BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 蝶よ花よ【刀剣乱舞】
- 日時: 2016/06/25 04:16
- 名前: 緋雪 (ID: ejGyAO8t)
諸事情により移転しました。
はじめまして緋雪と申します。
普段は別版で別のHNで活動しております
今回、新たに二次物への執筆のため心機一転いたしたしだいです
こちらは刀剣乱舞、二次創作短編集です
CPやにょたなどなかなかに地雷もののネタを扱うため
閲覧は自己責任でお願いいたします
刀剣男士の口調が違ったり、なんかチガウ(´・ω・`)という違和感は
海のような寛大な心でどうかお許しください
リクエストも受け付けておりますが、
作者の都合上(文才のなさとか!)亀よりも遅い執筆になりますことを
ご了承の上でお願いいたします
コメントも随時お待ちしております
〜ただいま取扱中作品〜
・熱誠の瞳【大倶利伽羅×燭台切光忠♀】
女体化要素うすめです。
みっちゃんside
くりちゃんの出番が少ないので、
別sideで、そのうち書こうかななんて、思ったり思わなかったり
・沫雪と華【鶴丸国永×一期一振】
思わせ振りな終わり方です。
これはそのうち続編を書きたいです
いちにいside
・あやし、かひなし、あな いとし【大倶利伽羅×燭台切光忠♀】
「熱誠の瞳」のくりちゃんsideです
ほとんどがくりちゃんの回想、糖度は低そうでいて
コップの底のほうに直球でガムシロ三杯分くらいの甘さがあります
甘々が苦手な方は御注意を…
・みをつくし【へし切り長谷部×燭台切光忠】
(バレンタイン企画)長谷部がチョコレート作りに励みます。
手伝いを頼まれたは本丸一の女子力を誇る光忠、
さて…実るのは長谷部の恋【長谷部×審神者】か、みっちゃんの恋【長谷部×光忠】か…?
光忠side。後日、審神者おちを「bitter chocolate」。光忠おちを「sweet chocolate」としてうp予定
・花水木と加加阿の香『bitter』1・2
【へし切り長谷部×審神者】
バレンタインデー企画、bitter chocolateです。
さっそく1日遅刻いたしました…
そしてsweet verが一文字も書き進められていない…(絶望)
内容だけとればけしてbitterではございません。
初の審神者おちでしたが、
こんなもので良いのかと…胃痛が加速するばかりでございます。
実はうpする直前まで「本命だと言ったら(以下略)」の台詞を
審神者ちゃんに言わせるか、長谷部に言って頂くか悩んでおりました…
…なので、審神者ちゃんverもあるのですが…あれが陽の目をみることはたぶんないでしょう(笑)
では、作者の心が折れなければsweet verもじきうpします
《お詫び。》
長らく留守にしてしまいました。
sweet verが書けなかったから居留守をしていたわけではないのです(震え声)
ただし、舌の根も乾かぬうちに申し上げますが、
残念(?)なことに作者の心が近頃へし折れているため、どうやらsweet verが書き上げられない模様です。
代わりというほどのことはありませんが、できる得る限りはやく次作品をうpできるように尽力致します。 2016.4.23
・皎月色澤【三日月宗近×山姥切国広】
初のside入れ替わりです。
微シリアス、そしてまた思わせぶりな終わり方でございます。
まんばちゃんがなんだか気になる宗近おじいちゃんと、
おじいちゃんにそばにいてほしいと思うまんばちゃんです
《お知らせ》
ただいま、長期執筆停止中です
- 熱誠の瞳 ( No.1 )
- 日時: 2016/06/19 19:53
- 名前: 緋雪 (ID: 1.72.7.1)
髪良し、
服良し、
眼帯良し、
誰から見ても間違いない
正真正銘の伊達男
長船派の祖の一振り
燭台切光忠とは僕のこと
青銅の燭台だって切れるんだよ…?
ただし……''女''だけど、ね?
