BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

好きな人は人間じゃないらしい(BL)
日時: 2016/12/20 21:55
名前: 天音 (ID: 1QppuERs)

【オリジナルBL作品です】

主人公が攻めであります。

初めての小説なので駄作になると思いますが精一杯やっていきたいと思っています。
亀レスになってしまう時もあると思いますがそれでもいいよって方がいらっしゃれば嬉しい限りです!

Re: 好きな人は人間じゃないらしい(BL) ( No.1 )
日時: 2016/12/20 22:12
名前: 天音 (ID: 1QppuERs)

俺は田辺旬たなべしゅん28歳にして一流企業の係長に就任した。
そして32歳になった今、社長に就任するかという話も上がっている。

これだけ聞けば頭が良くてリーダー性に優れていて、出来る男、なんだろう。

だが、俺には生まれてこの方、彼女が出来たことはなく、モデルの依頼も多く受けていたり街を歩けばスカウトもされたりしたから容姿には問題もなかったはずだ。

どこか近寄り難いのかもしれないと自分では解決させているが、この歳になると1人の彼女ぐらい作りたい。

初めに言い忘れていたことがある。

俺には1つ重要な欠点がある。

それは、俺には不幸しか寄ってこないことである。
就任出来ることと、一流企業に受かったことだけが奇跡である。

両親は俺が5歳の誕生日の時に共に交通事故で他界。
祖父母の家に預けられたが、それから数日後のクリスマスに祖母が他界。
そして正月に祖父が他界。
身内が亡くなっていき、イベント行事はトラウマになった。
それから厳しい親戚の叔母さんのところへ預けられ、多少の虐待を受けつつ育った。
暴力を振るわれるのが怖くてひたすら勉強をして運動をして家事をして両立させた。

学生時に受けたバイトは全て不合格。部活に入れば経費がかかると叔母さんに言われて入れなかった。放課後は帰りたくなかった為に図書館で勉強をしたのを覚えている。

他にも嫌な事はあった。だからか、今までに出来た彼女とは長く続いたので4日。

もうすぐ家が見えてくる。一人暮らしだから帰っても誰も居ない寂しく静かなあの家。
ため息をついて足を進めた。

Re: 好きな人は人間じゃないらしい(BL) ( No.2 )
日時: 2016/12/20 22:31
名前: 天音 (ID: 1QppuERs)

(え…誰?)

俺の家の前の塀に背中を預けて軽く俯き目を瞑っている美青年がいる。
思わず足を止めて、息を殺しながら様子を伺う。

綺麗な金髪はストレートで、肌は色白。細身なのか華奢なのか身長は低くなさそうでスラッとしている。服装が全身真っ白と変わっている格好。寒くなってきてコートを着込んでいる今の時期に白のYシャツに白のズボン、と寒そうな格好に白のブーツ。
更に変わっているのがある。一番気になっているアレ。

(背中に…羽根が付いてないか…?)

真っ白で、デカイ羽根が頭上で曲げられ羽先は地面に着いているのかスレスレかって感じで相当デカイ。

(仮想にも程ってもんがあるだろ。今時の若者はあんな派手でリアルな仮想をしてハロウィーンに行くのか?)

ハロウィーンの時期は過ぎたが、誰かとたまたま俺の家の前で待ち合わせをしているのかもしれないからと、彼が目を開けるまでに家に入ろうと彼の顔を見ながら門に近付く。

近くに寄って見れば見るほど美しい顔だった。睫毛が長い。眉毛がスッとしていて爽やかな顔立ちだった。

門を片手でキイッと音を鳴らせばその瞼がゆっくり上がっていくのに、しまったという後悔と焦り、共に見えた青色の瞳に興奮をしていた。

Re: 好きな人は人間じゃないらしい(BL) ( No.3 )
日時: 2016/12/20 22:56
名前: 天音 (ID: 1QppuERs)

「あ…」

彼が俺の方へ顔だけ向ければバチッと目が合って、固まり上記の言葉が漏れると、空気は静かになったかに思えた次の瞬間、彼は俺の方に体を向けて目を瞑ってニコッと笑うと少し前のめりがちに挨拶をしてきた。

「どうも!こんばんは!田辺、旬さんで間違いありませんか?」

「あ…はい。そうですが、何か?」

いきなり詰められた距離に近さを感じてドキッとして、少し体を引いて警戒をしながら彼とは反対に低いテンションで返事をすると彼は変わらぬテンションと表情でおかしなことを言った。

