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恋、来い、乞い
日時: 2019/12/29 23:43
名前: 千葉里絵 (ID: x3zOyiHD)


「誰かに恋をしたことはあるか?」

「……うーん、わからないな」

「わからないのか。まったく?」

「うん、恋とかってよくわからないし。愛とかならわかる気もするけど」

「そうか。……じゃあ訊くぞ?愛とは何か。恋とは何がどう違うのか」

「愛は……相手が何よりも大事なこと、かな?それに、恋より純粋な感情でしょ?」

「さあて、それはどうだか。俺はな、こう思うんだよ__ 」

Re: 恋、来い、乞い ( No.1 )
日時: 2019/12/30 08:42
名前: 千葉里絵 (ID: x3zOyiHD)

「夕哉、帰ろー」

 教科書を鞄に詰めていると後ろからにょきっと顔が生えた。

 黒いふわふわとした髪に大きな目、男の癖に可愛らしい顔をした幼馴染みが気が付けば後ろに立っていた。

「良いけど、ちょっと待ってて。俺、用事あるからさー」

「んー。早くしてね、僕今日の夕飯楽しみにしてたんだから」

「ああ、焼肉だったっけ?寮母さんが肉奮発したっていう」

 ずっと楽しみにしてたもんな、と相手のそわそわとした様子を横目に帰りの用意を進める。
 俺たちの住んでる寮の夕食は午後7時。今はまだ4時半。どんなに此方が急いでも夕食はまだまだ先だ。

「よし、帰れるよー。……なあ康博、帰りに雑貨屋寄って良い?駅前に出来た新しいとこ」

「ん、全然いいよ」

 可愛い見た目に反して可愛い物や綺麗な物に全く関心がない康博は、いつもなら「えー、またぁ?」と渋る癖に今日はやけに素直に俺の申し出を受け入れてくれた。何か良からぬ物を食べてしまったのかと心配になる。

「え、マジで?ありがとー!焼肉俺の肉も少しやるよ」

 お礼としてそういうと目をキラキラさせながら「幾らでも付き合ってやるよ!」と言ってくる。現金なやつ。

「ところで康博、試験今日返ってきたでしょ?」

 点数どうだった、と聞くと相手がギクリと動きを止める。これは悪かったな、と思い相手の反応を伺う。

「数学が…43点。歴史が54点。……国語が……30点……。」

「化学と生物はまだ返ってないわけー?」

「返ってきてないよ!嘘つくわけないだろ?」

 相手の必死の形相に、嘘は吐いていないことを確認する。体育だけで中学を卒業したやつはやはり高校に入っても勉強が苦手なのだ。

「今度勉強見てやるよ。あと、テストちゃんと解き直しといてね」

 困ったような顔で歩いている相手にそう伝えると、嬉しそうな申し訳なさそうな複雑な表情で「ありがとう」と礼を言われた。


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