BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 腐りのバスケ[火右固定]
- 日時: 2018/02/01 20:33
- 名前: ◇ピジョンブラッド◇ (ID: lFsk8dpp)
初めまして◇ピジョンブラッド◆です。
黒バスの火神君にハマって約数年……徐々にのめり込んで行きこんな事に…(笑)
タイトルを見たらわかると思うのですが、ここでは火神君受け固定の小話を気ままにあげていこうと思っています。
あくまでも一戦は超えども直接的表現は一切いたしませんので、そういったものをお求めでらっしゃる方は申し訳ございません…(^.^;
言わずともご承知のことかと思いますが、ここにあげていくのはあくまでも同性愛をメインとしており、二次創作です。本家様とは一切無関係ですので、これを見たからといって本家様への誹謗中傷行為は無いものとさせていただきます。
リクエスト等はいつでも受け付けております。期間などは提示できませんがなるべく早く消化するよう努めますので、是非とも気ままに書き込んじゃってください。
現パロや女体化などなんでもありなので、内容はタイトルにざっくりと書いてますので自衛してください。
火神君受け皆もっと書こう???ピジョンが美味しくもぐもぐするから皆書こう??????
- [黒火]めっちゃ甘えたがる話 ( No.1 )
- 日時: 2018/02/03 08:45
- 名前: ◇ピジョンブラッド◇ (ID: lFsk8dpp)
今朝に、彼からメールが届いていた。内容は今日は休むといったもので、僕はらしくないな、とは思いつつも後で見舞いに行くと打って携帯を閉じる。彼は恐らく遠慮するだろう。けれども見舞いに行く事は僕の中ではもう決定事項なので勝手に行かせてもらう事にする。
教室に入って席に座っても、どうしても目の前の空白に違和感が拭いきれず、一日を妙に長く感じたものだった。
と、放課後になったときだった。最近になって漸く火神君の彼氏として認めてくれたらしい、時折メールでやり取りをしている彼の義兄から一通の電話が入る。
正直早い所切り上げて彼に会いに行きたかった為、僕は躊躇いなくその通話に応じた。
電話越しに義兄の少し焦った声が聞こえてくる。
「タイガの所へ行ってくれ。甘えた時期に入ってるんだ」
「はい?」
あまりにもよくわからない、甘えた時期とはなんなのだと問えば、義兄は少し悔しそうに歯ぎしりして、その、彼の定期的にくるらしい甘えた時期について説明をしてくれた。
義兄の話によれば、彼、火神君は定期的に精神が不安定に陥り、若干幼児退行を起こすのだという。その期間というものは酷く曖昧で、一日で収まることもあれば、一週間続くこともある、らしい。
「なんですかそれ早く教えてくださいよ」
早口でそうまくし立てれば、電話越しに義兄は満足そうに喉を鳴らした。
あらかたその甘えた時期に入った火神君からメールか電話があったのだろう。
それが非常に僕の心に靄を残した。どうして彼氏の僕には頼らないのかと、少しだけ義兄に嫉妬して。
彼からもらった合い鍵を使って、荒れる息を整えつつ玄関のノブを握り締めた。
カチャりと扉が開く。不躾ではあるけれど、僕は黙って、こっそりと中へ入った。ミスディレしていれば恐らく彼も気付かないだろう。
部屋に入れば、案外あっさりと彼は見つかった。ソファの上で嗚咽を漏らしている。大きなクッションで顔を押さえてひぐひぐと喉を震わせるその姿は、確かにちょっと子供みたいだと思った。
僕は黙って、わざと机をコツコツと叩く。彼は目元を真っ赤にして振り向いて僕を視界に捉えると、らしくない、その目を大きく見開いて、ぼろぼろと涙をこぼしていた。
「火神君、大丈夫ですか?氷室さんから話は聞きましたけど…」
まだ信じきれてないんです、と続けようとしたけれど、それは叶わない。
彼が、クッションを放り出して僕をぎゅうぎゅうと抱きしめたからだ。
嗚咽を漏らして僕の肩に顔を埋め、うーうーと唸ってはより一層力を入れてくるため、少しキツイ。
堪えきれずに咳込めば、大袈裟に肩を跳ねさせて僕から距離を取る。離れてみてやっとその表情がわかったけれど、涙目で寂しそうに僕を見つめてくるそれは、言ってしまえばかわいいの一言に尽きる。
「…火神君」
名を呼べば、彼は酷く嬉しそうに花を咲かせた。まるほど、これは。
「何してほしいですか?」
僕が問えば、彼は顔を俯かせて頬を染めた。暫く無言の時間が流れて、彼は漸く口を開いた。
「よしよし、してほしい……ぽんぽんって、…」
耳まで真っ赤にして言い切ると、手で顔を隠してしまった。
なるほど、これは。最高にかわいい。
「詳しいことは後で氷室さんに聞くとして…」
「?」
「今日はいっぱい、僕が、甘やかしてあげます」
その瞬間の彼の心底嬉しそうな、花が満開の笑顔だけは僕の理性が少し揺らいだものだった。
end
- [青→(←)火前提モブ火]片想いのなれのはて ( No.2 )
- 日時: 2018/02/03 10:21
- 名前: ◇ピジョンブラッド◇ (ID: lFsk8dpp)
現在火神は大変惨めな思いで満たされて、誰もいないストバスのコートでうずくまっていた。
もうそろそろ家に帰らねば、普通ならば親が心配するだろう時間になっても、火神にはその心配する親が居ない。だからこうして、小さな電気だけが唯一明かりになっているような所に一人で居ようと、なんら問題は無いのだ。
火神自身、今は何も口に入れたくなく、ただ蘇る悪夢に吐き気を催す。
