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- 王道転校生の兄君
- 日時: 2016/10/16 15:56
- 名前: SANO (ID: gpPx10DG)
SANOです
亀更新ですが読んでもらえると幸いです
- Re: 王道転校生の兄君 ( No.1 )
- 日時: 2016/10/16 17:53
- 名前: SANO (ID: gpPx10DG)
午前4時、何時ものように目が覚める。少し肌寒いが、朝の稽古をするため起きなければならない
ベッドから起き上がり、稽古着に着替える。着替えながらふと、今日は誰も起こしに来ないな、と思った。何時もはこの時間帯になると「若!何でもう起きてんですか!?ああ!しかも着替えまで!」という声と共に誰かやって来るんだが…
「…ああ、そういえば今日は転校日だったか」
言いながら自分のたった一人の弟を思い出す。お世辞にも頭が良いとは言えないし、少々子供過ぎる気もするが、大切な弟だ
そんな弟の転校初日、皆準備で忙しいのだろう。私も稽古が終わったら少し様子を見に行くとしようか。何故か皆私が弟に会うと言うと嫌な顔をするが、今日くらいは良いだろう
弟に会うことを今日の予定に新しく入れて稽古場に向かう。その足どりは、いつもより軽く感じた
- Re: 王道転校生の兄君 ( No.2 )
- 日時: 2016/10/16 20:02
- 名前: SANO (ID: gpPx10DG)
稽古場に着くまで誰一人として居なかった。今までこんなことは無かったものだからつい感動してしまう
稽古場に着き、驚く気持ちを抑えて無心になる
どれ程経っただろうか。閉じていた目を開けると、日の光が差し込んでくる
「…眩しいな」
少し眩しいが、私はこの時が好きだ。晴れやかな気分になる
座禅を終え、竹刀を取る。少しの間目を瞑り精神を統一してから素振りをし始めた。時間が経つにつれ額にうっすらと汗が滲んでくる
それに気づいて極力汗が出ないように気をつけながら素振りをする。これはどんな状況下でも冷静に対処するために必要なこと。一瞬でも隙を見せてはいけない
「………………」
素振りをし終えてからも気は抜けない。息が上がらないように、そして気づかれないようにゆっくりと息をはいて呼吸を整える
今日の稽古はこれくらいとしよう。シャワーを浴びたら弟の様子を見に行かねば、と思いながら稽古場を後にする
自室に戻るまでも誰一人として居なかった。さっきはこれに感動してしまったが、今は少し不用心すぎないかとも思ってしまう
自室に戻りシャワーを浴び、着流しに着替える。まだ乾ききっていない髪から水がしたたり、首筋を通っていく
「ん…そろそろ行くかな」
まだ髪が乾いていないが、もう6時だ。弟の行く学校は寮生活だしここからも遠い。出発時刻は知らないが急いだ方が良いだろう
首にかけてあったタオルを洗濯機に放り込み、弟が居るであろう部屋を目指す
しばらく歩き続けると、何やら言い争っているような声が聞こえてきた
「兄さんはどこだ!俺もう行っちゃうんだぞ!?」
「っだから!若様は体調が優れないんです!」
ん?私はいたって健康だが…というかこの声は愛輝と蓮か?何で二人が言い争っているんだ
とりあえず二人を止めるため、弟の部屋に入った
- Re: 王道転校生の兄君 ( No.3 )
- 日時: 2016/10/16 22:49
- 名前: SANO (ID: gpPx10DG)
「二人とも落ち着け」
そう言いながら部屋へ入ると、二人はすごい勢いで此方を見てきた
「兄さん/若様!?」
言って二人は固まってしまった。何故だ
「どうした?何かおかしいか?」
固まったままの二人に問う。すると蓮の方は元に戻った
「ハッ!すいません若様!///」
心なしか顔が赤いような気がするがまあ良い。愛輝の方はまだ戻ってこないし、蓮に聞くとしよう
「蓮、どうして愛輝と言い争っていた?それに私は体調など崩していない。何故ありもしないことを言った?」
私は少し咎める口調で蓮に問いただした
「実は、ですね…玲(れい)さんが…」
蓮からの話をまとめると、玲に自分は仕事があるからお前(蓮)が自分の代わりに私が愛輝の所へいくのを防げ、または止めろと
「そう言われたのか?」
「……………はい」
成る程。私の右腕でもある玲に言われたら頷くしかない。それにしても…
「…何故ここまでするのか」
大方朝起きてからここに来るまで誰一人として居なかったのも玲が原因だろう
「あのっ!、俺は玲さんに言われなくても!…というか多分ここに居る奴は全員、今も俺以外は若と愛輝様を遭遇させないように必死だと思います」
必死に言ってくる蓮。それは、
「な「ににに兄さん!おお俺!今日出発するんだ!」…」
何故、そう聞こうとした手前愛輝が戻ってきた。私の言葉を無視して発言したことに蓮が今にも怒りだしそうなので、一応手で制しておく
「ああ知っている。今日はその見送りに来たんだよ」
そう言うと、
「本当か!?じゃなかった本当ですか!?スゲーうれしい」
にこにこ話しかけてくる愛輝。だが関心しないな
「愛輝、最初に敬語に直したことは褒めても良い。だがその後は駄目だ。最後までしっかりとやること。良いか?」
少し笑いかけながら言ってやる
「///わっ分かりました兄さん」
照れているのか少し頬が赤い愛輝。可愛い
「最初が肝心だからな、しっかりやりなさい。愛輝」
「//うんっ!」
もう敬語じゃなくなっているが、今回ばかりは許してやろう
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