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結婚出来なくても一緒にいられるなら
日時: 2018/05/10 00:48
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


親が離婚して父方に着いていくことになり、半年経って再婚した

再婚相手には俺と同い年の子が居た

Re: 結婚出来なくても一緒にいられるなら ( No.2 )
日時: 2018/05/10 01:17
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


俺の事を心から見てくれる人が居ないという喪失感に傷ついた俺は自分を守る為に本や教科書、勉強道具を持って歩くようになった

小学五年生になって2ヶ月、両親が離婚して半年、父は言いづらそうに、でも少し嬉しそうに俺に言った

「真、父さん再婚しようと思ってるんだ」

俺は捨てられるのか、と思い俯いた

「真に新しい家族ができるんだ」

「え?」

「もう手続きは済ませてるから、明日引っ越しするぞ!」

椅子から立った父の目は輝いてて顔色は頗る良かった
以前まで居た父とは別人のようだった

Re: 結婚出来なくても一緒にいられるなら ( No.3 )
日時: 2018/05/10 01:33
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


翌日、必要な荷物を先に配達してもらい、相手の家まで車で父と向かった

父は鼻歌を歌って隣で本を読んでる俺に爛々と話した

相手の女性が美人で、その女性には俺と同い年の男の子が一人居て、その子も気前が良い
父が騙されているようで少し不安だった

着いた家から出迎えるように紅い髪をした長髪で白いワンピースを着た女性が出て来た
父とその人は駆け寄り会いたかった寂しかったと語る
俺を思い出した父の手招きにより車から降りて本を片手に女性を見上げた

「今日からあなたの母になる椿です、よろしくね」

「真です、よろしくお願いします」

頭を下げれば行儀の良いお子さんで自分が母親として務まるか不安だと父に話し、また二人の空間が生み出された

呆れて目を逸らせば二階建ての家の階段から大きな足音と共に駆け下りてくる少年がいた

Re: 結婚出来なくても一緒にいられるなら ( No.4 )
日時: 2018/05/10 01:51
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


「かあさん、母さん!ウチに来た子!見たい!」

笑顔で跳ねるように降りてきた真っ赤な短髪の男の子は言うなり俺を見て固まり俺を不思議なものを見るような目で見て、見るからにテンションの下がった声で「え?」とだけ言った

なんなんだと俺も眉を寄せれば、女性は慌てて少年を手招きして俺の事を紹介した

「ごめんなさい、ウチの子が・・・この子、真くんと同い年のツバサ仲良くしてあげてね。この子は真くん、翼も兄弟になるんだから挨拶して!」

「えェー?女の子じゃないのォ?マコトって名前だから女の子かと思ってたー」

「こら翼!」

眉を寄せて唇を尖らせた翼は俺の一番嫌いな事を出会ってすぐに言った
コイツとは一緒に暮らせないと思った
椿さんは翼を叱るとごめんねと俺に謝ったが俺は口を紡いだ

「んー、まあよろしく」

後頭部に両手をやった翼は片手を俺の前に出して不満げではあるが仕方なく、という感じで俺にこれからよろしくと握手を求めてきた
腹が立った俺はその手を叩き払った

翼は一瞬目を見開き、眉を寄せ「あン?」と言ったがそれ以上は絡んでこなかった

Re: 結婚出来なくても一緒にいられるなら ( No.5 )
日時: 2018/05/10 02:05
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


俺の部屋は2階で、翼の部屋は向かいの部屋、1階はトイレはお風呂リビングダイニングに両親の寝室だった

翼は思ったことを正直に言う性格だった

翼の向かいの部屋が何で俺なんだと父に不満を告げれば翼が横から割って入る

「ま、しょーがねェじゃん?俺の部屋の前しか空いてねンだから」

「キミには聞いてない」

「なに、俺のこと嫌い?」

「嫌いだよ!」

「あら、初日に嫌われちゃった」

関わらないでほしいのに口調も腹が立つ、ハッキリ嫌いと言っても、どこ吹く風な翼に俺は頬を膨らませる

両親は初めこそ不安げに見て苦笑いを繰り返していたが、次第に俺らのやりとりに喧嘩するほど仲がいいと勝手に解決させた

俺の翼への嫌いアピールは翼の軽いフットワークに躱されてばかり
日本語が通じないのかと頭を抱える時もあった

Re: 結婚出来なくても一緒にいられるなら ( No.6 )
日時: 2018/05/10 02:56
名前: name (ID: /GGdL2Ap)


