BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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【BL松】ナポレオン・コンプレックス
日時: 2017/07/14 21:37
名前: 日暮ヒポクラシー (ID: NTjRWWeg)

保バスに小営、レスカマ、その他色んなものが描きたいのですが、意識の高い彼らというのも面白いかと思いました。

注意!
同軸リバ本命の書く小説です。
地雷の方はお戻りください。

基本の軸は一カラ一(受け攻めは固定していません。)で、あつトド、東おそ、十カノなども入ります。地雷がない!全くない!もしくは自己責任がとれる方のみお進みください。

設定紹介
松野一松 赤塚第二高3 学年25/320位 偏差値78(進研) 囲碁部(ほぼ幽霊)
志望・表向きは東北大工学部だが本当は東大理一
ひねくれの鱗片が見え始めているが、まだねじ切れてはいない。まだ真面目な性格。
松野カラ松 赤塚第二高3 学年300位 偏差値58 バスケ部スタメン
志望・東北大工学部
ナルシクソ松が完全に出来上がっている。が、スポーツが得意でめっぽう優しいため女子には人気の部類。勉強はすればできる子。
松野十四松 赤塚第二高3 学年一位 偏差値89 野球部バッター
志望・東大理三
ブラックボックス。運動神経も成績もおよそ人間のものではない。一松とカラ松を慕い、兄さんと呼ぶ。
松野トド松 赤塚第一卒九州大学教育学部卒
バスケ部の顧問、進路指導担当、一松とカラ松のクラスの担任。新卒採用なのに重たい仕事ばかり任せられている。あざとさも腹黒も健在。あだ名はトッティ。
松野チョロ松 赤塚第二卒東大理一
自意識ライジング先輩。カラ松の一つ上の兄。スペックの高い男に女は憧れるだろうと思い勉強して東大に合格したが、まだ彼女ができない。
松野おそ松 赤塚第一卒早稲田大商学部
一松の二つ上の兄。一橋経済学部を志望していたが、実は…
あつしくん 赤塚第一高3 学年20位 バスケ部スタメン
赤塚第一の一軍。先輩であるトッティと仲良し。おそ松と面識がある。

Re: 【BL松】ナポレオン・コンプレックス ( No.1 )
日時: 2017/07/14 21:35
名前: 滅子 (ID: NTjRWWeg)

6月のセンター模試は744点だった。
東大合格者平均は789点、東北大工学部は679点。もっと丁度いいところはないのかと探したら、京大の工学部が739点だった。だからと言って京大を受けられるかと思えば全くそんなことはない。何故なら私は国語の点数に激しく波がある。進研模試で偏差値80はざらだが50もザラ、65や70を取ると、おお珍しい…といった具合だ。
今のところ上げるべきは化学である。いくら習ってない範囲が10点ぶん出たとは言え、64点はひどすぎだろう。物理も、終了直前でなにを血迷ったか間違った選択肢に変えて77点だった。あの四点が愛おしい。
今解くのは微分応用。死ぬほど苦手だ。
問、e^x>(x^3-1)を解け
f(x)-g(x)>0型の証明だ。自然対数を両辺から取るか?そうすると、0<a<1、1<aの範囲指定と、x^3-1>0の真数条件になる。
普通に微分しよう。
h(x)=e^x-(x^3-1)>0とする。
h′(x)=e^x-3x^2はxが実数より正である。したがってh(x)は単調に増える。
また、h(0)=1>0。
よってx>0でh(x)>0
したがって、e^x>(x^3-1)
証明終了。
これは簡単だったが、cos、sinで少しいじられたら俺はたまったもんじゃないだろう。
図書室はクーラーがかかって気持ちいいだろうと思っていたが、全くそんなことはなかった。むしろ本の匂いがこもっていて、少しジメッとしているけど廊下の方が涼しいかもしれなかった。しかし廊下でサッカー部が練習してうるさいから、仕方がなくここにきたのだ。下手にワイシャツと長袖のベストなんか着るんじゃなかった。
もうすぐ、すぐに六月定期テストだ。

