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森少女—forestga-ru—
日時: 2016/03/28 15:24
名前: 夏音 -kanon- (ID: pgLDnHgI)

彼女と出会ったのは、夜を忘れるような陽の差す昼のことだった。
「遥瑠夏。」
名前を呼ばれ読んでいた雑誌から目を離し
「何」
と、そっけなく返した
祖母は一瞬寂しそうに微笑んだが
「おつかい行って欲しいの。」
とそう言った。
私は面倒くさそうに立ち上がると祖母はありがとうと言って
買ってきてほしい材料と書かれたメモを渡した。
「そこの商店街でいいから。すぐ帰ってきなさい。」
「ん」
同じようにそっけなく返したが祖母は相変わらず呑気に好きなお菓子買ってきていいからね〜と手を振った

私は祖母が嫌いだった。
何時までも私のことを子供扱いする過保護な人だからだ。
それなのに今年の夏、急に母がおばあちゃんのとこに行きなさいと私に告げたのだ。
私は当然断った。
すると母は「おばあちゃんが会いたがってる。」
と冷たく言い放って勝手にお泊まりの準備をされた
。私の家系の人は過保護しかいないと。その時悟った。

Re: 森少女—forestga-ru— ( No.1 )
日時: 2016/03/29 12:50
名前: 夏音 -kanon- (ID: ohlIx/rn)

お使いとか・・・自分で行けよ・・・。
めんどくせえ
でもお小遣い貰えるしいいか、、。
そんなことばっかり考えてると
あれ?
「知らないとこに出てきちゃった」
そこは辺りに街灯は無く木々が生い茂っていて光がほぼ指さないようなそんな薄暗い夜のような場所・・・
ポケットを探り携帯を取り出す。
もう3時半か・・・
「って、圏外!?」
電波マークのところに×印がしっかりと刻まれていた。嘘でしょ…
どこかもわからない田舎で迷うとか。。
だから田舎なんてヤだったんだよ・・・
涙腺が一瞬緩みそうになったが慌ててキツめると戻ろうとすると
「−っ!?」
悲鳴を思わず上げそうになった。
私の目の前に女の子が立っていたからだ。
何時から?
確かにこの道に入った時人はいなかったはずだ。
あの一瞬で?
彼女は靴を履いていなかった。
この道は枯葉があちこちに広がっている。
実を言うと私がこの道にいたということに気づいたのも枯葉が音を立てたからだ。
それなのに、彼女は足音一つ立てないでここにきたの?
突然私は恐怖に駆り立てられた。

Re: 森少女—forestga-ru— ( No.2 )
日時: 2016/03/29 13:05
名前: 夏音 -kanon- (ID: ohlIx/rn)

「だ、誰ですか」
私は勇気を振り絞りながら声を出した。
その声は確かに震えていた。
それに気づいたのか、彼女はクスッと笑うと
「怖がらなくていいのよ。私はここの森に住んでるのよ。」
「この森に…?」
そうよ。と彼女は微笑んだ。
「あ、私は」
一瞬生温い風が吹いた
「稲子よ。」
とうこ、その名前には聞き覚えがあった。
私が首を傾げていると
「森の中は涼しいよ。入ってみる?」
彼女はそう言った
「そこまでだから。奥には行かないからさ。」
彼女は手を差し伸べた。
「そ、そこまでならいいよ。今日もう遅いからね…」
私がそう言うと彼女はうんといって顔に花を咲かせた。
その表情に思わずみとれてしまう。
と、彼女は私の手を引っ張った。
急に引っ張られたので体が半分持ってかれる。
慌てて体制を持ち直す。
彼女は相変わらずニコニコと微笑んでいた。

Re: 森少女—forestga-ru— ( No.3 )
日時: 2016/03/29 13:22
名前: 夏音 -kanon- (ID: ohlIx/rn)

気がつくと彼女との手は離れていた。
岩が階段のようになっているところに出た。
彼女はするするとその岩を登っていく。
近くに寄るとその岩の高さと言ったらすごいなんてものじゃない。
彼女は相変わらずぴょんぴょんと跳ねるように登っていく。
その足。まるで靴を履いてるみたい。
靴を履いてる私はというと
まだ、半分も登っていない。
彼女はふりふりと手を振っている。
早くおいでよ!と言っているようだ。
「まって、ちょっと、待ってて、、、」
返事をするのもやっとな私に構わず彼女はさくさくと前に進む。速い・・・・・・
やっと彼女に追いついた時
彼女は立ち止まった。
どうやら目的地に辿りついた様だ。
ここだよというように私に顔を向けた
顔を上げると
「わあ・・・」
思わず感嘆の声を漏らす。
私の目の前には滝があった。大きな大きな滝だ。轟轟と音を立てるその滝は物凄い存在感がある。
きてよかった。
初めてそう思った、「あの、、えっと、、」
「稲子、稲子でイイよ。」
「えと、、稲子、明日も森に入りたいな」
「いいよ。遥瑠夏。」
稲子はニコリと微笑んだ。
田舎での初めての友達に高揚感が止まらなかった。
それと、
小さな疑問が出てきた。

私、稲子に名前教えたっけ?


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