翼は俺の事を「真ちゃん」とバカにした呼び方で呼び、学校ではどこから出る会話なのか尽きない単語を操るように口は黙ることを知らなかった
同じクラスでもムードメーカーといったポジションで常に周りには数名人が居る

俺は俺の顔に惹かれた女子とそれに嫉妬する男の子、場所や環境が変わっても状況は変わらなかった

ある日の放課後、男子トイレでいじめられた
突き飛ばされ壁に背中をつければお腹を蹴られてバケツに入った水をかけられる
俺の姿を見てゲラゲラ笑う3人の男子、早く終われと心で叫ぶ

「なんだよ反撃しねーの?」

前髪を掴まれ上を向かされる
(痛い、やめろよ)
心の声は届かない

「お前の顔ムカつくんだよ、ちょっと女子にモテるからって調子にのんじゃねぇーぞ?」
「コイツの前髪切るか?坊主にするか!?」
「いいな!顔もボコボコにするか?!」
「サンセーイ!」

フゥー!という歓声と共に目前の男子が拳を高く振り上げる
殴られた時の痛みに耐えるために歯を食いしばり目をつぶった

「なにしてんの」

トイレに響いた聞き覚えのある中性的な声、いつまでも殴られた衝撃がこないことに、そっと目を開ければ3人の男子生徒目線の先に翼がいた

(翼・・・なんで?)
「何だよ翼、お前も入んの?」
「イイぜ!入れよ!」

(最悪だ、こんな奴にこんなとこ見られた。父さんに言われそうだ・・・隠してたのに)

「なにしてんのかって聞いてんだけど?」

翼が歩み寄ってくる水で濡れたタイルを踏む翼の足音が響く

「は?なにキレてんだよ」
「最近コイツ調子にのってるから」
「ちょっと遊んでやってんだよ」

「遊び?」

俺のすぐ近くに来た翼は足を止めて、俺の襟首を掴む男子を見てる

「そうだよ遊び!翼も入れよ」
(駄目だ、やめてくれ、痛い)
「楽しいぜ!ほら!翼も殴ってみろよ」
(嫌だ)

「いいのかよ?」

俺を見る翼に軽く首を振る
(嫌に決まってるだろ!)

「いいってさ!」
「ほら!翼、殴ってみろよ!」

「んじゃ、一発」

(翼のバカ!)
目を強く瞑って俯く、翼が腕を上げる僅かな風が吹く、ゴッと鈍い音がした
俺に痛みはない
代わりに耳から驚いた声と痛みによって出た声が聞こえて目をゆっくり開ける

俺の襟首を掴んでいた男子生徒が仰向けで倒れ、その腹辺りに翼が跨り、他の2人の男子生徒は一歩離れてその周りで見て野次を飛ばす

「何してんだよ翼!」
「なにって、殴っていいっつったっしょ?」
「俺はコイツのことを殴れって言ったわけじゃ」
「なァにマジになっちゃってンの?」

慌てふためく周りの男子生徒と翼に怯える倒れた男子生徒に翼はフッと笑みを浮かべる

「はっ?なに笑ってんだよ翼」

男子生徒は笑う翼を有り得ないものを見る目で見る
怯えている、彼らに目を合わせ翼は倒れた男子生徒を見て低い声で言った

「テメェらの言った“あそび”だろ?楽しそーじゃん、俺もハマりそっ」

どう?もう一発、試してみる?と愉快そうに翼が述べた言葉に背筋が凍る
3人は慌ててトイレを駆け足で出て行った


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