BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 俺の彼氏はヤバイやつ。
- 日時: 2017/01/17 16:57
- 名前: ミモコ (ID: FOqQFS6Q)
好きじゃない。好きなわけがない。
嘘なんかじゃない。俺はアイツが怖いんだ。
今日も俺のバイトが終わるのを待ってる。
誰か助けてくれよ…
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閲覧感謝致します。
この小説はBL小説です。
苦手な方はUターンお勧めします。
初めての投稿となりますので、誤字脱字に気をつけて亀レスになりませんよう努力していきたいと思います。
- Re: 俺の彼氏はヤバイやつ。 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/17 17:46
- 名前: ミモコ (ID: FOqQFS6Q)
バイトが終わって他の従業員に挨拶を交わしながら、俺の勤め先であるコンビニの裏口から出る。
薄暗い路地を歩いて明るい表道へ出ると、声をかけられた。
「お疲れ様、今日寒いね」
明るい口調で声をかけてくる人物は、父親が大手企業の代表取締役で、その人物自体も弁護士の代表取締役だと名を挙げている。調べてないから知らないけど、父親のことは知ってる。所謂世間一般で言う金持ちだ。
金持ちの考えていることは庶民の俺には解らない。今だって雪が降ってきそうな程寒いのに、コートも着ずにスーツ姿でズボンに両手を突っ込みながら肩を俺の肩へとぶつけてきてる。
鬱陶しいし、男2人で何イチャついてんだとも思われたくない。例え見知らぬ人だとしてもだ。
嫌いな人に密着されんのは誰だって嫌だろ。それをされてるだけだ。
話を戻そう。彼は俺より歳が5つ上で名前は長瀬俊史普段は冷酷なまでに笑わない人。真顔がカッコ良くてスッとした体型は目に痛いほど輝いてる。金持ちって感じだ(実際そうだけど)。でも、容姿だけ。
俺の名前は、渋谷隼人。
この男と、付き合っています。
- Re: 俺の彼氏はヤバイやつ。 ( No.2 )
- 日時: 2017/01/17 18:03
- 名前: ミモコ (ID: FOqQFS6Q)
俺の紹介をしよう。
長くなるかもしれないけど聞いてくれ。
隣に居る男の事を少しでも考えたくないから。
俺の両親は、父が駄菓子屋、母が花屋でごく普通の一般人だ。何故別の職に就いてるのかは、一度二人が離婚したから。初めは二人でケーキ屋をやっていた。ほんの些細な意見の食い違いでケンカになり離婚した。だけど、それは間違ってたってやり直すことになりもう一度二人は結婚した。また喧嘩するのは嫌だからと、職は別々に、家は元建てたケーキ屋って事にしてる。
どっちかがケーキ屋に残るかと思ったけどそれはどっちも嫌だったらしくて、高校を卒業したばかりの妹が継いだらしい。
俺と両親と妹の四人家族。俺は上京してアパートの3階にある一室に住んでて、バイトで食ってる。
俺は流されやすいタイプで、頼まれ事はなかなか断れない。嫌だなと言ってもやってしまう。罪悪感とか沸いちゃうから悪い事もしない。目標は一日一膳。
毎日平和に暮らせれば問題ない。夜ご飯はコンビニで弁当か惣菜買って食えばいい。それが俺にとっては普通で平凡で嬉しいんだ。
それが、隣に居るこの男によって崩れかけている。
「今から帰っても部屋寒いでしょ?ウチ来ない?」
始まった。
- Re: 俺の彼氏はヤバイやつ。 ( No.3 )
- 日時: 2017/01/17 18:35
- 名前: ミモコ (ID: FOqQFS6Q)
最近よく家に誘われるようになった。
付き合って一ヶ月、進展はない。無くていい。あったら困る。
家に行ったらそろそろやばいと思う。
俺らは半年前に知り合って、この人の推しが強かった。怖かった。物理的に逃げ道のなくなった俺に告白してきた彼の笑顔が怖くて殺されるかと危機を感じた俺は震える声で頷いた。それを思い返せば今でも血の気が引いて寒さが一層増す。
「ねぇ、どうかな?」
隣にいた彼が数歩前を歩いたと思ったら俺の目の前で立ち止まり振り返って上記を述べる。一定の距離を保ちたい俺は自然と足を止めた。
視界には彼の傷や汚れのない革靴が入ってる。
俺は断りを入れる為にゆっくりと視線を上げて彼を見る。
白い息が首に巻いたマフラーの上から出て行く。
「お断りします」
暫く間を取ってキッパリと断り、彼を避けて歩みを進める。
足音が後ろから聞こえる。
ついてきてる。この人は俺の家を知ってる。職業からも調べる事が好きなのかもしれないけどストーカーかと思う。俺がふらふ遠回りをしても迷いなくついてくる足音に恐怖を憶える。怖いけど、話しかけたら駄目なことはわかってるから、早く諦めてほしい。
- Re: 俺の彼氏はヤバイやつ。 ( No.4 )
- 日時: 2017/01/18 07:07
- 名前: ミモコ (ID: hFExu/cI)
「そろそろ帰ってくれませんか?」
「キミを自宅まで送り届けたらねー」
後ろへ聞こえるように声を張って言えば即答される。流すように言葉を発する彼の声音がリズム良かったから機嫌が良いのか、何か企んでいるのかもしれない。どちらにせよ、深く絡んではいけないと思う。俺にとっては悪い方向にしか物事が運ばない気がするから。
いつもなら仕事場までの1kmの距離に何も感じなかったけど、今日はやけに長い距離に思えた。俺の住む建物が見えた瞬間は安堵した。
長瀬さんは俺の自宅の玄関前までついてきた。俺は玄関の扉の鍵を開けて扉を開けば、軽く振り返る。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「うん、おやすみなさい。明日は車で」
ガチャンッと音を立てて扉を閉めて鍵もかける。長瀬さんが何か話していたけど、どうせ俺からすれば良い事じゃない。だから、話している途中で扉を閉めた。長瀬さんに気が無いことを知らせる為でもある。扉を閉めてから、その扉に背を預けてズリ落ちる。長いため息をついて玄関前から足音が離れて行くのを聞き取る。
少し悪い事をしたのかもしれない。傷ついたかな。そろそろ諦めてくれるかな。なんて思う。
ズボンのポケットに入れた携帯がバイブする。取り出して画面を見れば、高校時代からの親友の一人である有岡からだ。タップして耳元へ近づけて挨拶する。
「あぁ、有岡?久しぶりだな!元気してるか?」
自然と笑顔になる。懐かしい友との会話。電話口の有岡も明るい口調で楽しくなり、今度飲みに行こうという約束をした。
電話を切れば長瀬さんのことを考えていたことをすっかり忘れていつも通りに生活して寝た。
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