暗いから案外他人には分かりづらいだろうが、火神の足元には白いものがこびりついてぐちゃぐちゃになっている制服が乱雑に置いてある。よく見てみれば、火神が今履いているズボンも、所々変に湿ったり、やはり白いものがこびりついていて、見るも無惨な姿であった。
ここまで見てもらえれば鋭い人ならわかるだろう。火神はこのストバスで、見知らぬ男五人に襲われた。理由など知りもしない、ただ抵抗できずにそのまま無理矢理抱かれたわけだ。
何故抵抗しなかったと言えば、火神の脳裏にはある男が浮かび、苦笑する。
火神はバスケ選手であり、一般市民に手を出せばどうなるかなど言わずと知れたことだった。それでバスケに参加できないなんてなれば様々な人に迷惑がかかり、そして、自分の想いを寄せる人との繋がりが無くなってしまうと思った。だから、大変不本意ではあったが暴力が出来ない状況で五人相手は分が悪く、結局抵抗も出来なかった。
口の中に残る違和感が拭えない。腰もじくじくと痛かった。
「…ぅ、っく、…ん…っ、…」
そして、惨めさと悔しさは増すばかりだった。
嗚咽が漏れて、余計惨めな気分になる。ぎゅう、と膝を抱えて、見たくもない何かが下半身から漏れてズボンを濡らす。今はただ静かに、一人で、誰にも見られることなく眠ってしまいたい。
と、目を閉じたときだった。
神はどこまでも理不尽なもので、今最も会いたくない男がコートに足を踏み入れたのだ。
誰かが近寄って来ている。ただ直感で、青峰なのだろう、と火神は自嘲的な笑みを浮かべた。
実際今、目を見開いて眉を寄せている男は、火神の想い人、青峰大輝だった。
側で立ち止まっている癖に、予想していた軽蔑や罵倒、もしくは茶化しがない無言の時間に火神は耐え切れず、まだ違和感の残る口から、搾り出すように声を出した。
「俺に、何か用があんのかよ」
枯れた声は自分でも驚くくらい覇気がなく、鼻から抜けるように自嘲の笑い声をあげた。
酷い有様だ。別に初めてではないのに、恋とはこんなにも人を変えるのだな。
もう、疲れてしまった。何もないなら帰ってくれ。そしてそのまま、眠らせてほしい。
そう意思表示をするように手を動かせば、青峰は漸く、低く、ドスの効いた声を出した。
「合意かよ、それ」
言われて、火神はとんでない、と声を張り上げた。
「そんなわけねぇだろ!!俺はお前が、…っ、…お、前が…」
お前が好きなのに。
そう言ってしまいそうになって、火神は顔を青くした。
何を言っているのだ自分は。そんなもの、言わなくてもいいだろう。バスケの相手をして笑ってくれればそれで良いと決めたのは自分じゃないか。どうして、どうしてそれを、今、
「お前が…好きなのに…同意なわけ、ないだろ……」
今、ここで、言ってしまうのだ。
言うことを聞いてくれない己の口に火神は絶望し、そして、情けなくももうこれ以上片想いを続けないで済むのだと、少しだけ楽になった。
相手に迷惑がかかるとか、そんなのはどうでもいい。自己中だとか、そんなのも、もういい。
火神の頭は完全に仕事をするのに疲れてしまっていて、言うならば、ヤケになっていた。
「今この場で、振ってくれよ。遠慮なく、好きなように」
「………明日も、明後日も」
火神がもう疲れてしまって、力無く言っていると、それを遮るように青峰は声を出した。
「俺が好きだって、同じ事言えんのかよ」
それが、どういった意味で言ったのかはわからなかったけれど、火神はこくりと頷いた。
言える、と返せば、青峰は少しだけ眉間のしわを薄めて火神の腕を肩に担いだ。
何を、と言おうとして、火神は口を閉じる。すぐ真横に、青峰の顔があったためだ。
下ろせだとかどういうつもりだとか言えば、東漸のように家まで連れていくという。本当に、どういうつもりなのだろう。
火神は、初めこそただでさえ疲れた頭でぐるぐるとものを考えていたが、途中から完全に青峰に体重を預ける形になり、やがて眠りに落ちた。
火神は現在夢うつつだった。
青峰が、同じ布団に入って、愛を囁いてくれている。夢に違いないと確信して、火神も笑って愛を返す。青峰は、まるで子供をあやすように優しく頭を撫でてくれて、火神は幸せに笑んだ。
「火神」
そう呼んで、ずっと好きだったと言ってくれる。こんな幸せな夢が、あっていいものか。
火神はうん、と頷いて、ぎゅう、と身を寄せた。名も知らぬ男達に汚されてしまったけれど、明日の朝、どうせ夢は覚めて、真っ先に風呂に入るのだ。
ぽんぽんと背を優しく撫でられて、火神も呟く。
「青峰、俺も好き」
大好き。
とろとろと重くなる瞼に、柔らかい唇が落ちてきて、むずがゆさに少しだけ喉を震わせる。
火神は、幸せだった。夢の中だから当然であると思っているが、そうじゃない。
それが全て現実だと、火神が朝起きて青峰に聞かされるた時、火神はどんな顔をしたのだろう。
ただ、青峰も火神も、どちらにしても幸せであったことだけは確かだった。
これは後日談になるのだが、襲ってきた男五人についてなど二人でちゃんと一日学校を休んでまで話して、結果、その倍俺がどろどろに甘やかして幸せにして、二度と離さなきゃいいんじゃね?という青峰の言葉で、そこに小さな幸せが生まれた。
が、青峰は勿論許す気は到底なく、今後火神に手を出そうものなら容赦なくシメる事を心に誓っているのだが、火神が知ることは無かった。
end
しあわせってなんですか(震)
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