BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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好きなんて簡単に言えない[BL]
日時: 2018/07/31 02:52
名前: キリ (ID: Cqmw6ffg)


 小学校三年生だった夏目善次郎(なつめぜんじろう)は転入してきたばかりの一つ上の新堂秋(しんどうあき)と幼馴染で同い年の山下薫(やましたかおる)の三人でよく遊んでいた。
 アナログな鬼ごっこやかくれんぼ、新しくなった小型機を使ったゲームなど、登下校もなるべく一緒、放課後から休日まで三人はずっと一緒に遊んでいた。

 中学は新堂が少し親の事情もあり遠い学校へ通うことになったと夏目と山下に話すと二人は新堂から離れたくないと話し合い遠くとも同じ中学に通うことを決めた。

 夏目は幼少期こそ目が大きく可愛い童顔な子供だと言われていたが中学に入って成長期に差し掛かればみるみると背を伸ばし顔立ちはキリッと男前になった。新堂は成長していくにつれ細身の身体に肉がつくことはさほどなかったが美しい顔立ちは一層輝きを持ち始め黙っていれば人形のようだと言われるようになった。山下は幼いころから顔立ちもよく成長してもあまり変わることはなく、無口な性格と鋭い目つきは周囲を引き離していた。

 夏目と山下は新堂を兄のような憧れの人のような感覚で好きでとても懐ていた。新堂も二人を弟のように可愛がった。特に夏目は新堂を気にかけていた。

 夏目と山下が中学二年にあがるころ、夏目は同じクラスの女子生徒に告白をされたーー…

ーーーーーーー
オリジナルBL小説です。あらすじは上記からご確認ください。
夏目善次郎×新堂秋の話です。山下薫は夏目と新堂の保護者のようなアドバイザーのような相談者のような立ち位置です。

Re: 好きなんて簡単に言えない[BL] ( No.1 )
日時: 2018/07/31 04:12
名前: キリ (ID: Cqmw6ffg)

ー夏目善次郎視点ー

「好き……善次郎君が」

(困るなあ、なんて断れば諦めてくれるかな)

 ぼんやりそんなことを思いながら目の前の彼女を見つめる。緊張で頬を赤く染めて俯いて胸の当たりて両手を握りしめてる。肌も白くてスタイルのいい子。話したことは一度もなかった気がするけど、僕が薫と秋さんと会話してるの聞いたのかな。

「も、もし…よかったら、わたしとっ…つ、つきあっ」

「ごめんね」

「…ふえ?」

「好意は受け取るけど、お付き合いはできないから、ごめんね」

 できるだけ柔らかい口調で言ったつもりだったけど、告白を断られるのはやっぱり辛いのかな。彼女は僕に聞こえるように泣いた。

(意外と図々しい子だな、そろそろ戻っても平気そうかな)

 目の前の女子生徒に呼び出された時のことを思い出す。
 お昼ご飯を一緒に、いつもの中庭にある大きな桜の木の下で食べるから薫と向かってる最中に呼び止められた。薫は察して先に行って秋さんと待ってると言い残して行ったからその場はお礼を言ったけど秋さんを待たせるのも良くないよね。

 種を返せば、服の裾を軽く引っ張られる感覚に首だけ振り返ると、その子が裾を掴んでいた。

「まって、だれか…ほかに、すきなひとがいるの?」

(うーん、いないって返したら暇つぶしでもいいとか言ってこないかな?)

「…いるよ」

「え…」

「だから、ごめんね」

 彼女の手を自分の服の裾からゆっくり離した。僕の返答が予想外だったのかあっけにとられた顔で力も抜けたのか手はあっさり離れた。今度こそ振り返らず中庭へ少し急ぎ足で向かった。


Re: 好きなんて簡単に言えない[BL] ( No.2 )
日時: 2018/07/31 11:11
名前: キリ (ID: Cqmw6ffg)

ー山下薫視点ー

「次郎は何の呼び出しなんだい」

 桜の木の下の影になっているところに腰掛け自分の弁当を膝に乗せて食べる準備を整えた状態で校舎の方を見つめていた秋が振り返り際に聞いてくる。
 お腹が空いたんだろう。桜の木に背中を預け同じく校舎の方を見て善次郎を待っていた俺は秋の視線にかち合わせると「さあな」と曖昧に返してやった。

 そうすれば秋は弁当を膝から落とさぬように上体を横に曲げて芝生に頭をつける。
(なんて柔軟な奴だ)

「これじゃあ腹が減って餓死してしまいそうだ…」

 軟弱な声とともにドデカい腹の虫の鳴き声がする。それでも秋が善次郎が来るのを待って弁当を食べないでいるから俺も食べないんだが、腹の虫は伝染する。俺のも鳴って聞こえないふりをしたが秋に聞こえないはずがない。
 上体を起こして振り返った秋はニヤリとしたり顔。何か企んでいるときの顔とそっくりだから嫌になる。秋の企みは俺の嫌に思うことばかりだ。

「なあんだ、薫も腹減ってるんじゃないか」

「当然だ」

 フンッと鼻で笑ってやれば前を見た秋が背筋を少しだけ伸ばした。視線の先を見れば善次郎が申し訳なさそうに眉を下げて駆け足で寄ってくるのが見えた。
 桜の木から離れて秋に近づきながらボソッと言えば、秋は顔を綻ばせた。

「……やっと飯が食べられるな」

「まったく、薫は素直じゃないなあ」

「おまたせー!ごめんねぇ」


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