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おれたちの青春ページ
日時: 2019/08/20 20:54
名前: ろろ (ID: zNloJ7/F)


海須和ミスワ高等学校、一見普通の高校だがそこには数名「美男子」やら「アイドル候補」と呼ばれる生徒がいるらしい。

ただの興味本位だった、見てみたかっただけ。

俺も中学では2番目だけどモテてたし、チヤホヤされるのは照れくさいけど好きだ。

自分よりカッコよくなかったら小馬鹿に出来るのもいいかもって、高校入学を決めた。

Re: おれたちの青春ページ ( No.1 )
日時: 2019/08/28 14:07
名前: ろろ (ID: 0H2MybmK)


入学早々、目立つ存在だろうから見つけられると思っていたが、男子校ではない為に女生徒が人気な男子生徒を囲って黄色い声援を送っている塊が幾つもあって、俺の所にも出来ちゃってたから直接会うことが出来なかった。

「なんでも部って部活があるの知ってるか?」

出会って数時間の付き合いである、友達の佐藤が声をかけてきた。

「何でモブ?」
「ちげーよ、なんでも部!」

わざと間違えて聞き返したら真面目に返ってきた、そんなに重要なことなのか?その「なんでも部」って。
佐藤からの質問には答えず、黙っていると佐藤は話を続けた。

「困ってる事あったら手伝うとか、やってほしいことに挑戦してくれる所謂なんでもやりますよって部活」
「へえー、そんなのあるんだ」

正直興味無いな、周りにいいように使われて簡単に言えばボランティア作業だなんて俺には合ってない。

「例のイケメンメンバーが作った部活らしいぞ」
「え?」
「行ってみる価値はあるんじゃね?お前もイケメンだし、気に入ったら入れてもらえるんじゃねえの?」
「お、おう・・・」

佐藤に俺の高校入学理由を言った覚えはないが、なぜ知っていたのかはまた今度聞こうと思う。
とりあえず、俺は「なんでも部」の部室に向かった。

Re: おれたちの青春ページ ( No.2 )
日時: 2019/08/29 09:27
名前: ろろ (ID: 0H2MybmK)


そこは1階の突き当たりの教室が部室になっているようで、扉の上の方に「なんでも部」と書かれたプレートがあり、扉には張り紙が幾つかあった。

中でも真ん中に貼られた紙が一際目立つ大きさと大胆さだった。
A4の白い紙からはみ出す勢いで「なんでもします!」と書かれた黒字。

扉の横には教室で使う机とそれの上には縦20cm横15cm高さ30cm程度の四角柱の木箱と隣には小さめの受け皿に乗せられた飴玉やガムが10個程度、そしてそれを囲うように置かれた数え切れない量のお菓子。
木箱は可愛らしい色とりどり大きさも違う花や貝殻が貼り付けられていて「依頼箱」と丁寧な字で書かれた紙が貼られている。上の方は折り曲げた紙が入れやすいように、中が見えないような大きさで切り口があった。
蓋されているようで、蓋が開かぬように鉄の鎖のようなものが木箱に巻き付けられていた。
また、受け皿の方には「依頼してくれた方はご自由にどうぞ」と丸い字で書かれていて「ぞ」の横にはハートも書かれていた。

扉の字から気迫されていた為、扉を開けようとした時に木箱に気づけた。
入口付近を見る限り、部員の仲は良さそうだと思った。

だがどんなイケメンがいるのか、それが目的で来たのだから気になる。

ひとつ深呼吸をして扉に手をかけて静かに開けた。

Re: おれたちの青春ページ ( No.3 )
日時: 2019/08/29 09:58
名前: ろろ (ID: 0H2MybmK)

ガラガラガラー・・・

「こんにちはー・・・」
「ノックしろよ」
「あ、すんません!」

ガラッバンッ

静かに開けて中を覗き見て挨拶をすると、どこからかハッキリと声が聞こえて注意され、慌てて扉を閉めてやり直す。

コンコンコンッ

三回ノックすれば室内から短く「はい」とだけ返ってきて、先程よりは早めに扉を開けて中に入る。

「すんません、失礼します」
「はい、どうぞ」

室内は思ったより物が纏められ整頓されていて教室の中央にくっつけられた机にそれぞれ部員の使う物が置かれているようで、奥の窓からはグラウンドが見える。窓が半分ほど開けられていて、白いカーテンが春の風に揺れている。

