BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- どっちが主導権にぎってるのか
- 日時: 2018/06/24 20:46
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
少し人外っぽい感じのBL小説です。
オリジナルとなっています。
無邪気で犬っけ強めなアホ×研究好きな能力持ち神の子
(デレデレ×クーデレのような感じです)
神の子は人間と神のハーフで短命。
年齢層17、18ぐらいです。
- Re: どっちが主導権にぎってるのか ( No.1 )
- 日時: 2018/06/24 21:05
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
「ジンって美人だよなー」
俺はジンの家に来てる。ジンは一人暮らしだから部屋みたいな感じだけど地下に部屋があって外が暑くてもジンの部屋は涼しい。
今日も涼しみつつ何かの液体を別の容器に入った液体に混ぜて実験を繰り返してるジンにふと思ったことを告げる。
するとチラリと赤い目が俺を見る。
(キレイな目)
「なんだ突然」
それも一瞬。すぐに机に置かれた紙に何かをペンで書く。白銀の髪が柔らかそうにサラサラと揺れる。視線が合うと赤い目には吸い込まれそうなほど魅了される。
(もう一回みたい)
「好き」
もう何度言ったかわからない大事な愛情を伝える。机に頬杖をついてる俺はジンの美しさに顔が蕩けるんだけど、もっと好きなのはジンの中身。
「・・・物好きだな」
何に好きと言われてるのか分かってない鈍いところ。きっと今のは“ジンって美人”と言った所が好きなのかと解釈したんだろうな。そういう所が癖になる。また、俺の気持ちを否定しないところ。
普通の人間の思考とは違うところがジンにはあるのかもしれないけど、ジンは純粋で純白で、それでいて強くて優しい。愛情をくれる。
恋愛がわからないなら俺が教えるまでだ。
さて、そろそろアイスでも買ってくるかな。
- Re: どっちが主導権にぎってるのか ( No.2 )
- 日時: 2018/06/25 17:23
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
「キリト」
「ん? ブアッ」
買ってきた棒アイスを食べながら見ていた雑誌から顔を上げる。俺が見ているのとは別の雑誌が目の前に突き出される。
「これはなんだ?」
「うんー?ああ、グラビアアイドルの写真集?友達に貰ったんだよ」
首を引いてジンから雑誌を受け取ってみれば、先日高校の友達が「お前も少しは女に興味持て!」と無理やりくれたものだ。
(別に女に興味が無い訳では無いんだが・・・女よりジンが好きなだけだしな・・・)
と思ってジンの部屋に来た際に置き忘れてしまったものだ。
言葉とは反対に表情は意外と豊かなジンは眉を寄せて不機嫌そうにソレを俺に“なんだ”と聞いてきたことに少し期待する。
(なになに?!ヤキモチ?ジンくん初のヤキモチ!?)
勿論その期待には応えてくれなかった。
俺が返した言葉にジンは表情を少しずつ和らげ、意外と酷いことを俺に言う。
「キリト、お前に友達が居たんだな」
気になる所そこじゃないでしょー!と思いながらも、それがジンで、そこがいいとも思ってしまうから末期だ。
俺の気持ちも知らずにムッと俺が頬を膨らませていれば、ジンは気にせず俺に友達が居たことに「嬉しい」と頬を緩めた。
「ーーッぐ!」
俺はジンには敵わない。
- Re: どっちが主導権にぎってるのか ( No.3 )
- 日時: 2018/06/27 10:14
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
「ところで“友達”とは同じ志を持った同等の関係を築いているもの、であっているか?」
ジンの見た目は18から20くらいだが、人間のことについての知識は足りてない。特に感情については興味はあるらしいが人間が苦手だと言って関わろうとはしない。
だが、好奇心は強くて今も目をキラキラと光らせ明るい顔で純粋に俺に聞いてくる。俺はバカだからジンのこと以外見えてない。頭を捻る。
「うーん、難しいことは分かんねぇけど“知り合って、ちょっとお互いを知れば”それはもう友達なんじゃねぇかな」
「・・・なるほど」
俺の言葉を真剣に聞き入れ相槌を打つ。質問してくる時は俺の目をまじまじと見てくるから俺の心臓は持たないぐらいドキドキと鼓動を速めているのに、それを俺は出来るだけ隠してる。
