BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 嫌よ嫌よもなんとやら
- 日時: 2018/07/01 23:27
- 名前: めじろう (ID: 8ZwPSH9J)
オリジナルBL小説です。
岡沢和磨×寺島侑斗
独占欲強めのヤンデレ×鈍感ノンケ
年下(25歳)×年上(26歳)
まだまだ設定は未完成ですが読んでもらえると嬉しいです。
- Re: 嫌よ嫌よもなんとやら ( No.1 )
- 日時: 2018/07/02 00:14
- 名前: めじろう (ID: 8ZwPSH9J)
寺島侑斗side
休日はゆっくり休むための日。昨夜は仕事が片付かず2時ごろまでかかってしまった。翌日が休日だからとつい夢中になってしまった。
友人が商品の広告・宣伝の為に撮った動画を編集する仕事をしているが元々パソコンでの作業は好きで了承したが、始めた頃からすれば睡眠時間をズラしてまでするとは思いもしなかっただろう。
ピンポーン・・・ピンポーンー・・・
ベッドに身体を鎮めて休ませていると静かな寝室まで呼び出しを告げる玄関のインターホンが鳴った。一度は枕から顔を上げるが、あまりの眠気にもう一度顔を沈めて瞳を閉じると呼び出し音はソレを見たかのように家主を急かした。
ピンポピンポピポピィーンポーンー・・・
「なんなんだ・・・!」
このままでは近隣にも迷惑になってしまうため痺れを切らし、ベッドから体を起こす。未だ鳴り続けるインターホンを止めに玄関へ足早に向かう。鍵を開けて扉を勢いよく開ける。
「やあ!おはよう、寺島クン。寝てた?」
「・・・何の用だ」
玄関先に立っていたのは学生時代から何かと俺に嫌がらせをしてくる後輩、岡沢和磨だ。今も俺が寝ていたであろう事は知ってて口角をあげながら聞いてくる。睡眠を妨害されたことに関しての怒りは抑えつつ、要件だけ聞く。
「んな他人行儀なんなよー、寺島クンと唯一仲良い可愛い可愛い後輩でしょ?」
「なっ!誰がだ!」
俺の不機嫌さも軽く流して岡沢を入れないように開けた扉のドアノブを持っていたが、俺より大きく成長してしまった岡沢は俺の胸を片手で押し退け部屋に入ってくる。
「おい!勝手に人の部屋に入るな!」
「朝から大声出すと近隣に迷惑デスヨー、寺島クン」
先程の呼出音は気にしないのか!と怒鳴り散らしたかったが今は午前四時。自分を落ち着かせるために一息ついて、玄関の扉を閉める。
- Re: 嫌よ嫌よもなんとやら ( No.2 )
- 日時: 2018/07/04 13:08
- 名前: めじろう (ID: 8ZwPSH9J)
岡沢和磨side
リビングに入ればニコチンの臭いに不快感を覚え、足を止める。後ろをついてきていた寺島は岡沢の背中にぶつかる。
俺が足を止めたことに「どうした」と聞いてくる。俺は気になる事は全て聞く主義だ。
「寺島クン、タバコなんて吸ってたっけ?」
作った笑顔で顔だけ振り返ってみれば寺島は軽く首を傾げて思い出したように「ああ」と相槌を打つ。
「昨夜、友人が来ていてな。リビングには火災報知器が無いから許可したんだ」
「へぇー、寺島クンは吸うの?」
「俺は吸わないな、アレは中毒性があると聞いたし肺が黒くなるのも健康体には戻らないと聞いたからな」
寺島が煙草を吸わないと分かって少し安堵するが、煙草を吸う友人がいるならそれは安心していられない。話を聞きながらキッチンへ進む。寺島はテレビの前のソファに腰掛ける。
「ふーん」と相槌を打ちながら冷蔵庫を開ける。人の増してや先輩の部屋の冷蔵庫だとしても岡沢にそんなことは関係ない。食生活はしっかりしているか管理できるのは冷蔵庫である。
岡沢はまた不快なものを見つけてしまう。今は寺島が見ていないから眉間にシワを寄せて少し不機嫌気味に言う。
「ビール缶、入ってんだけど?」
「それも友人が息抜きにって買ってきたんだ、生憎俺はあまり酒は飲まないと言ったら気を使って置いて行ったみたいだな」
気を使ったんじゃなくてまた来るって証拠だろ、と岡沢は思う。冷蔵庫を閉めてリビングのソファに腰掛けてる寺島に歩み寄る。背もたれに背を預け肘掛に腕を置き軽く頭を下に向けている。静かになって眠っているようだった。
- Re: 嫌よ嫌よもなんとやら ( No.3 )
- 日時: 2018/07/13 06:07
- 名前: めじろう (ID: 8ZwPSH9J)
寺島侑斗side
ーーーソイツ、今日も来んの?
