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【悪魔城】気づかなかった。【ありそま】
日時: 2016/09/05 22:41
名前: 魂魄たこやん (ID: /dHAoPqW)

△注意事項△
・いきなり始まります
・初投稿です。生暖かい目で見守って下さい
・初投稿ですが、小説を書いたことがないという訳ではありません
・「悪魔城ドラキュラ」の二次小説です
↓OKな方はどうぞ↓

*

「はぁーあ…。」
誰もいない部屋で少年、来須蒼真はため息をつく。
同じ家に住んでいるあいつ、有角幻也の帰りを待っている。
蒼真は家の家事を、有角は仕事関連のことを主にやっているため、どうにもずれてしまう。
もっと早く帰れないのかと思ったが、
心優しい有角の事だ、きっと部下の分の仕事まで
やってあげているのであろう。
でも、俺にとっては___
ガチャン
「…ただいま」
「おかえり」
夜11時くらいになって、有角は帰ってきた。
よほど疲れたようで、ハンガーに服を通すと、とすんとソファーに座った。
俺は、やはり話すべきだと思う。
そう思い、有角に向き直って言った。
「…なぁ有角、」
「…なんだ」
疲れたように言った。
「もうちょっと早く帰って来れねぇの?忙しいのは分かるけど…」
「…あのな、仕事というのは大変なんだぞ。これでも早い方だ」
そう言われてしまった。
…俺の気持ちも分からないくせに。
俺がどんだけお前の帰りを待っているか知らないくせに…!!
「…んだよ、、」
「…?」
「寂しいんだよ!!!」
「!!」
「…ハァ…こんなこと、言わせんな…っ!!」
「…蒼、真」
バタン

「はーっ、はーっ、、」
俺は自分の部屋に駆け込んだ。
『寂しいんだよ!!!』
『…ハァ…こんなこと、言わせんな…っ!!』
さっき自分が発した言葉が脳内で繰り返される。
…何やってんだ。
後から後悔した。
明日から、どんな顔してあいつに会えばいいんだ…っ
下唇を噛み締めた。
コンコン
ドアがノックされた。
俺は何も言わずにドアを開けた。
ガチャン
「…蒼真、入るぞ」
「…そこら辺に、座れば…」
しばらく沈黙が続いた。

先に沈黙を破ったのは有角だった。
「…蒼真、さっきの話だが…」
蒼真は黙って聞いていた。
「お前は、俺にどうしてほしいんだ?正直に言ってもらわなければ、俺も分からない。」
「…」
蒼真はゆっくりと話した。
「…俺はさ、心配してんだよ。お前のこと。
いつもより遅いとさ、何かあったのかなって思うんだよ。
…本当にそんな気がするから
そのへんで考えるのを止めるけど。
…あと、寂しいし…お前が居ないと、
俺はどうしていいのか分からない。
…お前のその暖かさが好きだから」
気がついたらそんな事を口走っていた。
「…蒼真、お前の言いたいことはそれだけか」
「…そうだよ、」
「…そうか」
そういうと、有角は何やら箱を取り出した。…長い箱。
「…俺が蒼真の為に働いている理由が
2つあるんだが…話してもいいか?」
蒼真はうなずいた。
「…1つめ。俺達が生きていくために
使うお金として貯めるということ。
…2つめ。…蒼真にこれをあげる為だ」
そういって蒼真の手に箱を置いた。
「…開けていいか?」
「あぁ」
パカッと開けると中には___



銀のペンダント。
「…付けてみていいか?」
「…あぁ、それなら俺がつけよう」
有角はペンダントを取り出し、蒼真の首に手をまわした。
蒼真は、凄く不思議な気持ちになった。
「…はい」
「…おお…」
見事に似合っている。
蒼真は、さっきまでの自分の態度を振り返り、とても恥ずかしくなった。
「…ごめん」
蒼真は有角に向かい、謝った。
「…俺、何にも知らなかった…っ、俺の為に
働いてくれているなって、気づいていなかった…」
蒼真はうつ向き、ジーンズにしみができていく。
…泣いている。蒼真の嗚咽が聞こえる。
「…だが、それが普通だろう?」
有角は蒼真の涙を手でぬぐった。
「…遅くなってすまないな。ハッピーバースデー、蒼真」
有角は微笑んだ。
「…ありがとう」
蒼真もつられて微笑んだ。
二人はお互いに肩を寄せあい、しばらく話をしていた。
お互いの体温が一つになってゆくみたいに、月もだんだんと満ちていった。
蒼真の首にかかったペンダントは、月光が反射して
きらきら光っていた。

-fin-


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