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鈴の風
日時: 2019/04/17 23:28
名前: メモリ (ID: UwsudxVD)

大昔、歴史にその名を轟かせ人々を恐怖の渦に陥れた最凶の食人鬼がいたという。

その息吹は肉を焦がし、その豪腕は大の大人を棒の様にへし折ったという噂だ。狙われたら最後、骨すらも残らない。

そんな数々の逸話を作り上げた人食い鬼は、どういう風の吹き回しかあろうことか人里の近くに住処を構えたそうな。

それに人里の人間はびっくらこいた。直ぐに供物を用意し、食人鬼に村の人間を食べないでと言わんばかりに沢山の供物を用意した。
しかし、食人鬼は供物に見向きもしなかった。
それから幾年か経ち何とも不思議な事に山の麓の小さな村の近くに来てから食人鬼は全く人を食わなくなった。ただ、まだ不安要素は残る。

念の為、村側は一人の少年を生贄として差し出したそうな。



さぁさぁ、皆様いらっしゃいな。世にも珍しい、鬼と童子の同棲生活!見なきゃソンソン。
是非見とってくれよな!

_____

…どうしてこうなった(;´∀`)

いやぁ、プロローグって難しいね…(死んだ目)

まぁ要するに生贄として差し出された少年と鬼の同棲生活って事です。

初投稿なので操作もままなりませんが、どうぞお見知りおきをm(_ _;)m

一話一話が短いので、あっさり読めると思います。

Re: 鈴の風 ( No.1 )
日時: 2019/04/06 21:34
名前: 通りすがり (ID: 8DXjmx02)

いや読むからさ 書き始めてくれよー>>>

Re: 鈴の風 ( No.2 )
日時: 2019/04/18 22:49
名前: メモリ (ID: UwsudxVD)

色々と事情があり更新出来ませんでしたーすみません(>_<)
頑張ります!汗
__

第一話「孤独」

「……ふぅ」

空気に溶けて消えていく紫色の煙をぼんやりと眺めながら俺はまた一つ、煙を吐いた。
ふと、楽しげに細められる紫色の瞳を思い出し、証拠を消すように煙を手で払った。

古ぼけた神社の縁側に腰掛けながら、持っていた煙管をクルクルと回した。
特に意味の無い行動だが、やってないと孤独で頭が可笑しくなりそうだ。
昔の不名誉な通り名のせいで、並の妖怪は怖がって俺に近付いては来やしないしごく稀に木霊が遊びにくるが奴らは気まぐれの為滅多に会えない。

実質一人だった。孤独にはある程度慣れてはいるが、流石に四ヶ月も他の妖怪と会わないと流石に限界がくる。

俺が現在根城にしている神社は、小高くそびえ立った山の中腹辺りにある。麓には人間共がむらを作って生活しているが、もし顔を見せようもんなら怖がられる事間違い無しだ。

過去に積み上げた逸話のせいで…な。

暇つぶしに煙管を回すのも飽きて来た為、花でも食おうかと思いそこらに生えていた黄色い花に手を伸ばす。
すると、誰かが神社に向かっている気配がした為煙管を懐にしまい神社の社の中に入った。
気配からして、麓の村の村長だ。
だが、いつもは狐の面を付けた村人だけが供物を捧げに来る筈…村長直々にくるとは…。

鼠に変化して隙間から様子を見ると何やら両手を合わせ何か呟いているようだ。
ここからではよく聞こえない。穴が空いた障子の隙間から見ると何やら不穏な言葉が聞こえてきた。

「人喰い様…捧げていただいている供物が気に入らないのであれば、明日の早朝村の少年から一人、供物としてがけから突き落とし捧げさせていただきます…それでも気に入らない様であれば…村一番の美女を捧げさせていただきます…では、失礼しました。」

村長はそれだけ言うと、いつも供物を捧げにくる男二人に挟まれ守られるように山道を下っていった。

残された俺は何ともいたたまれない気持ちで三人の背中を見送った後、変化を解き鬼の姿へと戻った。

生贄と言っていたが…俺は別に供物なんかいらないしましてや生贄なんか欲しく無いんだがな……まぁ、それを言いたくて人前に出ても機嫌を損なわれたと勘違いされるだけだからな…。

にしても生贄か…少年と言っていたが、一体どんな奴が来るんだろうか…?

頭をポリポリと書き、思案するも正解は浮かばない。
まぁ、そんなに気にしなくていいか……。
そう思った俺は、棚から保存用の干し肉を一切れ取り出し口に含み咀嚼した。いつもと変わらぬ味の筈なのに、なにかが違う気がした。

「やはり…生贄の少年が気になっているのか……」

無意識に、そう呟いていた。
何だか無性に、気持ちが落ち着かない。
…そうだ、彼処へ行こう。

保存用の干し肉を入れてある棚の上にたまたま活けてあった紫色の花を取り、神社を出た。
神社の裏側にまわると、所々剥げた石畳の階段がある。
そこをしばらく登っていくと、山頂に着いた。
夏だと言うのに、山頂の赤茶けた地面にはヒラヒラと"桜の"花弁が舞落ちていた。桜の花弁の発生源へと歩みを進めると、そこには巨大な桜の木がそびえ立っていた。

その桜の木の名前は、永遠桜とわのさくら。名前の通り、四季を問わず花を付ける妖花の一種で地中部にある妖力の塊を壊されさえしなければ永遠に花を付ける桜の木だ。
その美しい桜の木の下に、俺の相棒が静かに眠っている。
石を立て名前を彫っただけの簡素な墓に、先程持ってきた花を起き手を合わせた。

目を閉じれば、豪快に笑う彼奴の顔が思い浮かぶ。目を開けた先にある墓を見つめ、一つ溜め息をついた。
——嗚呼、まただ。またやってしまった。どれだけ思い浮かべても、彼奴はもう永遠に目を覚まさないのに

胸の奥底に色濃く残る、絶望の色に思わず着ていた着物の裾をきゅっと掴んだ。

「——じゃあ、またくるからな……真白」

Re: 鈴の風 ( No.3 )
日時: 2019/04/22 22:14
名前: インド洋 (ID: zt./Gg/M)

わあ 時代ものの妖怪系ですかー 好みです 楽しみにしてます。  
スレに混ざり込んで失礼しました

Re: 鈴の風 ( No.4 )
日時: 2019/04/26 23:12
名前: メモリ (ID: UwsudxVD)

>>インド洋さん

感想ありがとうございます!頑張ります(^ ^)


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