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【刀剣】おてたぬの現パロまとめた
日時: 2016/06/16 20:57
名前: 優斗 (ID: MGNiK3vE)

へし切長谷部と岩融に惚れて始めた刀剣乱舞。今ではすっかり、蜻蛉切はオレの嫁状態に。むしろ槍が好き。昔から色んなゲームでお世話になってたし。んで、同田貫なんていう変化球によるデッドボールで動けない。

※BLが中心なのでこちらに投稿していますが、ほとんど本館に出してもいいような感じのものばかりです。
※おてたぬの現パロ、というよりか、現パロのなかのおてたぬ。みたいな。
※時々、現パロじゃ無いのがある。


最善は尽くしますので、リクエストとかも募集してます。
ラブラブできるか分かりませんが、とりあえず薬蜻以外なら…
頑張りますので。はい。

Re: 【刀剣】おてたぬの現パロまとめた ( No.1 )
日時: 2016/06/15 00:03
名前: 優斗 (ID: 8hur85re)




サイレンが鳴り響く耳の奥深く。
トラウマらしい。
今でも、種類は違えど、サイレンを耳にすると、身がぶるぶる震えて、なんとも、恥ずかしい姿になる。
あるときは床に這いつくばり、あるときは大粒の涙を流して倒れたことがあった。
一体、どのサイレンなのかは分からないが、小学生の頃、戦争の授業で聞かされたサイレンに似ている。
「…まあだ耳がギンギンしてるなあ」眠たくて、イチゴミルクを啜った。
共感しあえる友がいなくて、残念とかじゃ無くて、気持ち悪くて、こんな環境が、なぜか心地悪くて吐きそうになる。
生暖かい優しい環境に、ヘドがでた。



Re: 【刀剣】おてたぬの現パロまとめた ( No.2 )
日時: 2016/07/22 00:44
名前: 優斗 (ID: Bl6Sxw0v)


引っ越してきて、まだ一年しか経っていない頃。
近所からは白い目で見られていた。
そりゃあ奇妙だ。運命のように親がいきなり二人も死んだ。呪い、とでも思われたのか。そのときはそう思っていたが、子供の考えだ。単純な、根拠の無い、それらに身を鎖で絡められたようで、息苦しいだけの日常を約五年はおくっていた。
五年が終わり、シンクの上に吐かれたタンみたいに扱った中学校生活を終えて、華々しいと思っていた高校に入る。
伯父から土日は馬車馬のようにこきつかわれる。別に友人なんか欲しかないが、一般的な男子高校生としてはいかがなものかと思うところがある。
しかし、よいところがあるのも、中学三年生からぐんぐんと背が伸びて、なんとなくだが、自分では程好い見た目になれたのではないかと自惚れられる事だ。
そんな自信があってか、そよかぜそよぐ、学校の屋上。普段は入れないが、目を盗んで入ることが何よりも快感で、自信に満ちた己の心を、漫画への憧れもあってさらけ出すことができる。簡単にいえば、こういうことをしてるとカッコいいかと思ったからだ。
そんなことで、弁当なんてあるはずもなく、ここから片道二十分、家から片道一時間二十分のコンビニで購入した食パンと牛乳、家から持参してきた少量のおかず(マヨネーズと塩コショウ、ゆで卵二個を会えたもの)が昼食であった。
それらをパンにぶちまけ、今日は二度も女子に話しかけられたなど、頭のなかは自分に酔いしれてしまっている。髪の毛にゴミついてるよ、と、へらへらしてて変わってる、とそれだけなのに。
「うえー」本日は牛乳、紙パックを頭に置く。目が痛くなるくらいの晴天に、なんとなくだが声を出した。喜びと恥ずかしいことを思い出して、殺したくなるような衝動にかられてでてしまったもののオリジナルブレンドだ。
そこからヒートアップし、のたうち回る我が頭上から「……誰かいんのか……」そうだ、上から気だるげな声が聞こえて、驚いた自分の見上げた先に人影が座っていた。
声からすると男だろう。彼は目だけキラキラと太陽を反射して、なんというか、目玉焼きのようだというか、ともかく自分の頭ではこれくらいの感想しか浮かばない。「暇か」影は上っていた所から飛び降りる。
ようやく見えた影の全貌は、浅黒い肌に、風になびかない重そうな黒髪、小柄ながらもしっかりとした体つきで、なぜだか全身が傷だらけだ。
彼は、黒いTシャツの透けた制服の夏服を、大雑把になおし「……名前は?」とだけ訊いた。
一見、不良少年のような彼に臆することもなく、驚いたような気の抜けた声で「ヒノモトかな」と言った。ふざけていた頭の上の牛乳パックを、コンクリートの上に置いて「うん。ヒノモトだ。日本って書く」俺が答えると「ヒノモト?アンタがか?」と、あのキラキラした目を大きく、さらに丸くした。「俺の家、よくお前ん家で買い物してんだよ、だから」
「そうか。んじゃあ、また配達したときとか、会えるといいな」心にもないことを、もう二度と会わないことを祈って言った。
「うん」そうやって、彼が返事をすると、チャイムの音とともに扉に消えた。
本当に、今日はよく喋った方だと思う。

