BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 化け物な俺と猫。
- 日時: 2017/07/15 20:37
- 名前: るお (ID: aR6TWlBF)
はじめましてばっかですね、はじめまして。るおっていいます。
速度松でたまに小説書いてるやつです。そうそう、駄文作者ね、テストでるよー。
ちょっとね、二次創作も楽しいんですけど、創作廚の血が騒いでですね…
てなわけでオリジナルです。Twitterとかで描いてたキャラですね。
なんかわりとファンタジーです。和風ファンタジー?になんのかな?妖怪とか、とりあえず性癖ぶっこみました((
まぁちょこちょこ更新するんで、コメントとかもらえたらうれしいなぁ…
荒しは厳禁。
コメントとかもらえたらすっごい喜ぶかな!!(高望みしすぎ)
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.1 )
- 日時: 2017/06/28 23:44
- 名前: るお (ID: /YdTLzNI)
主人公しかでてきてないです。
今日も雨が降っていた。
ぽつりぽつり、と民家の塀から覗く葉に、雨粒が当たる音があちらこちらから聞こえてくる。通学路には青い傘をさした俺以外、人はいない。じめじめとした湿気を多く含んだ空気と、梅雨入りしたどんより雲に、俺はそっとため息をついた。
それにしても暑い、と着ていた長袖のセーターをシャツごと捲る。長い前髪を留めたピンもつけなおした。もう衣替えも終わったので、この間まで着ていた学ランはクローゼットの中。確かに暑いし、もうないほうがいいな。いや、湿気のせいで暑い、っていうのもあるんだろうけど。
前髪をもう少し切れば暑さも少しはましになるんだろうか。左目を隠す前髪をいじりながらふと考えて、いや、無理だ。涼しくはなるんだろうけど、軽度の視線恐怖症の俺には、片目だけ出していても泣きたいくらいに辛いんだから。この話終了。
はぁ。またため息をつきながら、背中に背負っていた、教科書などで重たくなったリュックを背負い直して、俺は通学路を早歩き気味で歩く。ため息をついたら幸せが逃げる、なんて話があるけど、ため息なんか毎日ついてるから、幸せ逃げまくりだな。
くるり、と青い傘を回して柄を握り直す。水滴が飛んで、雨と混ざって消えていく。
手の中に収まる、傘と合わせた青い柄には汚い字で「枢木楸」と黒のマジックで書かれている。横にはこれはこれはご丁寧に「くるるぎひさぎ」と振り仮名までふってあるくらいだ。この変な漢字の羅列は当時小学生だった俺が書いたもの。字が汚いな。なんでこんな小難しい漢字にしてくれたんだよ、恨むぞじーちゃん。なんちゃって。でもさっきまであれほど気分が落ち込んでいたのに、この文字を目にいれてからは苛立ちしか感じない。情緒不安定ですか俺は。
まぁ高校三年生のこの時期なんてこんなもんだろ。自分の将来が間近に迫っていて、どうすればいいかわからないんだぞ。どーすりゃいいんだよ。ははっ、と乾いた嘲笑までしてみた。あー、ほんとだめだめだなぁ。
…と、そこで、何か背筋に、ぞくりとした気味の悪いものが、走った。ような。
「っ…!?」
びくっ、と肩を震わせた。さっきの、ぞくりとした悪寒。さっきまで歩いていた、三年間見慣れた道は、なぜか全てが全て、さっきより色褪せて見える。強い違和感。あれれー、おかしいぞー。なんて、どこぞのちびっ子名探偵が頭の中で俺の気持ちを代弁してくれた。
そう、なんだか危ない気がする。さっきは感じなかった違和感が、どこかにある。
俺の、18年間生きてきた経験上の勘だ。うん、今日はあぶない。
どっと吹き出した冷や汗を腕で乱暴に拭って、さっきより早足で歩いた。ぱしゃん。すぐそばで、水溜まりに足を突っ込んだような水音。俺が踏んだわけじゃない。踏んでいたら、今頃ズボンが濡れてただでさえよくない機嫌がさらに悪くなる。俺だって自分から不快な思いをしに行くのはまっぴらごめんだ。
無視してさらに、歩く、歩く、歩く、走る。早歩きのしすぎで、もう最後の方は走っていた。景色が流れていく。腹の底から、恐怖心と気色悪さが込み上げてきて、泣きそうになった。もうすでに涙目だけど。
「はっ…は…ひっ…」
息が切れるほど走った。家にはまだ着かない。というより、景色が変わらない。本来なら数メートル先の角を曲がれば雑木林の道になるのに、その角に届かない。日頃の運動不足が災いして、足ががくがく震えた。
本格的に、これは。
「っ…はは、バカみてぇ」
なんだか可笑しくなって、笑い声が漏れた。人間、恐怖が限界に達すると笑えてくるらしい。もっとも、俺は少し人間じゃないからこうして変なやつに絡まれるんだけど。
「…じーちゃんっ…!」