・ー・ー・ー・ー・ー・ー
燃える、すべてが燃え盛る
戦場よりも熱い
ああ、まさかこんな最期なんて
僕としたことが格好わるい
戦で死ぬなら刀の本望、だけど
伊達家から江戸に来て
まさか地震の後の火事で焼き付くされるなんて
柱がまたひとつ音をたてながら崩れ
僕の周りの火柱は畳も障子をも赤く染めて
ああ、息が出来ない
苦しい
苦しい
視界が
赤、朱、紅、あか に支配されて、目頭が熱いのはきっと炎のせいだけじゃない
無様、格好わるい
やだ、死にたくない
僕は自嘲気味に笑った
本当に格好つかないじゃないか、だってこんな時になってまで、
「…くりちゃんに、会いたいなあ」
・ー・ー・ー・ー
?「…つただ!、おい!光忠!」
燭台切光忠(以下光忠)「!?」
鶴丸国永(以下鶴丸)「まったく…こんなところで寝てたら風邪ひくぜ?」
そうか…畑仕事を終えて、夕飯の準備にはまだ早いから縁側で昼寝してたんだ…
それで、また、あの夢を…
光忠「すまない。ところで鶴丸くん僕に何か用があって来たんじゃないのかい?」
鶴丸「ああ、そうだった!どうやら新しい刀剣が来たらしくてな。主が呼んでる」
言い終えると鶴丸はためらいがちに目を伏せたあと、「それはそうと」…と続ける
鶴丸「なんか、悪い夢、見てたのか…?その…泣いてるぞ?」
そんなはずはないと目元に手をあてると、
あ、本当だ。情けないな
光忠「はは。本当だ、格好わるいな…」
と無理に笑いながら体を起こすと、鶴丸は気遣うように僕の顔を覗きこみ「先に行ってるぞ」と去っていった
さて、格好を整えなくちゃね。何時、誰が見てるかわからない
軽く身支度をしてみんなのところに行こうと外廊下を歩いていると
なんだか、懐かしい、感じがした
気配に近いんだけど、もっと感覚的に、言ってしまえば勘…
この感じは…
自然と足早になり床板がキュッと音をたてる
そんなことも気にせず進んでいくと
皆が主さんを囲んでいて、その隣にいるのは…
光忠「くりちゃん…!」
やっとのことで声をあげると
ゆっくりと長身の体を翻して甘い黄色の瞳が見開いた
そう、僕が誰よりも会いたかった
大倶利伽羅、正にその人だった
・ー・ー・ー・ー・
その後、僕は厨でひとり頭を抱えていた
目を見開いたあと、くりちゃんは呆然と「光忠…」って呟いて目を、逸らしたんだ
僕は昔みたいに、あの吸い込まれるような甘い瞳が優しく細められることを期待していたのに
どうしちゃったんだろう、くりちゃん
その場がお開きになった後に「何か食べたい物は」って訊いても
「なんでもいい」って目も合わせずに素っ気なくかえされたんだ
これじゃあ、まるで…
振り出しに戻っちゃったみたいじゃないか
そうやって悶々と考えながらお鍋に火をかけたり野菜を切ったりしている姿を
厨の入り口で心配そうに見つめる瞳があるとも知らずに
僕は夕飯の仕度を続けていた
・ー・ー・ー・
光忠「さーて。こんなかんじかな」
一通り作り終えると、今日は珍しく五虎退くんが手伝いに来てくれて
一緒に料理を盛り付けていた
五虎退「あの…光忠さんは大倶利伽羅さんとお知り合いなんですよね。」
光忠「うん。そうだね…前の主、政宗公のところで」
五虎退「大倶利伽羅さんってどんな人でしょうか…?
