BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 貪欲な愛。
- 日時: 2016/10/24 12:36
- 名前: 朝倉 (ID: m.NeDO8r)
過激表現あるかもしれません。
苦手な方はUターンお願いします。
オリジナルの物語です。
- Re: 貪欲な愛。 ( No.2 )
- 日時: 2016/10/25 22:06
- 名前: 朝倉 (ID: z.RkMVmt)
新学期、新しく入学して来た新入生がワキャワキャ楽しそうに登校して来ているのが廊下の窓から見える。
勿論、男ばっかりだが、友情も人生には大切なんだろうなって思うから俺は邪魔だてしない。男の友情は固い。とはいうが、ホントかどうかは誰にもわからないだろ。
そうそう、話を戻すが、俺の想う相手は男だ。こんな序盤で驚いてるなら他見た方がいいぞ、俺は、まあ、少し悪い系らしいからな。
一つ年下のソイツとは、5年、いや6年か?それくらい会ってない。
別に好きじゃない。寧ろ嫌いだ。アイツの笑顔は特に嫌いだ。目つきは次に嫌いだ。だから、頭に焼き付いて離れねぇんだよ。
ただ、この学校も、人数がそれなりにいる。こんな俺にも文句を言いながら付き合ってくれるダチまで出来てる。ダチだと思ってるのはそいつらだけだけどな。俺からすれば居ても居なくても関係ない存在だ。
俺が想う相手の名前は、雅 孝正。
俺みたいなトップクラスの権限を持てる優等生がここへ来るなんて稀にもあるかないからしいから、同じとこから来れば話は耳に入ってくる。
昨日、二学年に俺と同じ育聖凛環小学校出身の奴が転入して来たらしい。高校なのに一学年を飛ばして入学出来るのは、それ程の学力と親の力があって出来ることだ。
登校して来る連中から見つけ出せる気がして俺は見てるってわけだ。
- Re: 貪欲な愛。 ( No.3 )
- 日時: 2016/10/28 19:12
- 名前: 朝倉 (ID: z.RkMVmt)
近くに控えている、俺のことをダチと言う村田と中居に詳しく聞くため声をかける。勿論声だけ。
「で、ソイツ名前は?」
「あー、なんだっけ」
「たしか、みやびだろ?」
「へぇー」
「マジやべぇわ、あの顔はやべぇよ」
「ああ、見たか?あんな顔してたらここだとマズイだろうな」
2人は会話を続けながらゲラゲラ馬鹿そうに笑う。雅、ソイツの顔がどうしたっていうんだ?聞く前に言ってくれないことに苛立ちつつも、校門を見つめるが、昔見た男の姿は見当たらない。
流石に時が経てば成長もしてるだろうし、顔も変わっているかもしれない。だが、ヤツの体型が変わったとなると見つけるのは困難になると、ふと思った。
- Re: 貪欲な愛。 ( No.4 )
- 日時: 2016/10/28 19:23
- 名前: 朝倉 (ID: z.RkMVmt)
そこでヤツを誘き出すいい方法を思いついた俺は村田と中居を連れて、二学年の教室から見える校庭で公開処刑みたいなものをやってみせた。
相手は二学年の学年成績毎回三位のやつ。二位のやつは影が薄くて見つからなかった。コイツもガリ勉だからか、弱かった。
そんなんで工業系に行こうとしてるのがおかしいだろ?
