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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 僕らが結ばれる世界ならば
- 日時: 2017/04/29 23:22
- 名前: 桐谷 黎明 (ID: FQzo10Uq)
僕らが結ばれる世界ならば
桐谷 黎明
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.BL
.オリジナル
ということを念頭に置いての閲覧でお願いします。
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.きりや れいめい と申します。
- 僕らが結ばれる世界ならば ( No.1 )
- 日時: 2017/04/30 00:14
- 名前: 桐谷 黎明 (ID: FQzo10Uq)
1.
じわじわと焦がされるような暑さが続く夏。何重にも重なりループされる蝉の声は耳にはりつく程聞かされた。遠くに見える蜃気楼は人の目を嘲笑うかのように揺れる。夏の太陽はひときわ光を放ち、目に見えるものを白く照らしていた。
特に、遮られるものが一つもない学校の屋上では。そんな場所にも申し訳なさ気に陰が落ちる箇所——屋上のドア付近にある小さなひさしもあった。
ドアは両開き扉であったが片方は常に締め切りとなっていた。その扉にもたれかかり目を閉じる一人の男子高生。
屋外で寝ているのだから当然暑いはずだ。こめかみ辺りから汗が伝っている。その反面、涼しげに眠っているのだ。顔も白いカッターシャツから覗く首筋も腕も、肌が白いというわけでもないのに透明感がある。その分、頬や唇の赤さが際立っている。そのあたりも夏には似合わない。
そんな見知らぬ相手をじっと見ながら恵祐は
「きれいだ」
と、思った。
四年前、高校一年生の夏。
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