心地よい空気の中、5席ある机の誕生日席のような所に座っていた男と目が合った。

「なんか用?」

前髪が目にかかりそうな長さで切れ長の目、顔は塩顔っぽい感じで正直言ってイケメンではない・・・気がする。いや、顔はモテる顔じゃない。確実に。
短く切るような話し方もかなり冷たい。
俺は思う。

え、このレベルのイケメンが数人いるのか?なんだか期待はずれだな・・・

「入部?」
「あ、いえ、少し見学に・・・」
「ああ、そう」

塩対応だな。部員は机の席を見たところ彼含めて5人って事でいいのかな?

「あの、部活って何時から始まりますか?」
「特に時間指定はないけど?」
「え・・・」

だったら他の部員が見られるかもわからないじゃないか!

「ま、そのうち集まってくんだろ」
「えっ?」

あれ、俺の心の声漏れてた?いや、喋ってないよな・・・

「その辺に座っとけよ」
「はい」

何か書き物をしていたらしいその人は、ペンの先端で扉側に一番近い席を指し示したので、俺はそこに座った。
学ランの制服の左胸のあたりにあるバッチが緑で三年を意味していた。

三年生は緑、二年生は青、一年生は赤だ。

終始笑わなかった三年のその人に名前を聞こうかと口を開いた途端に部室の扉が開いた。

「あの、お名前うかg

ガララッバンッ!

「グッドモーニンッ!エブリワンッ!」

Re: おれたちの青春ページ ( No.4 )
日時: 2019/08/29 10:13
名前: ろろ (ID: 0H2MybmK)


「もう放課後だろ」
「あれ、お前だけ?」
「こんにちはー・・・」
「おっ!入部希望?」
「いえ、俺は」
「体験入部だと。」
「へえー!イケメンだね!」
「ありがとうございます。」
「お!否定しないw」

随分と対象的な人が来た。陽気で声が大きくて口を開けてよく笑う。リアクションもオーバーな感じで騒がしく感じてしまう。真ん中分けの赤い髪、肌が綺麗な人で学ランを持って肩にかけて来たけど俺の隣の席に学ランを置いて中の白い学校指定のYシャツは半袖で筋肉質な腕が見えた。
この人も胸のバッチは緑だった。先に居た人と会話も普通でわかりやすく言えばアウトドアとインドア。

この人も肌は綺麗だけどイケメンかどうかと言われると、違う気がする。やはり低レベルだな。折角入ったのに残念だ。
でも、この人はよく笑うし一緒にいると楽しいかも・・・。

Re: おれたちの青春ページ ( No.5 )
日時: 2019/09/05 03:59
名前: ろろ (ID: tDifp7KY)


「今日は九条さん来ないのかな?」
「アイツが来ない日は無いだろ」
「先に依頼の方、見とく?」
「ああ、そうだな」

二人しかいないのに、じっとしてられないのか赤髪の先輩は塩顔の先輩と手短に話しては部室の外にある依頼箱を取りにスキップする。
鼻歌でも聞こえてくるぐらい軽快で明るい人だと思い知らされる。

依頼箱を自分の机に置いて向かい側の席の引き出しから鍵を取り出すと依頼箱を覆う鎖と南京錠を開け始める。

「ジャジャーン!」

大きめの声で効果音を言って蓋を開けて箱の中を見て、片手を入れる。片手を入れた時点で中に何かしらの依頼紙が入ってることは分かっているのに「わお!」とオーバーなリアクションを見せてくれる。

ガラッバンッ!

「おおうっ、ビックリした!」

赤髪の人が紙を取り出したと同時に部室の扉が勢いよく開いて音を立てる。
赤髪の人は大袈裟に驚き、軽く後ずさった後、扉を見て笑顔を取り戻す。

「おおー!九条さあん!」

扉を開けたのはキリッとした眉にパッチりした目の、穏やかそうな顔の男前な人が立っていた。スラッとした体型に細くて長い足、筋肉は無さそうだけど広い肩幅が頼もしさを象徴してるようで、この人がイケメンと呼ばれる部類なんだと一瞬で分かった。


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