僕は、かつて、頭がとてもよかった。高校受験から二年のはじめにかけては、自分が類い稀な脳を持っていることを疑わなかった。地方で一番のこの進学高に前期選抜で入学したときも、一桁か二桁台の順位がバンバン取れた一年生も。
でも、一位というのは320人中1人しかいないから、だから類い稀であって、4位から19位までブレる僕なんて大したことなかったのだ。
「ドゥーーーン!!」
「グハッ……背中に飛びかかるのは、やめて…」
振り向いて、背中からパーカー姿の十四松を剥がした。
「あ?お前、なんで硬式野球部なのに、制服着てな…」
「引退したよ!」
「えっ、いつ」
「土日!高体連!県大会で負けたあぁあ〜〜!!!!!!!」
「あっ、泣くなよ……」
十四松は瞬時に涙を止め、俺の隣に座って名門の森を机に出した。
「あー……ところで十四松、センター模試、いくつ…?」
「864!」
「高っ」
赤塚第二高校三年七組、学年主席、松野十四松。ちなみに硬式野球部。奇人変人ブラックボックスすぎて先生の手を焼かせているが、頭の良さも運動神経も一級品だ。天才となんとかは紙一重と言うが、話せばわかるし常識はないけど思いやりはある。俺みたいなクズとは、名前と顔だけ少し似てるけど、全くの正反対な存在。
一年生の時、席が前後…そりゃあおなじ松野だから…になったときから、俺を何故か慕っている。
「一松兄さんは!?」
「お、俺は……744…」
「すっげー!一松兄さん、スランプ抜けたじゃん!」
「よくそんな心にもないこと言えるね……もっと罵ってくれたらいいのにさあ……気遣わせてすいませんね……」
「十四松が言ってるのはそういうことじゃないよ」
「びっくりした……」
「トッティ!」
「トド松先生だから!飴が図書館に続いて落ちてたから、まさかと思ったけど案の定だね。」
トド松先生は十四松のパーカーのフードに飴を入れる。
「拾ってくれてありが特大サヨナラホームラン!」
「一松も勉強?」
「いえ………はい。」
「前の模試より90点も上がって、よかったじゃない。一松様とうとうスランプ抜けたって感じだね。」
「いや抜けては…」
「これでスランプのせいにもうできないからね!……ってことが言いたかったんでしょ、十四松」
「イェーストッティ!」
「ヒヒ……言い訳できないのはクズの俺にはキツイっすねえ……」
「あっ、これ2人に渡さなきゃ。」
渡されたのはT大理一と理三のパンフレットだった。もっと明確に言えば理学部と医学部。
「十四松……理三、なんだ。」
「あれ、一松兄さんT工大じゃなかったの?」
「ああ、それは……」
「一松が決められないって言ってたから、片っ端から渡してるの。京大とかも渡してるよ。」
「え、もらいましたっけ…?」
「ギャッ!渡してない!?」
「あー、猫が破ったかも…それか怖気ついて自分で…」
「何してんの!ほんと闇松だよ!」
「俺、京大の医学部のなら今持ってるよ!」
「いや、医学部じゃないから…」
「え!?医学部じゃないの!?」
「俺は理学部…」
「医学部じゃん!」
「り!」
「いじゃん!」
「り、が、く、ぶ!リズムのリ!」
「イズムのイ?」
「物理のり!もう黙れ!」
「なんだあ、理学部……ボヴゥエ!」
十四松になんとか合点行かせて飴を口に押し込んだら目が飛び出した。
「まっ、僕は行くから〜。勉強頑張ってね!」
「あいあーい!」
十四松はシャーペンを連打し、ものすごいスピードで赤本をときはじめた。筆圧が強いから近所迷惑である。イアホンでカリ≠ガリを聴き始める。
「ーー僕の前に続く道は、明かりに灯されてはいるけれどーー」
僕の前に続く道は、針の筵だ。


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