Re: 【刀剣】おてたぬの現パロまとめた ( No.3 )
日時: 2016/10/09 22:07
名前: 優斗 (ID: 8HNqCRvF)


「中指たててこっちを見るな。俺ァ、お前を見てやってるんだぞ」おっさんは俺の頭を軽く殴った。
灯りが豆電球しか無く、昼間以外はほとんど暗い台所で、大男二人でラーメンをつっつく。目の前の無精髭を生やした酒臭いのが、日本(ヒノモト)である。俺はソイツと、何故だか親戚で、今じゃ名字まで貸してもらっている。きっと恩人なおっさんに「…なあ、おっちゃん、」中指を手の内側にしまって、どんぶりを持った。「ほんとに俺、配達いかなきゃダメえ?」と、上目使いに汚い癖っ毛を見た。
「…あ?行けよ、怖いものとかあんのか?」暗い夜の部屋で、おっさんの目が赤くなった。「安心しろよ。その理由は、配達にいけばすぐわかる」
「えー?…うーん…行くのは怖くないけど、動くのがめんどくせえんだよなあ」本当は、奴の家だったら面倒だなあとか、そういう理由だが。「でもなあ…」
「手前ぇ、ラメーン食わせてやってんだぞ」
「ラ王が食いたい」
陰毛みたいな毛をかき乱し「…テレビの差し金かぁ…?」おっさんはめんどくさそうにため息をつく。舌打ちをして「…しゃーねえ、明日はラ王にしてやるから」と言った。


……


夏は暑くて、溶けそうだ。アイスクリームみたいな柔なものじゃなくて、鉄が、町が溶けるみたいに。赤くなってどろどろになる。
光をいっぱいに浴びた作物を眺めながら、俺は長い一本道を通っていく。ラ王一杯の畦道かな…悲しくなった。ママチャリの電動アシストさまさまだ。ぼこぼこして、無駄に体力を使う道もすいすい通れる。
しかし、もしも、ifの話。あの屋上で出会った奴の家だったら…本当に面倒だ。友情とやらを感じられたら特に面倒だ。こんなところ早く出ていきたい。きれいさっぱり未練を捨ててだ。そこから、俺の人生は始まるのだから。
思い出すだけで、胸が痛くなる。吐きそうだ。真っ黒のたわしみたいな髪の毛が鮮明に思い出され、嫌でも思い出すのは、まんまるとした月みたいな大きな黄色い目。それに全身傷だらけだし、不良なんじゃあ無いのか?と、嫌なことはぽんぽんと出てくる。
そうこうしているうちに、大きな寺の前についた。一体、築何百年だろうか。言い過ぎかもしれない。いや、それくらいに大きな寺だ。「…えーと、本多…さんねえ…ふーん、知らねえな…って、ここ、圏外だし」俺はAmazonの段ボールに入った商品を持ち上げた。実は腰痛持ちなのに。
「インターホンがないのは…ここらへんの決まりなのか?絶対無いなあ。…スミマセーン」
本多さんなんて名字、しかもこんな山奥のお坊さん。来るのは遅いだろうなあと門の前にしゃがみこむ。「はーい」意外と早く来たようだ。声は若くて、低い。
「…はい、本多です……?」ぱちくりと、ベッコウアメみたいな目を閉じたり開いたり。ぱちくり。
多分、こういうことだろう。「…あ、日本の甥です。はじめましてですよね」そして、にっこり。ここまでサービスしてやったんだ。
少し段差のある門をくぐり、男は俺の顔をまじまじと見る。こうして見ると、俺より背が高い。どれだけの大男なのか。下手すりゃおっさんより高い。
ぼーっとしていると、男が言葉を漏らす。「御手杵…?」
その名に、生憎だが思い当たるふしもなく「は?」と口を俺は開いた。餅をつくやつだろうか。杵って。「あ、いえ」首を横に振ってから、急に顔をほころばせた。「わざわざありがとうございます」忙しい奴だ。「いつもお世話になってます」
「はあ…でも、変ですよねえ、おっちゃん。酒屋なんですよ?食品も販売してんスから」
「いえいえ、こんな田舎に住んでると、買い物は大変になってきますから」有り難いですと、男は頭を下げる。なんかこっちまで変な気分になってきた。初めて会った気がしない。
「…日本さんにこんな大きな甥っ子さんがいたとは…話で聞いているより随分大人というか…」
「ちょっと、俺のことどういう風に言われてんスかあ?」
「まだガキだ、とばかり」
「他には?…いや、おっちゃん、俺が居ないところで言いたい放題だから…」
「はは…外は暑いでしょう?中で話しませんか?今日は美味しいワラビ餅があるんですけど」
「え、いいんですか?いやあ、なんか運命感じますねー、ワラビ餅と、あははは」


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