首もとをまさぐって、下げていたチェーンを引っ張りだす。チェーンの先に付いているものは、俺の目の色とそっくりな、青と緑が混ざった青竹色の石。今は亡きじーちゃんの、形見。これを握ってると小さいときみたいにじーちゃんが助けてくれるような気がして。ぎゅう、と親指の爪位しかない小さなそれをきつく握りしめて、踞る。お願い、助けて。助けて。
後ろから嫌な気配が近づいてくる。そいつはぴちゃ、ぴちゃ、と水が滴るような音を出しながら、ずるり、びちゃ、ずるり、びちゃ、と何がを引きずって、俺に近づいてくる。
「ひっ…!!」
思わず漏れた悲鳴を押し殺すように、慌てて石を握ったまま口をふさいだ。息苦しさと恐怖でいっぱいいっぱいだ。後ろのやつは、ずるり、ずるりとだんだん近づいてくる。
やめて、来るな、来るな、来ないで。
じわ、と視界がぼやけて、目尻の方から熱を帯びる。あ、やばい、ちょっとまって、やばい、今泣いたら。
ぱきぱきっ。
頬に一筋流れた涙と同時に、石を握っていた手の甲から、同じ色の“魚の鱗”が、軽い音を立てて生え揃った。慌てて目を擦っても、もう遅い。
「______っ!!」
べちゃ。さっきより一際大きな音を立てて、後ろの嫌なやつが、止まった。
気配が強く感じられるほど、近くに。
「あ、あ…やだ…ひ…」
止まらない涙を流しながら、恐怖に怯えた。一度流れた涙はそう易々とは止まらない。それに元来涙脆い俺は、泣き出すとなかなか止まらないのだ。
恨めしげに、生えた鱗を睨む。きらきら、不自然なくらいに光るそれはまるで美術品のように綺麗で、さらに恨めしくなった。もっと泣きたくなった。
そう。これが、俺が少し人間じゃないところ。
俺が、“化け物”だっていう、証明。
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.2 )
- 日時: 2017/07/07 00:13
- 名前: コノハノハ (ID: k9gW7qbg)
お願いです続き下さい!!
メッチャ先気になっちょる!!
はよ下さいお願いします!!!
ところどころ
タメ口スンマセンっした!!!
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.3 )
- 日時: 2017/07/15 20:27
- 名前: るお (ID: aR6TWlBF)
まだ助けが来ないねかわいそうに、きっと次にはでてくる(はず)。
無駄に文章が長くなる癖やめたい…あげた文2つくっつけたらだいたい5000字くらいになりましたまとめる力が欲しいです。
あ、見ようによってはグロいんで気をつけてね。
「ひっ…やだ、くんな…くんな…」
べちゃり、べちゃり。音はさらに大きくなる。俺の後ろで、なにかが、轟いている。
ふわりと香る、生臭い臭い。潮騒のような臭いではなく、梅雨のじめじめとした臭い。こいつカビでも生えてんじゃないのかと思わせるような臭いだった。それに混じる微かな腐臭。うぷ、と込み上げてきた吐き気を必死で堪えた。食道の辺りにまで差し掛かった胃液が気持ち悪い。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。恐怖と嫌悪が、俺の中に注がれていって、今にも溢れそう。耐えるように、さらに石を握りしめた。
どく、どく、どく。自分の心臓の音が、聞こえる。早鐘を打つ心臓が。大きな音で。
はやく、はやくどっかいけ、はやく。はやくはやくはやくっ!!
『みィつケた、ワたシの、かわイい子』
ヒュッと、掠れた悲鳴が漏れた。
いたからだ。
目の前に、半分溶けたような、どろりとした姿をなんとか保っているような、女が。生臭い臭いと腐臭を漂わせた、この世のものではないものが。
「うわぁぁぁぁぁああああああっ!?!?」
叫びながら、地面に座り込んだ状態で無様に後ずさった。放り投げてしまった傘がふわりと宙に待って、道路に落ちていく。制服に泥が染み付いていくが、今は気になんかしていられなかった。
逃げないと。にげろ。ただその一心で。
慌てて立ち上がろうとした足元を何かに掬われた。正確に言うと、何かで滑った、という感じ。恐る恐る下を向いた。刹那の後悔。あぁ、見なければ良かった。
見たところ、ところどころ緑っぽく変色した細くて丸い、筒のような形をだった。女からの水分を吸って大分ふやけている。千切ったような肉々しくも荒い断面と、先に付いた5本の指のような…
こいつの腐臭はこれが元凶だろう。それで、多分、これは、子供。の、腕。
「〜〜〜〜っっ!!!!」
それを認識するのにかなりの時間を用いた。また込み上げた吐き気を堪えて、べちゃっ、と音を立ててなだれ込む。あまりの出来事に、足がすくんで動かない。逃げ出したいのに、逃げられない。
一度認識すると、目に入っていなかったおぞましいものが、次々に視界に入ってきた。
