BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 顕現されたら王子がいた。
- 日時: 2019/05/05 16:57
- 名前: 春風 (ID: pP6u0GCX)
「_____は、」
この本丸の初期刀である山姥切国広は、目を覚まして思わず声を上げた。
何故なら、想像していた審神者とは到底かけ離れた金髪碧眼の少年が、目の前にいたからである。
----------!!アテンション!!----------
この物語は、とある本丸のとある日常の物語です。
主人公(審神者) マキ・ハデルス(羽照 真紀[ハデリ マキ])
イギリス(父)と日本(母)のハーフ。金髪碧眼、16才。
自分も戦うタイプの審神者で、白金雲という刀を使う。
審神者だった母が病気で審神者を引退した後、政府関係の友人から譲られた刀である。
なお、母本丸は刀を全て他本丸へ譲った後解体されている。
真名を言う訳にはいかないので、母の名である香純から取って、霞と名乗っている。
一人称は僕で、そこそこの我が儘。
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ここまで読んで大丈夫そうなら、どうぞ続きをお読みください。亀更新です。
- Re: 顕現されたら王子がいた。 ( No.1 )
- 日時: 2019/05/05 17:16
- 名前: 春風 (ID: pP6u0GCX)
「やあ!君が僕の初期刀かい。山姥切と言うんだね。宜しくね!
ちなみに、君を選んだ理由は僕に似て金髪碧眼で美しかったからさ!」
は。
「.....あんた、本当に俺の主か?」
あまりにも酷すぎる理由に呆れかえる。
というか、俺は美しくない...綺麗とか言うな...
と、思った所で再び目の前の少年が口を開く。
「おや?君は僕が気に入らないかな?まあいいや、とりあえず仲良くしてよ。」
ほら、と握手を求める少年。
放っておくのもなんだか気まずいのでそのまま手を重ねると、彼はにっこりと綺麗に笑って俺と同じ金の髪をさらりと頬に流した。
ほんの一瞬だが、光に照らされきゅ、と輝いた瞳が、薄く緑がかった水色に輝いたのを、心のうちで美しいと思ったのだった。
- Re: 顕現されたら王子がいた。 ( No.2 )
- 日時: 2019/05/05 19:04
- 名前: 春風 (ID: pP6u0GCX)
ところで、と、手を握ったまま彼は話す。
「僕はこの本丸に来たばかり。それは君も同じだろう?ちょっと探検してみないかい」
一応地図のようなものは手元にあるから、まあ構わないだろうと頷いた。
「やったあ、じゃ、早速行こうか!」
ぐいっと引っ張る手に子供らしさを感じながらも、それなりの高さの背を追いかけて主の部屋を後にしたのであった。
君の部屋から見よう、と、少しばかり離れた部屋の襖に手をかける。
- Re: 顕現されたら王子がいた。 ( No.3 )
- 日時: 2019/05/06 16:47
- 名前: 春風 (ID: csh0v7TN)
すぱーんという良い音を立てて襖を開ける。
「.........何もないね」
「何もないな」
なんと部屋の中身は、雑に置かれた政府支給の物らしい薄い布団と、カーペット。
ただそれだけであった。
「う、嘘だろう!?こんなに薄汚いカーペットの色なんて......あり得ない。即刻通販で新しいのを買うよ..あと、本棚と机と座椅子と...」
と、主は勝手にこの部屋の住民の部屋を改造していこうと計画を立てている。
確かにこの無機質な部屋はいかがな物かと思うので口出しはしないが、そういえばよくあれだけの家具を審神者の部屋に詰め込めたなあと謎の感心をした。
霞の部屋は美しい家具が大量にありながらもごちゃごちゃしておらず、心地よかった。
「....あんたの部屋の家具は持ち込んだのか?かなり多かったようだが」
部屋が大きくて幸いしたよ、と笑う。
「ああ。あれは母の物でね、どうしても持って来たかったんだ。中々お目にかかれないようなアンティークばかりだよ、後でまたじっくり見ると良い!」
「アンティーク....というのは、俺達が打たれた時代と同じくらい前の物もあるらしいな。」
少し考えて返事をする。兄弟や歌仙が見れば詳しいだろうか。
「そうさ!古い物が残されるのはとても良いことだと思うんだよ、山姥切。ただし、君が打たれたこの国ではなくて、海を渡ったその先で作られた家具たちばかりだけれどね。」
ふふっと笑う主の顔で楽しいと思っていることが分かるので、なんとなく自分も微笑を溢した。
- Re: 顕現されたら王子がいた。 ( No.4 )
- 日時: 2019/05/08 16:29
- 名前: 春風 (ID: csh0v7TN)
「外国か。あんたの目と髪は外国の由来だろう、どうして日本語が話せるんだ?」
と、今さらな疑問を抱く。
「ああ、これはイギリス人の父方の血がたまたま濃くてね。母は日本人だからね、英語も日本語も話せる。ちなみに、母は元は審神者だった。」
....なるほど。
というと、この少年の父も金髪碧眼だったということだろう。例のアンティーク好きの母親は元審神者か__________
いや、別段何も言うことは無い。それならばこの少年が審神者になりたいと思うのも分かる。
陸奥守が喜びそうな話だ。鍛刀出来たら教えてやろう。
そう黙って考えていると、ぷっと吹き出す音がした。
「おい。何笑ってる」
怪訝そうな顔をしながら彼方を見やると、いやごめんね、と案外普通の謝罪が帰ってきた。
「いや、腕組したままずっと突っ立っているものだから少しおかしくて。」
「おかしい....??.....俺が写しだからか」
違う違う!と必死に否定するのがいじらしい。やはり子供っぽい所が見え隠れする。
不貞腐れる気分もどこかに飛んでいってしまい、ふん、と僅かに笑うと彼は、なんだ?何がおかしいんだ....と、先ほどとは逆の立場になってしまっていた。
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