BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

魔法少年
日時: 2016/03/05 16:04
名前: 赤猫。 (ID: mwz5SFMT)

初めまして!赤猫といいます。よろしくお願いしますです!
本作品はノーマルであり、アブノーマルでもある、少々可笑しなファンタジーです笑
ノーマル、じーえるメインですが、スパイス程度にびーえるが含まれております。

でも大丈夫!

「ノーマル」?だったらコメディいけやあ!!←御尤もです。でもじーえるが並行しているんです。そりゃいかん
「じーえる」かあ……。あたし良くわかんないや。←ノープロブレムッ!ただ女の子がいちゃいちゃするだけです。
「びーえる」はちょっとな……。←問題ありません!激しいシーンはありません。(てか書けません)

たくさんの人に読んでいただけるような作品にしていきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします!!


注意事項

 前文通り、ノーマル・じーえる・びーえるが含まれております。苦手な方はお戻りください。
 何分初めて描く分野なので、拙い文章等あると思いますが、ご容赦願います。
 誤字脱字等、気を付けておりますが、お気づきの点がございましたらご連絡お願いします。
 コメント大歓迎です!くださった方には必ず返信いたします!

目次

 #1>>1

Re: 魔法少年 ( No.1 )
日時: 2016/03/05 21:17
名前: 赤猫。 (ID: mwz5SFMT)

#1


____願い事……?


突然発せられたその言葉に、ぐっと息をのむ。

私の願い。絶対に叶うことがないと思っていた。

激しく鼓動が脈を打つ。




本当に叶うの_______?





その時の私は、期待半分怪しさ半分でそのものを見た。
いや、怪しさが9割を占めていたかもしれない。


だってそれは………


まごうこと無き鶏だったから。




__時は数時間前にさかのぼる。



「いってきます」

誰もいない空虚な空間に、いつも通り声をかける。
…いや、正確に言えば何かはいるのだが。
そこには、いつも通り美しい肢体を弄ぶ、白蛇がいた。

それには実体がなければ、害も無い。
ただ私の家に住み着いているだけのようだ。

外に出れば、また美しいものが私の目を保養する。

天に向かい、優雅に空を泳ぐ龍や、名もわからぬ2匹の動物が仲良く飛んでゆく姿。
毎日のように見る光景。
だが、最近はその姿を見ることも少なくなった。
昔はもっと草木の間や路地裏に、ひっそりと佇んでいたものだ。

その原因は分からない。

毎日少しずつ、日の光を浴び、消えてゆく姿を何度も見てきた。

私は何もできなかった。

それを眺めているだけの私を、人々は何度も指をさす。

『あのおねいちゃん、何を見ているの?』
『見て、あの子また誰もいないところを見てるわ』
『近寄らないほうがいい』
『何考えてるか分かんないよね』

どうしようもなく、人々の言葉は突き刺さる。
でも、悲しむことも憐れむこともできなかった。

ただただ、憂欝が私の心に降り積もるだけだった。



「やあ!初めまして!」

不意に声をかけられた。だがその声の方向には誰もいない。
私が不信感を抱いていると、
「こっちだよ!下下!」
そこには確かに鶏が羽をはためかせていた。

一瞬思考が停止する。
まって。ここは養鶏所ではない。じゃ、どこからか逃げてきた?この辺りにそんなのあったけ?
あの美しい動物たちに実体は無い。もちろん話しかけられることも無い。
じゃあこれは一体……

私が試行錯誤していると、鶏はおかしなことを言った。
「ねえ君、僕のことが見えているんだろう?」
鶏は小首をかしげる。

いやあたりまえですがな。

この鶏には実体がある。一般人が喋る鶏を見つけたら、どこかの研究所に連れて行かれるだろう。
だが……
丁度そこに笑い声が聞こえてきた。
登校中の小学生だろう。まっすぐこちらに向かってくる。
彼らにも、この鶏の姿が見えているはずだろうが、彼らは私たちに見向きもしなかった。

どうして……?

「おや、一般人に僕らが見えなくても、別段気にすることではないだろう?
 『天眼』の娘よ」

てんがん?目薬のこと……?

「え、キミ何も知らないの?」
鶏の言う言葉全てにクエスチョンマークを浮かべている私に驚いたらしい。
私はこくこくとうなずいた。
「え〜説明めんどくさいなあ。まあお仕事だし、しょうがないか。
 じゃあ、さっそく聞くけど、キミ何か願い事がある?」



____願い事……?


こうして1人の人の子と1羽の鶏が出会ったのである。

Re: 魔法少年 ( No.2 )
日時: 2016/03/05 21:29
名前: 赤猫。 (ID: mwz5SFMT)

あああああああああ!!!
申し訳ありません(泣)初っ端から盛大なミスを犯しました。
先程修正を行いましたが、ダイジョウブバレテナイと半泣き状態です。

さあ一体どこを間違えたでしょう(がくぶる)
正解した方には特製ぬこなべをプレゼント!

さあ召し上がれ!




