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まつのけ。(おそチョロ中心)
日時: 2017/04/30 17:03
名前: のしこ (ID: 23qbUXXN)

おそチョロ…ごうほりゅが好きです。
カラ一きてるよ。やったね。

ぼちぼち書いていきます。
短編多めです(早速長編書いてます)

アニメ二期、おそチョ…んんっ、速度の絡みがふえないかなあ、なんて。
うだうだ毎日おそチョロぱーりぃです。頭の中が。
いや、割とガチで!!
はああぁぁあ……おそ松兄さん、普通にすき…

弟組、なんか可愛くない?(確信)
おそらく、三男愛され風味、らぶらぶおそチョロです。
おそチョロ沼から抜け出せると思うなよ。
ぽんこつさんなん……………

書いたもの(妄想の産物)

夏休み(完結)
>>1
あとがき、解説、のような何か
>>2

馬鹿野郎供と大馬鹿野郎
>>3
>>5
>>6
途中経過とか、雑談とかの何か
>>4

Re: まつのけ。(おそチョロ中心) ( No.1 )
日時: 2017/04/22 22:32
名前: のしこ (ID: 23qbUXXN)

夏休み

______________



「あっちーなあ」


おそ松の声に顔を上げた。

松野家の2階、子供部屋は、ジメジメしていて、蝉の大合唱が聞こえる。
扇風機もなく、先程まで走り回っていた2人は、死にそうに寝転がっていた。
窓から見えるのは青空だ。


畳に押し付けていた鼻がヒリヒリしている。


「あっちーなあ」

僕は、そっくりそのままおそ松の言葉を返した。
おそ松と目があって、お互い、駄菓子屋のアイスが売り切れていた時の様な、
うげえ、という顔だった。
「なんでこんなに暑いんだろーなあ」
「おそ松がこの前良太にかけっこで負けたからだよ」
「ちげーし、チョロ松が宗太郎にじゃんけんで負けたからだろ」

おそ松は僕の冗談にむっとしたように返した。

おそ松が立ち上がったのが見える。
うげえ、まだ遊ぶつもりかよ、まあいいけどね。

僕も立ち上がる。ちょっと笑って、言い返した。

「ちげーし」



暑いなあ。












「あっちーなあ」




「暑いねえ…」




居間でのんびり昼を無駄にする。

これ、何日目だっけ、夏休み始まったばっかりだよね。
そうに決まってる。
「そういやさあ、あれ、あるじゃん、英語」「うん」

机はさっきまでひんやりしていたのに、もうぬるくなっている。
まだ冷えている場所に頬をくっつけた。

「Ahって単語、そのまんま、ああ、って意味なの、なんかうけね」
「あーね、めっちゃ分かるわ、理科の山崎とか、いつも ああ?!つって怒るよな」
「おれさ、 中2の英単語結局それしか覚えてねーんだわ」
「馬鹿だなお前、ちゃんとWowも覚えろよ」
「Ohとかもな」
「全部感嘆詞な」
「全部感嘆詞で会話してみたいよな」
「ただのアホだけど、ほんとそれ」

我ながらアホな会話だと思うが、楽しいのも事実だ。
あー、暑いしどっか面白いことしたいな、なんて考えながら
向かいにある、最近身長が伸びているらしい自称長身松を見ると、
不意に目があって、そしてそいつはにやあ、と笑った。

「おい、行こうぜ」

何処に、とは聞かず、自分も同じように笑みを浮かべる。
「ああ」
「俺お前のその顔好きだわ」
昔から変わんねえなあ、と、おそ松が言った。

「お前、何、ナルシストにでもなった?」「ちげーよ」

同じ顔に向かって好き、とは一体何なのか。
思わず突っ込んでやると、おそ松はにしし、と笑って言った。
「なんかさ、ワクワクするし、あーチョロ松だあ、って思うんだよ」
「へえ、ふうん」

立ち上がって、歩き出したおそ松を見ながら、ちょっと考えて、「あ」と呟いた。

「俺も、今のお前の顔はいいと思った」

おそ松は一瞬ぽかんとして、襖を開けながら、ふは、と笑った。

「お前、ナルシストかよ」

さっきの言い回しをパクられて、ちょっとむっとしながら、
ああでも、楽しいなあ、なんて思いながら、自分も立ち上がり、おそ松に近づく。

「ちげーよ」


暑いなあ。宿題捨てたい。











「あっちーなあ」





「…言ってる暇あったら数学やれ、終わってねーんだろ」

蝉の声と共に聞こえる風鈴の音に、ああ、 夏だ、なんて感じてみる。
目の前のクズは真っ赤なTシャツの襟元ををパタパタさせながら、呻いている。
「その台詞、何回言えば気がすむわけ。大体さあ、暑いって言うからそう思う訳であって」「チョロ松さあ、そんなきっちりボタン閉めて、暑くねーの??」「聞けよ」