僕、仲良くなれるかな…?」
光忠「うーん。くりちゃんはああ見えて仲間思いだし、いっつも怖い顔してるけど、
笑うとなかなか可愛いよ?」
五虎退「なんだかお二人は本当に信頼しあってるんですね…光忠さんすごく優しい顔してます…」
言い終えると「なんだか変なこと言っちゃいましたね、すみません」と
照れたように食事を運んで行った五虎退くんの背中を
僕はぼんやり見つめていた
信頼しあってるんですね、か…
くりちゃんにまともに目も合わしてもらえなくて
僕だけが勝手に思ってるんじゃないかって不安なんだけど
そんな風に見えていたら、嬉しいな…
それに、あわよくば、くりちゃんも同じように思っててくれたらいいんだけど…
ぼーっとしてたのが悪かったんだ
ーガシャーン
振り返ると料理をよそい終えた空の鍋が
バランスを崩して床に落ちるところだった
その下には五虎退くんの虎が丸くなって眠っている
「…っ」
とっさに鍋を掴むとジュッと言う音と、手に焼けるような痛み…
あ…''あの時''と同じ痛みだ
「光忠!!」
いつの間にくりちゃんがずかずかと歩み寄ってきて
僕の手から鍋を奪い机の上に置き直すと
僕の手首を引いて歩き出す
一歩前を行く、くりちゃんの表情はうかがえない、けど…
おこってる…?
心なしか肩がいかってるし、それにさっきの声
あんなくりちゃんの声、戦場以外で聞いたことない
くりちゃんはある部屋の障子を開けるとそのまま僕を引き入れる
光忠「…くりちゃん?怒ってる?」
手近にあった座布団を手繰り寄せると
それに僕を座らせながら呟くように「あたりまえだ」と言う
大倶利伽羅「女なんだからもっと自分を大切にしろ!」
光忠「!!…なんで、そのこと…」
女だってことはずっと隠してきたし、
今の本丸でだって知っている人はいないのに…
手早く薬を塗り、僕の手を冷やしながら
やや口角をあげて「俺をなめているのか…?」と語るくりちゃんは
昔と同じ、くりちゃんだ
光忠「ううん。信頼してる…でも、驚いた」
大倶利伽羅「…おまえのことを一番知っているのは俺だ」
得意気に言うくりちゃんがなんだかおかしかったけど
ああ、懐かしい
光忠「…どうして、目を合わせてくれなかったの?」
そう言うとくりちゃんは少し切なそうに睫毛を伏せて
大倶利伽羅「…と、思った」
光忠「え?」
大倶利伽羅「また、いなくなるんじゃないかと、思った。
また光忠を失うのなら前みたいに馴れ合わない方が、いいと…」
光忠「僕はいなくなったりしないよ…」
大倶利伽羅「光忠が、江戸で燃えたと聞いて、俺は…」
僕の声は届いているのか、いないのか
俯いて拳を握りしめるその姿は、まるで孤独な少年のようで
思わず僕はくりちゃんを抱きしめていた
はっとしたように体を揺らしたくりちゃんはおずおずと背中に手を回した
大倶利伽羅「…でも、さっき光忠が怪我したのをみて、
馴れ合うとか、合わないとかそういうことじゃなくて…
純粋にお前を守るのは、俺がいいと思った。」
光忠「守るなんて、そんな、僕だって刀だし…このくらいの怪我、手入れすればすぐ…」
大倶利伽羅「そういう問題じゃない
何処で死ぬかは俺が決める…
お前の傍だ」
それって、どういう…
光忠「…や、やだな。くりちゃん、本気にしちゃうよ?」
大倶利伽羅「じゃあ、本気にしろ」
不敵に笑うくりちゃんの瞳がすぐそばにあって、何か言おうとしたんだけど
その口は塞がれて、何も言えなかった
…好きだよ、くりちゃん
- 沫雪と華 ( No.2 )
- 日時: 2016/06/19 19:57
- 名前: 緋雪 (ID: 1.72.7.1)
ーー沫雪かはだれに降ると見るまでに
ーーー流らへ散るは何の花そも
まっさらな白。
それは穢れを知らないようで、美しい
極彩の炎も、戦の血潮も
汚すことはできない、貴方
どうか、どうか
そのままでいてください
真っ白なままでいて
そうすれば、少なからず私の心の
貴方の巣くう場所は
いつも、真っ白なんです
・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「わっ!!」
声に反応して振り向けば、やわらかな雪だまが肩を掠めていく
鶴丸国永(以下鶴丸)「ははは。なんだその顔は、そんなにおどろいたのか…?」
つい先程まで弟たちとかまくら作りをしていた鶴丸殿が
無邪気に雪だまを投げてきたら誰だって驚きます。
一期一振(以下一期)「……もちろん。やり返してもよろしいんですね…?