頭蓋の割れた、どろりとした何かが垂れ下がった人間の頭を、髪を鷲づかみした痩せこけた女の手だとか、白いワンピースの赤黒い染みだとか、そういうもの、全て。
「あ、あぁ…あ、あ…」
声も満足に出せなくなった俺に、目の前の女は笑う。にまりと爛れた唇を引き上げ、ほつれた髪を振り撒いて。大きな口腔はてらてらと光り、血液を連想させるような液体を付着させたガタガタの歯が覗く。
まるで山姥のようなざんばら髪からかいま見える落窪んだ目は、はっきりと俺を捉えてギラギラしていた。
そしてぽたぽたと水滴を滴らせながら、その骸骨と見間違えるような骨ばった腕をこちらに伸ばして、そして。
『ワたシの、かわイいカわいイ子、オイデ』
そのおぞましさに、さらに涙が溢れて、ぱきぱきと、また鱗が増えていく。吐き気が止まらない。感情のコントロールができない、上手く呼吸が出来ない。
ヒューッ、ヒューッと乾いた息を吐き出して、びしょびしょに濡れた制服の気持ち悪さに眉をひそめて、目の前の化け物を、化け物の俺が睨む。
女はゆらゆらと揺れている。泥のつまった爪の生える腕を、こちらによこして。ゆらゆら、頼りない炎のように。揺れている。
『オイデェ?ワタしの、カわいイ子、マまと、イッしョに、逝きマショウ?』
嗄れた声だ。甘い言葉で惑わせた子供達のかけらに囲まれて、俺を呼んでいる。歪みながら笑っている。あちらに、あちらに逝きましょうと、誘う。優しい優しい子守唄のように。穏やかに。
ぎり、と歯を食いしばった。涙は拭う暇もなく流れる。流す度に、鱗が色鮮やかになっていっている気がした。
震える喉を奮い立たせて、強ばった足に喝をいれ、立ち上がった。足は、震えたまんまだ。はは、情けねぇなぁ。お前それでも男かよ。
「…だ、誰が、行くかよ。このクソババア」
…ただの虚勢だ。こんなもの。心を落ち着けたいがための、虚勢。
いつのまにかまくっていたセーターの袖が落ちていた。ぐい、と涙を乱暴に拭う。そして。走った。そりゃもう、全力で。フォームなんかでたらめで、とりあえず目の前の化け物から距離を取りたかった。
「はぁっ…!は、っ…!!」
雨が降っているから濡れてしまう、なんて考えはもう思考の外だった。ていうか、もう気持ち悪いくらいにびしょ濡れだし。心臓が、恐怖と疲弊でバクバクと音を立てる。そのうち爆発でも起こしてしまうんじゃないだろうかと錯覚するくらいに。心臓が動く音、血が体を巡る音、風を切る音、自分の足音。息遣い。色んな音が聞こえて、うるさい。
「も、やだぁ、ひっく、たすけてっ、ひっく、じーちゃっ、」
涙がまだ止まらない。涙が頬を伝って雨と混じり、落ちていく。俺ってこんなに泣き虫だっけ。いつもこんなに泣いてたんだっけ。じーちゃんが死んだときにたっぷり一人で泣いたから、もう泣けないと思ってたのに。こんなくだらないことで涙は溢れる。
ぱきぱきぱき。
鱗は、更に生える。音をたてて、増える。泣いたときだけに現れるこいつは、屈辱の証。涙の象徴。
ずるり、背後からまた粘着質な、嫌な音が響いた。
『マって、ワタしの、カわいい、子』
「うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!黙れっ!!黙れ黙れ黙れっ!!」
嗄れた声を防ぐように、耳をおさえて走る。でも走っても走っても、やつは追いかけてくる。目には見えない、でもきっと彼女だけには見えている子供を引き連れて、新しい子供を追いかける。母のような、化け物のような。どっちともつかなくなってきた。
「うぐっ…!」
あの強烈な腐臭が、強くなった。また込み上げた吐き気。いい加減に心が折れそうだった。辛い、悲しい、怖い。
ふらついていた足がもつれてその場に倒れこんだのはその時だった。
「う゛ぁっ…!」
体に走る鈍痛。アスファルトに叩きつけられた体が小さな悲鳴をあげた。徐々に熱くなる膝の痛み。少し血が出たのかもしれない。ん?血?
一回止まった思考に、追い付く恐怖が背筋を走った。身体中から血を抜かれるような感覚。
やばい。血はだめ。だめ。ダメダメダメダメ。
『ア…?ナニ、オいしソウ…』
ギラリ。やつの窪んだ目が、まがまがしく光ったような気がした。
- Re: 化け物な俺と猫。 ( No.4 )
- 日時: 2017/07/10 17:23
- 名前: るお (ID: 8pAHbekK)
さぁて、未だに主人公の詳しい説明が載ってませんね。でも今詳しく説明しちゃうと面白くないんでね、軽く説明だけ。
枢木 楸
くるるぎ ひさぎ
ごくごく平凡な男子高校生。身長も170㎝と平均的。頭のよさも平均的。運動は少し苦手。
普通の一般人らしいけど、よくよく見ると違うらしい。本人曰く、「化け物」。
…はい。説明おしまい。簡単にって言ったでしょう?
詳しいことはまた後日。
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