を出る。他の兄弟達に見つからないようにこっそりと。
まだ朝の5時だ。他の兄弟達に会ったらきっと決心が揺らいでしまう。
会社では社宅に住むし、更々家に帰る気なんてない。
〝バイバイ皆。せいぜい元気に暮らしてよ。〟
そう書いた手紙を置き、家からでる。ごめんね皆。本当は嘘なんだ。僕が働くのは会社なんて良いものじゃない。僕だって皆に報告してから気づいたんだ。ちゃんと説明は読むべきだね。
潔癖性なのにわざわざ汚されるなんて馬鹿だよ。僕は。
でもね、兄弟のことダシにされたら首を縦に振るしかないでしょ?
でも皆僕が居なくなって清々したでしょ。昨日報告したときに思ったもん。嗚呼、皆僕に興味ないなって。
じゃあね、愛した人達。馬鹿みたいに明るくて、僕とは違う世界に住む人達。僕は君達とお別れするよ。
僕は玄関に向かった。
「何してんの。チョロちゃん。」
吃驚して後ろを振り返るとおそ松兄さんと一松が見えた。
「散歩だよ。」
「こんな時間に?」
「嘘吐き。」
一松の言葉にびくりとする。
(嘘吐き。君の事だよ。嘘吐きで成り代わりの君の事。)
五月蠅いな。いつもいつも僕の大事な所で邪魔しないでよ。
耳鳴りがする。嗚呼、駄目だよ行かなきゃ。兄弟が汚されちゃう。僕の視界を邪魔しないでよ。頭がかち割れそうだ。
(君はかち割れた方がいいよ。偽るのが得意な嘘吐きさんはね。)
黙れ。黙れ。黙れ。行かなきゃ駄目なんだ。白く荒い息が空気と同化した。
(ばいばい。常識人?の嘘吐きさん。)
あのとき殺したのは誰だっけ?
(君・・いや、僕自身だよ。)
そっかそうだったけ?あのとき泣いたのは僕だったけ?もうどうでもいいや。
頬から何かが流れて、そこで記憶が途切れた。
痛い。何コレ。縄?なんで縛られてんだ?足も痛い。血が出てる。でも視界がボヤボヤする。
「あっ!起きた!」
十四松が大きく叫ぶ。てかココ何処だよ。
「ココはねデカパン博士に作って貰った小屋だよ。」
心を読むなクソ長男。
「てか、僕仕事場行かなきゃいけないんだけど。」
「残念。兄さん歩けないようにしたから。」
切ったのはお前か一松。どうすんだよ。
「大丈夫だよ。あの例の仕事は代表取締役のPCにウイルス送っといたら、勝手に潰れてくれたよ。」
何て事してくれたんだ。犯罪じゃねーか。後、この状況について事細かに知りたいんだが。
「言うこと聞いてくれないチョロ松が悪いんだぞ。」
なにを言ってるんだ。カラ松は。
「今からチョロちゃんを犯しまーす!」
おそ松兄さんが高らかに宣言する。
「はい、って事でお注射しようね。」
兄さんの顔は笑ってはいるが、目が据わっていた。
「やだ・・・なにそれ・・っ」
「さて、なーんーだ」
薄いオレンジ色の液体の入った注射器を僕に向ける。
「気持ちいい薬!」
十四松が大きな声を出す。
「ご名答。」
おそ松兄さんはそう言うと僕の腕を握る。
「痛っ、やめて・・・」
おそ松兄さんは腕を握る力を強くすると、
「チョロ松。気持ち良くなるのと俺たちに殺されるのどっちがいい?」
そう濁った紅色の目で聞かれる。どっちも嫌だ。誰か助けて。立ちたくても足首を切られていて立てない。
「今逃げようとしたでしょ。そんな事すんならもうここから出さないからね。」
そう言うと共に注射を刺された。熱い。痛い。気持ち悪い。此処から出して。
(無理だよ。だってコレは僕の罪と罰だ。)
耳を塞ぎたくなる現実を大きな耳鳴りがかき消した。きっと僕は一生の間でこんなに素晴らしいく愚かな音は聴かないだろう。
「チョロ松、今日は俺が相手だ。」
嗚呼、檻の外から蒼い服を着た男が見える。視界がボヤボヤして見えにくいけど、きっとカラ松だ。
「カラ松、大好き。」
とろんとした、焦点の定まらない目で微笑むとカラ松も笑ったような気がした。
もうこの檻から出るのは諦めた。だってこんなに気持ちいいだもん。歩けなくたって、目が見えにくくたって僕の愛しい兄弟達は狂おしいほど僕を愛してくれている。きっと僕があのとき殺したのは・・・なんだったけ。どうでも良いや。
だって皆僕を性処理の玩具として使ってくれている。僕に興味が無くとも、オナホ代わりだったとしても役に立つなら其れでいいのだ。
「つよっいんん・・・ああっ」
いつもより大きなソレに大きな快感を覚える。
「チョロ松、愛してる。」
カラ松は僕のナカで呻きながら囁く。
「僕もだよ。愛してる。」
そう言い微笑んだ。
(嘘吐き。馬鹿で滑稽で最高に歪に歪んだ嘘。)
違うよ。コレが僕たちの愛なんだ。少し欠けた僕らの愛。
コレが「僕」そのものだ。
(・・・勝手にすれば)
そう言い残し声は消えた。
バイバイ。幼い頃の自分。
チョロ松は狂気に満ちた顔で自分に対して微笑んだ。
そして、今の自分を抱いている男の耳元で甘く囁いた。
僕を殺して。
fin