「やめてくださいっ!先輩達!ど、どうして、こんなこと!…うっ」
だから、鍛えるためにって口実で、殴り蹴り踏みつけた。重症にならない程度に。こんなこと、何度もやってれば感覚だって掴めてくる。骨が強い相手を選ぶのも上手くなった。
散々痛めつけたら地面に伏せて泣き出すから笑えてくる。女々しい。女じゃねんだから泣くとか有り得ない。終いには助けを求めるんだろう。
「ぐすっ…だれか、たすけっ……」
……ああ、つまんねぇ。
早く来い。居るなら出て来い。こんなヤジに埋もれるな。小さく出た言葉から、徐々に大きな抗議の声が上がりつつある。楽しんでる声の奴もいる。男だらけだからこそ、殴り合いを見て強さを決めつけたりもする。
そんな中、 中性的な声が響いた。体育祭とかで使う用の手に持つスピーカーを通しての声だった。
キーン、キーン…ブツッ
「アンタらさぁ、いつまでそんなくだらねぇことやってるんですかー?それやってオモシロイんですかー?」
つまらなそうに軽く棒読みで告げてきた声の主は屋上のフェンスを乗り越えた所から声をかけてきていた。
俺は待ち望んでいた反応に言葉に、無意識に口元に笑みを浮かべていたようで、隣にいる二人が目を見開いて俺を見ているのが視界の端に入った。
- Re: 貪欲な愛。 ( No.5 )
- 日時: 2016/11/05 00:30
- 名前: 朝倉 (ID: rh5Dd4le)
俺は、後ろを振り返ること無く二年生のクラスのある棟の屋上へ一直線に足を進めた。声の聞こえてきた所へ。
昔からそうだった。
【回想】
「痛いよぉー、誰か助けてっ…うっ…ひっぐ」
「コイツ泣いてるぜ?助けが来るとでも思ってんの?相澤さんに刃向かう方が悪いんだぜ?」
「男のくせに蹴られたぐれーで泣くな、ってな。ハハハッ」
「うぜぇんだよ、弱いくせに粋がる奴は」
「ひっぐ…ごっ…めんな、さっ…」
「聞こえねーなー、ぎゃははは」
「もっとってか?欲しがるやつだなぁ、てめぇも」
「おいおい、相澤さん、これ以上笑わせんなって、あはははっ」
俺は自分含めて4人で俺にぶつかってきて謝りもしなかった一人の男を容赦なく殴って蹴った。俺以外は笑って手を出すことは無かった。でも、そんなこと気にしたことは無かった。
「ねぇ、アンタら、なにしてんの?」
後ろから聞こえてきた声に顔を向けるとソイツは痛めつけりれた男と俺等を交互に何度も見ていた。
「なんだ、お前、相澤さんに喧嘩売ってんの?」
「は?違うけど。その人、ただアンタらにぶつかっただけでしょ?悪いのアンタらじゃないの?横に広がって歩いてりゃ邪魔でしょ」
小柄で太って丸かった少年は体型とは裏腹に鋭い口調で、問うてきた。意外と口が悪く、反抗的な目つきに標的を変えた。
「はぁ?!なんだ、コイツ!」
「おい、やめろ。…今日は、お前に免じて許してやるよ。次はないからな。そこに転がってるやつと一緒にされたくねぇなら二度と俺のかんに触ることは言うな」
周りにいた1人が殴りかかろうとする勢いで目の前の少年に近づいたが目つきは変わらず寧ろ“やってみろ”と言いたげで俺は面白いと思った。
モブを止めて、少年(俺も少年だったが)に近づけば、少年の前髪を掴む。少年の表情は微塵も変わらなかった。
上記を述べて突き放せばそこを去るように歩きながら心ではコイツがいい、と選択した。
- Re: 貪欲な愛。 ( No.6 )
- 日時: 2016/11/18 10:23
- 名前: 朝倉 (ID: P4RGPyNJ)
それからも、何度かあいつに邪魔され、あいつをいじめた。
あいつは泣かなかった。周りとは違うことに嬉しくなった。弱音を吐かずセンコーにも告げ口せず、俺達に手を出すこともなかった。あの目と口だけは反抗的だったのを覚えている。
屋上の扉を開ければ一人の男が屋上の手摺に両肘、背中を預けて、もたれかかっていた。俯いている男の綺麗で癖のない髪が風で揺れる。
「あ、やっぱり来たんですね」
顔を上げたそいつはニヤリを俺を見て嘲笑う。腹立たしい。だが、昔と少し違う。違和感がある。なんだ?
そいつは細身なのか男にしては華奢で制服も少しぶかぶか。顔が整っていた。俺の好きな顔だ。
「変わってないですね。アイザワ、サン?」
手摺から離れたソイツは俺に向かってきてそう言った。過去を知っているのはコイツだけだ。
「お前?雅孝正」
「そうですよ。痩せたんで解りませんでした?ーーッ!」
最後に確認すると、正解みたいだ。俺はソイツの横腹に蹴りを入れてそいつを吹き飛ばすと、そいつに近づいて、不敵に笑みを浮かべながら囁いた。
「お前で遊ぶのは楽しいんだ。また、よろしくな?」
昔と同じ反抗的な目が返ってきた。確信した。
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