     ぬ   こ   な   べ




……はい。くだらないことにお付き合いいただき、ありがとうございました(泣)
これからはこのようなことがないよう精進いたしますので、何卒よろしくお願いいたします<(_ _*)X(*_ _)>

Re: 魔法少年 ( No.3 )
日時: 2016/03/24 15:16
名前: 赤猫。 (ID: mwz5SFMT)

#2

 願い事、かあ……。

私の願いが本当に叶うとしたら、それはどんなに素敵なことだろうと思っていたけれど……。
とりあえず、今私がまじめに考えることはそこじゃない。

「まず、あなた誰ですか?」

「ああ、自己紹介をしてなかったね。ちょっと待ってて。」
鶏はそう言った瞬間、眩い光を放ちだし、その光の中から1人の少女が現れた。
その少女は金色の髪を短く切り、澄んだ蒼い目を持っていた。
その目と同じ色をしたイヤリングが控えめに光る。

「かわいい…」

あまりの可愛さに、思わず口からこぼれてしまった。
「そうだろう!?この姿は僕も気に入っているんだ。良い奴だな!お前!」
見目麗しい少女は蒼い目を更に輝かせ、私の手を握った。
女の私でも心を打たれる。

「申し遅れた。僕は天照大御神の使わしめ、あんずだ。君は?」
「わ、私は柊朔夜です。」
「ひいらぎ さくやチャンかあ。良い名前だな!」
「あ、ありがとうございます…。
 あ、あの『あまてらすおおみかみ』って神話に出てくる神様のことですよね?」
「おお!我が主のことを知っていたか!?うむ良い人の子だ。特別に教えてやろう。」
あんずさんは細い人差し指を立て得意げに話しだす。

「主は太陽を神格化した神だと言われている。まさに母なる太陽とは我が主のことだな!」
「そ、そうなんですか。」
若干潤色が見られる気がするけど、しばしば笑顔をこぼすあんずさんはとても可愛い。
「僕は主が伊勢神宮に坐したときに拾っていただいた。
 僕は卵を産めぬ体で生まれてしまってな、使えぬ鶏だと処分され、浮遊霊となってしまうところを助けていただいた。
 そのときの主にはもう数え切れないほど神使がいたのにも関わらず、だ。」
あんずさんは何百年も前のことを、昨日のことのように想い、微笑む。
そこからあんずさんのご主人に対する深い尊敬の念を感じた。
「凄い方なんだ。本当に……」
「はい。とても尊敬しているんですね。」
「あ、ああ。そうだな」
少し照れながら頬をかくあんずさん。
ま、またしても私のハートを打ち抜かれてしまった。


「で、僕がここに来た理由はだな……」
あんずさんが言い終わる前に遠くからチャイムの音が聞こえた。
「あ、学校……。」
突然非日常的なことが起こり、すっかり忘れてしまっていた。
急いで向かわないと遅刻扱いになってしまう。
「すみません私そろそろ…」
「ああ大丈夫だよ?そうだな、また僕はここで待っているからさ、いつでもおいでよ。」
あんずさんは笑顔で手を振ってくれた。
「はい。ではまた。」
「あ、そうだ。『願い事』具体的にじゃなくてもいいからさ、考えてきて。」
少し歩き始めたとき、私を呼びとめそう言った。
「はい。分かりました……。」
私の心が少し高ぶる。
「ばいばーい!」

でも高ぶった感情はすぐに影をつけ、その場を後にした。



「おはよう朔夜!」

元気よく挨拶をしてくれる、

「おはよう藍ちゃん」

私の唯一の友達だ。


「今朝はどうしたの?珍しく遅刻ギリギリだったじゃん。」
「あー…、ちょっと寝坊しちゃって。」
「そうなの?そんなこともあるもんだねえ。」
親しく話しかけてくれる彼女の名は、佐把芽藍(さわめ あい)。
授業後の休み時間、私たちはいつも他愛無い話をする。
去年まで私には無かった日常だ。

高校1年生の冬、いじめに遭った。
高校生になっても周囲に溶け込めず、1人クラスの中で浮いていた私が、きっかけを作ってしまったのだ。
それは彷徨っていた皆のストレスのはけ口に、ちょうどおさまってしまった。
実体のない動物を助けようとした私が、必死に抵抗してしまったから悪いのだ。
思えば私にも、いじめをした人にも、<あの仔>をどうすることもできないのに。
ばれた、と思ってしまった。傷ついた<あの仔>がいることに。
教室の隅にいた小さな狐を————



『あれ、君そんなところでなにしてるのー?』
『ちょ、やめときなよ〜』
『良いじゃん別に。ねえ何してるの?ちょっと見せてよ』
『やめて』
『いいじゃんかー、そこに何があるの?』
『見せろ!見せろ!』
『やめて!』
『いったー。まじかよ俺殴られちまったよー』
『うわーやっちまったなお前』
『てか、隠してたとこ、何も無くね?』
『ほんとだー。うわあれですか、私霊が見えちゃう系ですか?』
『ないわー』
『へえ、君おもしろそうだね。皆様ちょーっといたずらしてみる?』
『さーんせーい!』
『じゃあ君あっちに行こっか』



ことが終わったとき、私は傷ついた体を引きずり、もう一度狐がいる場所に向かった。
だが、もうそこに狐はいなかった。
怪我は大丈夫なのか。どこかでまた倒れていないか。母親に会えたか。
そんな考えが頭を巡り、全身の痛みと相まって泣き崩れた。

『大丈夫?!』

そんなとき、私を助けてくれたのが彼女だった。
他クラスだった私たちはお互い名前も知らなかったのに、彼女は慌てて私を保健室まで連れて行ってくれた。
後々聞いてみると、彼女は空手を小学校の頃から続けており、女性を背負うことなど朝飯前だという。
私は心も体も疲れ切り、いつの間にか眠ってしまった。


「で、カレはこう言ったの。『お前を一生幸せにする』って!
 すごくかっこよかったんだよ?!って聞いてる?」
「うん聞いてるよ。」
「そう?もう絶対そんな人がいたらついてっちゃうよね〜。」
藍ちゃんはベタな恋愛ドラマが好きらしい。
毎週好きな俳優さんについて熱く語ってくれる。
きっと包容力のある、強い男性が好みなんだろうな。
私はそんな人には絶対になれない。

そう諦めていたのに……

私に、あなたを守ることができますか?
こんな私でも、あなたのために何かできますか?
あなたの——————

大切な人になれるでしょうか。


春の陽気な日差しが照らす教室で、ふとそんなことを考えた。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。