BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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ずっと好きだから【BL】
日時: 2018/08/18 23:30
名前: めじろう (ID: bFB.etV4)


オレ、遠野春樹トオノハルキは隣の家に住む幼馴染みであり二つ上の須藤秋人スドウアキヒトのことを一生好きでいると7歳の頃に誓った。

親が共働きで家にいない事の方が多く、一人で二階部屋に隠り泣いていた時、隣のベランダから身を乗り出して窓を叩くのは決まって秋人だった。

秋人も親が帰ってくるのは遅いから暇つぶしだと春樹の面倒を見てくれた。春樹が寂しいと感じる時にいつも傍に居てくれた。

秋人と居る時、春樹はとても幸せだった。いつの日にか秋人を自分が幸せにしたいと思うほどに・・・。

Re: ずっと好きだから【BL】 ( No.1 )
日時: 2018/08/19 00:04
名前: めじろう (ID: bFB.etV4)

ーーー春樹7歳、秋人9歳ーーー

「秋にいちゃん!これ読んで!」

春樹は秋人に白雪姫の絵本を両手で持って渡す。秋人の隣に腰掛ければ本を受け取った秋人は題名を見る。

「お、なんだ?白雪姫、ハルはこの本が好きなのか?」

「うん!」

「そうか、なら。秋兄さんが読んでやろう!」

「うん!!」

秋人が絵本を読み聞かせ始めると、春樹は秋人の隣で秋人の腕に絡みつきながら目を輝かせた。
そして、白雪姫が王子様のキスで目覚めるシーンで春樹は秋人の開いていた絵本を片手で閉じた。

どうしたのかと秋人が隣にいる春樹の方を見れば両頬を小さな掌で包まれる。

「?どうした?ハル」

「あのね、ここからは王子様のちすシーンなんだよ?」

「ああ、そうだな。この後が良い話だぞ?」

春樹は秋人の話を聞かずに秋人の唇に自分の唇を重ねた。触れるだけのキスをして離れると照れくさくなってはにかみ笑いを浮かべる。

秋人は小学生の遊びは分からなかったが可愛い弟分のはにかみ笑いにやり返したくなり、春樹を擽りながら春樹の頬に触れるだけのキスの雨を降らせた。

Re: ずっと好きだから【BL】 ( No.2 )
日時: 2018/08/19 22:14
名前: めじろう (ID: bFB.etV4)


「ボク、秋にいちゃんが好き!」

「俺も好きだぜ?」

「やったー!」

秋人の言葉に春樹は大喜び。秋人は春樹の頭を優しく撫でて無邪気な子供の反応に、自分もまだ子供だというのに癒されていた。

「じゃあ、けっこん?」

「んー・・・結婚はまだ早いな」

「えー」

ぶすっと咋に期限を悪くする春樹が頬を膨らませると、秋人は薄く微笑み「ハルが大きくなったらな」と囁く。
すると春樹はまた目を輝かせた。

「ホント!?」

「ああ」

「じゃあ、じゃあ、やくそく!約束ねっ!」

春樹は右手の小指を立てて秋人の前に突き出すと、秋人は何の躊躇いもなく自分の右手の小指を春樹のソレに絡ませる。
春樹は指切りげんまんを爛々と歌い終えると指を離して秋人に抱きついた。

「ボク、強くなって秋にいちゃんを守るから!」

「おお?言うようになったなあ、一体何から俺を守るんだ?」

「外敵だよっ・・・むー、なんで笑うの!」

「フフッ、笑ってないさ、よろしくなハル」

「うん!任せてよ!」

春樹の言葉を冗談と受け止めクスクスと笑いながら秋人が受け流せば、幼い春樹はそんなことまで分からず胸を張って拳を胸に当てた。

Re: ずっと好きだから【BL】 ( No.3 )
日時: 2018/08/20 23:48
名前: めじろう (ID: bFB.etV4)

三年後

ーー春樹10歳(小学四年生)、秋人12歳(小学六年生)ーー

「さのきょうすけです・・・」

春樹のクラスに転入生がやってきた。名前は佐野京介サノキョウスケ声も小さく内気そうな子だった。肌が黒く日に焼けたのか髪は焦げ茶色で顔立ちは整っていたが目つきが鋭く少し近寄り難い雰囲気だった。

『見た目がどうであれ、同じ人間だ、差別しちゃあいけないぜ?』

春樹は昔、秋人に言われたことを思い出し、休み時間になると早速京介に声をかけた。

「ねえ、どこから来たの?」

「・・・。」

京介は本を両手で持ち机に立てて読んでいる。本からチラリと視線を春樹に向けたが、何事も無かったかのようにまた本へ視線を戻す。

春樹は返答が無いのに何故だろうと考え、質問を変えてみる。

「その本面白い?」

「・・・俺に構うな」

「え?どうして?」

「群れるのは嫌いだ」

本から視線を離さず京介が小声で聞こえるように言うと、春樹は京介を不思議なものを見るような顔で見る。京介はそれを見て不快だと顔を歪める。

「・・・なんだ」

「あ!いや、うーん・・・友達に、ならない?」

春樹はモジモジと恥ずかしげに頬を赤らめ質問するが京介は「話聞いてたか?」と、より春樹の言動が理解できないと顔に出す。

「キミにね紹介したい人がいるんだ」

席に座ったままの京介の手を掴んで、休み時間が終わる前にと駆け足で春樹は秋人の教室へ向かった。
京介は、春樹の嬉しそうで楽しそうな横顔を見ると無理に手を振り払おうとはせず、大人しくついていくことにした。

Re: ずっと好きだから【BL】 ( No.4 )
日時: 2018/08/23 00:14
名前: めじろう (ID: LkcNOhbf)


秋人のいる教室を春樹が覗く。その様子を見ていた京介は深いため息をつく。

「・・・もう戻っていいか」

「ダメ!秋さんに僕の初めての友達って紹介したいから!」

「・・・おい、オレは友達認定した訳じゃないぞ。そもそも友達なんて」

「あーあ、いないや」

友達という単語に慌てて京介は反対するが、それ以上言わせないとでもいうかのように言葉を重ねる春樹は無自覚のようで、京介はチッと大きめな舌打ちをする。

「また後で来よう?あ!そういえば自己紹介してなかったよね、僕は遠野春樹!春樹でいいよ」

「・・・」

コロコロと京介が口を開く前に話題を変えていく春樹に呆れて京介は止めないことにした。だが、一番気になったことを聞いてみた。

「なんでオレなんだ」

「ん?」

「人と群れるつもりは無い、オレは一人でいる」

「僕は友達いないから、転入生ならここからスタートでしょ?なら両者この学校で初めての友達になるって思い出になるかなって」

頬をかいて斜めを上を見て考えながら物を言う春樹に偽りは見られず、自分を選んだ理由は深くないようだけれど少なからず嬉しかった京介は照れた顔を隠すようにそっぽを向いた。

「フンッ・・・」


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