「貴方の不幸体質を治す為に派遣された天使です。どうぞ宜しくお願いします!」

キラキラとした笑顔を向けてきた美青年はそう言って頭を下げた。

「え、は?天使?」

「はい!そうです!」

「冗談は程々にしてくれ。キミに付き合ってる暇はない自分の家へ帰ってくれ」

「無理です。貴方の不幸体質が治らなければ帰ることは出来ません」

「は?なんで」

「そういう決まりなんです」

「…変わった親も居たもんだな」

「親ではありませんよ、大天使様と神様が決めた規制です」

「はぁ…」

付き合ってられないと思い、門を開けて一軒家の俺の家の鍵を開ける。

Re: 好きな人は人間じゃないらしい(BL) ( No.4 )
日時: 2016/12/20 23:26
名前: 天音 (ID: 1QppuERs)

俺の後ろに立って俺の方を見ている気配がする。

「何だ?帰らないのか?帰る家が無いのか?」

「はい、両方ですね。正確に言いますと、帰れない、ですが」

ニッコリ笑った表情を崩さないこの残念なイケメンに、仕方ないとため息をつく。

「今日1日だけだぞ」

「いいえ、僕なら貴方の不幸体質が治るまで一生お供させていただきますよ」

「……は?」

今日1日だけ泊めるつもりで家の玄関の扉を開ければ、崩さぬ表情と声音で美青年の自称天使は言った。

(一生って、そんな軽く吐ける言葉じゃないだろ。今の教育はどうなっているんだ?言葉の重要性が学ばれていないのか?)

そんなことを考えていると、彼は話を続けた。

「僕は貴方の不幸体質を治す任務を任されましたので派遣されました!その任務が完了するまで僕はこのままこの人間界に、貴方の元に、住まわせていただきます。そこでなのですが、一つだけ守ってもらいたい条件があります」

「…何だ?」

「はい、実に申し上げにくいのですが、僕には触れないでいただきたいのです」

その時、初めてその笑顔が真剣に話している顔に見えた。だから、そこは俺も少し考えた。だが、そんな滅多に人に触れる行為を自分自身、した覚えはないし、見ず知らずの他人と同居したからと言ってベタベタ人には触れないだろうと思い、頷いて了承すれば、彼は両手の手のひらを合わせて嬉しそうに頬をほんのり赤らめて笑った。

「…わかった」

「ほんとですか!?良かった、ありがとうございます」

(何だ…こんな崩した笑顔も出来るんだな…可愛いな…ん?あれ?俺は今、何を…?)

「田辺さん!何かお困りの事があれば何でも仰ってください!すぐにかけつけますから!気になる事があれば聞いてください!何でも答えます!」

「ん?あ、ああ、わかった。キミの名前は何だ?」

「名前は、ありません!なんと呼んでも構いませんよ」

「…そうか、それなら付けておいた方が呼びやすいな。アーシュってのはどうだ?」

「はい!良い名前だと思います!ありがとうございます!」

どうやら喜んでもらえたようで俺自身も少し嬉しくなり、夕飯を作ることにした。

Re: 好きな人は人間じゃないらしい(BL) ( No.5 )
日時: 2016/12/21 12:23
名前: 天音 (ID: H65tOJ4Z)

「何か作るのですか?」

キッチンで先程会社帰りに買った食材を並べて、エプロンを付ければ俺の隣に来て同じように食材を見ながら聞いてくる。意外と高い声で、意外と可愛い態度で振舞ってくる美青年に少し笑みが漏れる。
だが、隣に来るとわかる。結構羽根が邪魔だ。

「…」

「田辺さん?」

「あ!ああ、ただの秋刀魚の塩焼きだよ。簡単なやつをな」

羽根は重くないのかと思っていると羽根の横から顔を出して軽く上目遣いで首をかしげて聞いてくる彼にハッとして夕飯作るものを言えば、もう一つあることに気づき、それを発言しようとすれば先に言われた。

「あ!だがキミの分の食材が」

「僕のは大丈夫ですよ!僕は何も食べなくても生きていけますから」

「いや、そんなに強がってないで食べないと。そんなだからそんなに華奢なんじゃないのか?」

「え…?華奢、ですか?」

華奢だと言うと彼は俺の方に体を向けて両手を広げては自分の体型を見ながら言う。言ってはいけない事だったかもしれないと、申し訳なくなる。
すると、彼が両手を広げた事で見える彼の細くてクビレのある腰にめがいってしまう。

(やっぱり細いな…抱き心地が良さそうだ。抱きしめたらきっと逃げられなくて腕でもがいている姿が想像出来る。可愛いな…)

その時初めて対人を抱きしめたいと思った。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。