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運命とはイタズラなのか
日時: 2018/05/17 17:58
名前: name (ID: YhMlOecY)


木下光良キノシタミツヨシ32歳。
恵まれた容姿、金に不自由なく一般職にも就けた、見合いをして小奇麗な妻も居る。

そんな俺は一等美しいと思える青年に巡り会った。

めぐみ26歳。旧姓永野ナガノ
光良の妻。お見合いをして一目惚れ。
結婚後、光良のルーズな所が垣間見得る度に怒りが抑えられなくなる。光良のことは本気で好きで誰にも渡したくはないし取られたくない一心で光良に制限をかけ縛り「貴方が頼れるのは私だけだ」と理解してほしい。

新見健人ニイミケント26歳。
顔だけは綺麗だが両親が離婚して母親と暮らしていたがオレにキャバクラで溜めた借金を残して他界、父親の居場所は知らない。
フリーターでバイトを転々としながら裏社会の情報屋やら取締をやったりしているが本職の人に頼まれてやるだけ、殺し等はしない。
持病持ちで自分の自由が無くなるのが嫌で相手を作らない。

Re: 運命とはイタズラなのか ( No.1 )
日時: 2018/05/17 18:23
名前: name (ID: YhMlOecY)


外見がいくら良くても問題は内側にあるものだと俺は思う。仕事が終わって携帯を開けば「何時に帰ってくる?」だの「ご飯は家で食べて」「節約しましょう」だの俺をまたあの家という名の檻に入れるつもりらしい。

メールを無視して携帯を鞄に入れ、キラキラ光る街中に賑わう楽しそうな人の声、混ざりたい思いで居酒屋をハシゴした。

千鳥足で歩んでいればなにかに肩がぶつかる。

「おいオッサン!どこ見て歩いてんだアン゛?」

肩を引かれて振り返らされれば襟首を掴まれる。
肩がぶつかったのは物ではなく人だったのかと思い、謝りながら財布を目前にいた4人組に放り投げた。

「すまないすまない、詫びだ受け取れ」

そのうち1人が財布の中身の札束を見て歓声をあげる、眠そうに目を瞑れば4人は軽く目配せした後「今回は見逃してやるよ」と言って襟首を離してくれた。

覚束無い足取りのせいでビルとの間の路地裏に入ってしまい、ゴミ山に倒れた。

意外と心地よかった、臭いは耐えればいい。此処で一晩過ごすかと目を瞑った。

Re: 運命とはイタズラなのか ( No.2 )
日時: 2018/05/18 09:40
名前: name (ID: YhMlOecY)


「オッサン」

酔いが回った頭でも耳を通る声に意識が浮上してくる、重たい瞳を薄く開ければ前髪は特に短い短髪で金色の髪が緩やかに揺れつつ白い肌に細身な体型、サングラスをかけている。白いパーカーに薄いジーパン。

「これオッサンの鞄だろ」

彼は屈んで俺と目線を合わせながら左手に俺の鞄を持って確認してくる。
彼が屈んでくれた事で近くにある顔をまじまじと見つめる。整った顔立ちにキレイだと思った。サングラスの奥から覗く紫色の瞳が俺を写してる。
黙っている俺に彼は俺の鞄を差し出した。

もっと近くで見たい

「っお!・・・」

差し出された腕を引き寄せれば彼は軽く、簡単に姿勢を崩した。顔がぶつかってしまうギリギリのところで彼が引かれていない方の手を俺の頭上の壁に付けたことで防がれた。
隙をついたようなもののさほど驚いた様子が見受けられない。
より近くに来た顔を見つめる。睫毛が長い荒れの無い肌、潤んだ薄い唇。

殆ど衝動的に顔を近づけ彼の唇を俺の唇で塞いで奪った。

Re: 運命とはイタズラなのか ( No.3 )
日時: 2018/05/18 09:49
名前: name (ID: YhMlOecY)


「んむっ」

彼は硬直している。その間に彼の唇を舐め、空いてる手を彼の腰へ回してより近くへ寄せれば、俺の顔面を彼の掌が覆った。

「痛い・・・!いただだだだッ!」

コメカミを親指と小指で押される。頭がかち割れそうな程に痛みが走り、両手で頭にある彼の腕を話そうとすれば俺から解放された彼は頭から手を放し立ち上がった。

「大人しくおうちに帰んなオッサン」

まだ痛む頭を両手で抑えながら彼を涙目で見れば、パーカーのポケットに両手を入れた彼は俺の方を向いてそれだけ言うと背を向けて去っていった。最後はサングラスで顔の表情を読み取ることは出来なかったが、彼の果物のような甘い香りと石鹸のような香りを近くで嗅いだことで酔いは覚めてしまっていた。

暫く人の行き交う街を路地裏から眺めて重たい体を起こせば帰路に着いた。


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