まだ・・・ーーージンが俺を好きだと言ってくれるまでは我慢するつもりでいる。
- Re: どっちが主導権にぎってるのか ( No.4 )
- 日時: 2018/06/27 10:51
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
ジンはあまり人間と関わらない。本当は関わりたいんだろう、純粋に人間に興味があって自分とは違う生き物と見ているからー・・・
勿論、人間はジンのように特殊な能力を兼ね揃えて使いこなしているわけじゃない。暑くなったら体温を一定に保つ為に身体から冷気を出して空気を冷やすことはしないし、怪我をしたら一瞬で怪我を修復させることも出来ない、自由に風の動きを変えることも、掌から火を出すことも浮く事も片手で触れもせずに地面を動かすことも、出来やしない。
ジンは当たり前のように生まれつきソレが出来る。出来ないものに興味が湧くのは好奇心の何ものでもないだろう。
だが、ジンにも出来ないことはある。それはジンが神様という存在と人間のハーフだからと本人は言っている。ジンは自分がどのようにして産まれたのかを知らないらしい。育ててくれたのが母親なのか父親なのか、とにかくその一人が自分が三歳になるまで育ててくれて色んなこと教えてくれたらしい。日に日にその人は元気がなくなっていたが床に伏せることはなかった。
何故かその人が人間には脅威であり絶好の獲物だったらしく、ある日から毎日のように人間はその人に声を掛け、鋭利な物の矛先を向けてきたらしい。その人は人間を殺さなかった。
最期にその人は“能力の使い道を誤るな”“空の上から見守ってるぞ、ジン”と遺して目の前から消えたらしい。光のように一瞬で消えたんだと言う。その時、落ちていた鈴をジンは今でも形見として首から下げている。
ジンは人間のように歳をとるから不死身ではないし、人間の考えていることを知るテレパス能力も持ち合わせていないし、自分の姿形を変形させることも出来ないらしく、その美貌は受け継いだんだろうと思う。
俺はジンが根本的には人間と変わらないと思うと関わってもいいとは思うが、親のような人を傷つけられ失った過去はトラウマとなっているらしい。人間に対しては内向型だ。
俺はジンと10歳の時に知り合ったけど、出会えたことに感謝してる。ジンの引き出しは多くて俺の癖になった。今じゃあジンから抜け出せないぐらいジンが好きで好きでたまらない。
それが独り占め出来ている俺はもっと幸せなのかもしれないと思うと顔がニヤけてしまう。
「ああ、ところで親友というのは」
ジンの思い出したようなセリフで現実を忘れていた。愛しのジンとの過去話はここまでだ!これからはこの先を見ていかなくてはな!
- Re: どっちが主導権にぎってるのか ( No.5 )
- 日時: 2018/06/27 11:22
- 名前: なつ。 (ID: 0JVwtz5e)
「親友と友達とでは何がどう違うんだ?」
「んー・・・友達より親しいのが親友だと思うぜ」
いつの間にか白衣を着て専用の眼鏡を掛けてお得意の研究をしていたジンは手を止める。
「・・・親しい・・か・・・・」
ジンにはいろんなことを知ってもらいたい。過去に縛られてほしくない。人間は誰もが危害を加えるような者達ばかりでないと伝えたい。だから俺は提案した。
「じゃあ今度俺の友達に会ってみないか?俺の親友はジンだから」
「俺がキリトの親友なのか?」
「ああ!そうだぜ!だからもしジンに何かあったら俺がジンを助けてやるから!・・・会ってみないか?」
自分で提案しておいて少し返事が怖くて不安になる。探りを入れるように聞いてみれば、その小さな顎に手をついて考える素振りをした後、口は弧を描いた。
「ああ、そうだな。会ってみるか」
俺も自然と嬉しくて身を乗り出すついでに声まで大きくなった。その反応にクスクスと笑ったジンの目が眼鏡で見られなかったのは凄く残念だったが、ジンの成長に想像以上の嬉しさを感じた。
「ホントか!?ホントに会ってくれるのか!?」
「ああ、それより訂正してほしいんだが」
「え、なに?」
「オレはお前に守ってもらうほど弱くないぞ、キリト」
俺を試すように悪い笑みを浮かべてからかってくる、その眼鏡の奥の瞳も輝かせていることだろう。護られているだけの姫君になるつもりは無いという強気な態度はゾクゾクする。俺の中心は熱くなるばかりだ。
自分の中に秘めた野獣の枷がいつ外れるか、少し不安になりつつ熱い吐息を吐いた。
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