お覚悟!!」
そう言って雪だまを投げ返すと
鶴丸殿の足元にいた弟たちがわいわいと声をあげて逃げ惑う
鶴丸「こりゃおどろきだぜ」
大の大人が雪合戦でこんなにはしゃいでいいのでしょうか
ただ、無邪気な鶴丸殿を見ていると、
そんなことをいちいち気に留める方が馬鹿らしいようにも思えてきます
次なる雪だまを投げようとかまえると
「後ろだぜ?」と得意気に鶴丸殿が私の背後にまわりこみ耳元で囁きました
どうやら私の負けです
このお方に勝てる日は来るのでしょうか
いえ、色々な面において、ですが…
一期「一面雪景色の中では鶴丸殿を見失いそうになってしまいます」
とひとりごちていると
鶴丸殿が私の肩に顎をのせながら
鶴丸「俺を見失うなんて命取りだぞ、いち?」
不敵に、そして自信有りげに仰るその言葉の含みを
私は重々承知しているつもりです
鶴丸殿は私に離れるな、傍にいろ、と
暗に伝えておられるのでしょう
もちろんそのつもりです。
貴方を見失えば、私は正に''命取り''
死んでしまいますとも。
でも、
でも、そんな、私の目を惑わせる雪景色に立つ貴方の姿は嫌いではありません
むしろ、その逆なのですから皮肉なものです
銀世界、佇む白い貴方。
その世界、その姿、
それらすべての美しさが私の心に
愛しさを感じさせるのです
・ー・ー・ー・
鶴丸「いいねぇ…驚かせてもらったぜ…!」
戦場で鶴丸殿は「鶴らしくなる」と多少の流血は笑ってやり過ごしていますが
私は、駄目なのです。
赤色と言うのは
あの、炎を
真っ赤に染め上げられたあの城を
ありありと思い出す…
だから、
大切な人が、仲間が、弟たちが
あの赤色の世界を再び目にすることがないように
私は二度と負けたくないのです
・ー・ー・ー・
鶴丸「おい…いち、大丈夫か?…自分の顔がわからないなんて言って…」
一期「ははは、すみません。もっと、
もっと強くならなくては、なりませんね…」
鶴丸「……強くなくても、いいんじゃないか?」
一期「いえ、もっと強くならなくては…大切な人達をお守りできません」
もどかしい、
仲間が誰ひとりとして血を流さなくていいような
そんな、強さがあれば
鶴丸「大切な人達、ねぇ…俺も入ってるのか?」
自分を指差し、にへらと笑う鶴丸殿に激しく頷きながら「もちろんです」と答える
鶴丸「…いちに守られなくとも俺が、全部まとめて守ってやる
いち、今のお前は弱いぞ?」
一期「今は、確かに強さが足りません。…しかしっ」
思わず拳を握りしめる
鶴丸「違う、いち。
強さが足りないんじゃない、弱さを克服する力が足りないんだ」
弱さを克服する、力…?
鶴丸「いち、お前。赤色が苦手なんだろう…?
…いつも血を見た時、泣きそうな顔をしてるぞ」
一期「泣きそうな、顔…?私が、ですか…?」
鶴丸「ああ、
いつも頼もしい''いち兄''があんな顔してるのを見たら
弟たちも驚きだぜ…?」
一期「そう、ですね…
はは、弱さを克服するとは、難しいことのようだ」
鶴丸「安心しろ、俺がついてる。
さあ、じゃあまずは本丸に帰るまでにその泣きそうな面をどうにかせねばなっ」
そう言うと鶴丸殿は自らが身に付けている羽織を私の方へ投げやりました
貸しておいてやるという意味でしょう
一期「…かたじけ、ない…」
鶴丸殿…
弱さを越えてみせます
だから、
だから、その暁には
どうか…
私に、貴方を守らせてください…
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