さっきからしつこく絡んでくる兄は、僕のありがた(みのな)い説教も軽く躱す。
自分の着ている黄緑のポロシャツは、襟元のボタンまでしっかり止められていた。
暑くないのかと問われれば、当たり前にクソ暑いのだが、そういう真面目な面も自分の個性だと思っているし、開けるつもりはない。

「……別に」「うっそーん、汗ダラダラのくせに??」「は??」

今一番自分が気にしていて、そして一番こいつにはバレないかと思っていた所を突かれ、慌てる。
長兄は何処からか持ってきたタオルを僕に投げつけた。
「…おそ松兄さん、」「その兄さん、っつーの、やっぱ何とかなんねーの」

珍しい優しさだ、と感心したところで、心なしか真面目な声でそいつは言った。
明らかにその表情からは不満が見て取れる。

「……そ、れは」

思わず僕が言葉を濁らすのを見て、そいつは溜息とも、ただ吐いただけともつかない息を漏らすと、
僕の頭を、タオルでぐしゃっと撫でた。

「っちょ、…な、にす」「よーっし、プール行こうぜ、チョロ松」

目の前の兄がどんな顔をしているのか、タオルのせいで分からなかった、が。
何故か、何となく寂しそうな声に聞こえて、思わずタオルを振り落とす。
おそ松兄さんはやはり、というか何というか、さっきと特に変わりはない。

「…おそ松兄さんは、なんで、僕なんかに構うわけ。他にも兄弟、いるじゃん」

「その、僕なんかって言うの、やめよーぜ」

おそ松兄さんの、その笑顔に何も言えなくなった。
最近、こいつは僕の知らない顔をする。
それは自分の心境のせいか、夏の蒸し暑い空気のせいか。

話は変わるが。
僕は夏休みと言うものは、課題は死ねと言っておきながら結構好きなのだ。

「………行くなら行こ、プール」
「おりょ、めっずらしーの、最近お前構ってくんねーじゃん」

その割には満更でもなさそうな顔をしたそいつは、馴れ馴れしく肩を組んでくる。

「暑いの嫌いだしね」「へえ」

暑いのは嫌い、それはまあ本音なので、肩はすぐ振りほどく。
さっきよりも室温が上がったようだった。
準備しなきゃいけないので階段に向かう。おそ松はそんな僕の背中に投げた。


「おまえ、兄ちゃんのことほんと好きな」



「ちげーし」



それは、苦し紛れの否定。

暑いなあ。全部燃えちゃえばいいのに。












「あっちーなあ」






「暑いって言うから暑いんだよ、おそ松兄さん」



「いやあ、暑は夏いねえ」



「…そうやってくっついてるから暑いんだと思うよ、兄さん」




「こういう時こそさあ、やるべきことがあるよね、ヤるべきこと」



「死ねゴミクズ」「いっってえ!!」


耐えかねて、腰に腕を巻きつけ引っ付いてくるパチンカスに肘鉄を食らわす。


「意外と本気でやったよね??泣くよ????」
「うっせえ泣いてろハゲ」「くちわる」

見ていた求人誌を閉じて、床に置いた。
そこで僕は説教モードに入るのだ。

「大体さあ、ニートが真夏に部屋でベタベタとか、ほんと、終わってるからね」
「いま夏休みよ??」
「年中休みのくせにカスみたいなこと言うなカス」
「みたいなって!!結局俺カスなの!?」
「え、ちがうの」
「ひでえ」

ああ言えばこう言う、ガキみたいな長男は、鼻を押さえてぶーたれている。
「そーじゃなくてさ」長男は語る。

「俺さあ、夏休みって意外と好きなんだよ」「ほう、宿題もろくにしなかったもんな」
「ちげーし、大体そんなもん元からねーんだよ!!
…そうじゃなくてさ、特別なんだよ、こう、いつもと違う感じ」

いまいち馬鹿の話にピンとこない僕は、眉を顰めて首を傾げる。
「暑くて、じめじめしてて、蝉の声が聞こえて、
思わずチョロ松にあっちーなあって言いたくなる感じが、俺は好き」
つまりこいつは何が言いたいんだ。

「つまりはな、俺は今この時間が、すげー好きだし、楽しい」

「へえ、……そりゃあ、おめでとう…」

そいつの好きが、あまりにもまっすぐ僕に刺さるものだから、つい顔を背けてしまう。
そこで、唐突にそいつは言うのだ。
確かめるように何度も。

「好き」

「ねえ」

「チョロ松」

「…なに」


目の前の兄に、おそ松に、おそ松の笑顔に、
ああ、やっぱり青い空が似合う、夏休みが似合うやつだとおもった。







「あっちーなあ」








「………あっそ」





ほんと、暑いなあ。


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