ハッとする。
なんと言っても岡沢が来たのは午前四時、睡眠時間二時間では寝不足になってしまう。居心地の良いソファに腰掛けて岡沢との会話に沈黙が流れれば眠っていたようだ。
(しまった、少し話を聞きそびれたかもしれない)
岡沢の質問に答えるために、それより前の会話を頭の中で繰り返す。
「ああ、今夜友人も誘って来ると言っていたな」
正しい答えなのか分からない。なにしろ寝ていたのだからな。確か酒を持ってきた友人の話だったはずだ。
岡沢は「あっそ」と質問しておいて問いには心底興味の無い反応だ。なんだ違ったのか、と俺もさほど気にしないことにした。続けて岡沢の言葉に驚いた。
「俺今日泊まるわ」
「ああ・・・ッなにぃ!?」
一度聞き流してしまったがもう一度聞くために岡沢の方へ振り向けば寝室へ続く扉を開けて俺を振り返り、してやったりの表情で顎を上げ笑う。
「ククッ、なにビビってんだよ」
「怯えているんじゃない、驚いているんだ!なぜ急に!」
「あ?・・・アンタも眠そうだし俺も眠いし、いっかなーって」
俺が問い詰めれば、言いづらそうに言い訳の様なバツの悪い顔でそっぽ向いて言葉を紡ぐ。
寝起きに頭の回転などよく回らず、疑問符だらけで冷静になどなれない俺はいつの間にかソファから立ち上がって怒鳴るように質問していた。
「それで了承すると思っているのか、眠いなら自宅に帰れ」
「ハァ?眠いと思ったんだから丁度ベッドのあるここが近いし良いだろ」
「なにが良いんだ!そもそも誰のせいで俺が眠たそうにしてると思ってるんだ」
「だから、いっしょに寝てやるって言ってんだろ」
「話が噛み合っていないぞ!第一、俺のベッドは重量オーバーだ」
「寺島クン家ダブルじゃん」
余裕だろ、と言いながら勝手に寝室に入って行く岡沢を追う。薄暗かった為に点けたリビングダイニングの電気を消して寝室へ入れば既にベッドに転がっている岡沢が目に付いた。
布団を被って完全に寝る体勢で額に青筋が立ったのがわかった。
- Re: 嫌よ嫌よもなんとやら ( No.4 )
- 日時: 2018/07/16 16:07
- 名前: めじろう (ID: 8ZwPSH9J)
岡沢和磨side
岡沢にとって寺島が眠いということは二の次。寺島の言う友人がどんな人物なのか見極めることが重要なのだ。その友人が寺島にどんな感情を抱いているのか気になるし、寺島がソイツのことを考える事を想像するとイライラしてくる。
寺島のベッドに潜り込んでいれば俺の後を追って寝室に入って来た寺島は、きっと苛立ち俺をベッドから追い出すだろうと予想する。
岡沢は寺島に絡む事で彼の性格や彼のパーソナルスペースを理解しているつもりだ。寺島は寝室に入られることも嫌いだがベッドを占領されるのは、もっと嫌いなのだ。
寝室へ入って来た寺島は予想通り怒ったようで、俺をベッドから追い出そうと近付いてくる。
「岡沢、そんなに眠たいなら悪いがソファに寝てくれ、なっ・・・」
布団に手をかけようと伸ばした腕を見切っていたかのような動きで掴んだ岡沢は、寺島が話している途中なのを気にせず腕を引いた。
「っ・・・なにする」
身軽な寺島は簡単に体制を崩し岡沢に引かれるがままにベッドへ落ちた。高反発の良いベッドに寺島はバウンドするが衝撃が治まって瞼を上げた寺島は眉を寄せて睨みをきかせる。
ベッドへ仰向けに倒れた寺島の上に岡沢が陣取る体制となり、寺島の両手首をベッドに押さえつけ寺島の腰辺りに跨る。
身動きの取れない寺島が自分の下から睨みをきかせたとて、ちょっと反抗的な上目遣いにしか見えないのだ。
自分が優位になったようで岡沢は頬を緩ませる。
「いいだろ?ほら、そんなに狭くねぇし、な?」
狭い、と即答する寺島の耳元に顔を寄せ「一緒に寝ようぜ?ゆ、う、とクン?」とわざと嫌味ったらしく名前を呼んで耳打ちすれば、耳が弱いのか俺から耳を離すように顔を逸らして暫し考え答えを出す。
「・・・寝相が悪ければ追い出すからな」
寺島も心地良いベッドの上では判断が鈍るようで襲ってきた眠気に怒りが静まり軽く溜息を吐いた。
岡沢は自分のことを考え自分のことで頭をいっぱいにしてくれた寺島に気分は上々。そのまま寺島の肩に顔を埋め脚を伸ばして隣に横になりベッドと寺島の腰の間に手を滑り込ませ寺島の体を自分の体と密着させるように抱き寄せる。
眠気と戦いつつ最後の力を振り絞って岡沢の肩を押す寺島だが離れない岡沢に、寺島は腰を仰け反らせながら時が止まったかのように硬直して眠ってしまった。
眠った寺島に岡沢はより密着して、すりすりと頬擦りして露になる白い首筋に舌を伝わせ咥える、軽く吸い付き音を立てて放せばチクッとした痛みに小さく寺島は声を漏らすが、白い首筋に残った赤い痕は自分のものとしての証拠であるように感じ岡沢を満足させた。
広いベットの中央に身を寄せ合った形で岡沢を眠りへ落ちた。
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