BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 好きな人はあなた【GL】
- 日時: 2016/09/11 01:30
- 名前: まち (ID: 3MzAN97i)
まちです。
GLものですが興味がある方読んでください。
私には双子の姉がいた。双子だけど全然似てなくて、姉なのに私といるときだけは妹みたいに人懐っこい人で、それがまた私には愛おしかった。
去年、両親を事故で亡くした私たちは、下の妹たち三人の親代わりでもあった。特にあきちゃんは長女としての責任を感じて誰よりも一生懸命頑張っていた。炊事洗濯に妹たちの世話のほとんどを彼女が引き受けていた。妹たちが家を出、家のことを済ませると、二人で学校まで20分程かけて歩くのが日課だ。彼女はもう淡々と家事をこなせるようになっている。皿洗いで食器を割ったりしなくなったし、全体的に行動がてきぱきしている。両親が生きていたときは料理すらうまくできなかったのに。こういう努力家な所を見るとやっぱり長女だなとか思って、双子の姉としても尊敬するくらいだ。
「よし、やることやったしあとは身支度しなきゃ」と独り言のようにあきちゃんが呟いた。私もちょうど家の戸締りが終わったところだった。
「かなちゃん、すぐ来るから靴履いて玄関で待ってていいよ」そう言ってあきちゃんはすぐさま部屋まで走って行った。
私のことを「かなちゃん」とあだ名で呼ぶのは彼女くらいで、私も彼女のことを「あきちゃん」と呼んでいた。私たちの名前は狛村昌、要であるが、幼い頃からあだ名で呼び合っていて、お互いそう呼ばれるのが心地よかった。
- Re: 好きな人はあなた【GL】 ( No.1 )
- 日時: 2016/09/17 23:44
- 名前: まち (ID: ERCwuHMr)
彼女の言う通り、私は靴を履いて玄関で待っていた。時間が気になって携帯で確認しようとすると、廊下からドタドタ彼女が走ってくるのが分かった。
「お待たせ、じゃあ行こっか」
あきちゃんは微笑んで私を見た。どちらかといえば美人の部類に入る彼女だが、笑うと子どもみたいに見える無邪気な表情をする。私はそんな彼女に未だにドキドキさせられている。
「まだ時間あるからゆっくりでいいよ」
あまりにせかせかと動くのでそう言うと、あきちゃんはなぜか頬を赤らめた。
「どうかした?」
「ううん、何でもない。余裕あるならゆっくり歩こう?」
「うん」
彼女を見ているだけで優しい気持ちになれた。人見知りで普段は無愛想な私なのに、彼女の前では自然と微笑み返すことができた。
家に鍵をかけ、外に出るといきなり彼女が手をつないできた。
「あきちゃん……だめだよ。誰かに見られるよ?」
彼女に触れるのは久しぶりだった。そのせいで私は驚きを隠せず、人目を気にして思わず手を放してしまった。すると一気に彼女の顔から笑顔が消えて悲しい顔を見せる。
「……かなちゃん最近冷たい」
子どもみたいに口を尖らせていた。
「誰が見てるか分からないんだからしょうがないよ」
彼女の様子を伺いながらそう伝える。
「本当は私と手繋ぎたいくせに」
聞こえるか聞こえないかくらいの小声だったけれどきっとこう言ったと思う。双子というだけあってお互い何を考えているかは大体予想がついていた。だから余計に恥ずかしくなる。
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