BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- ⚠再掲ツイ腐テ二次⚠ アナ雪エルサの子孫、NRCに通うってよ
- 日時: 2022/04/06 19:48
- 名前: ゆずれもん (ID: 08bdl7kq)
本編は返信欄へ
私は反省しています、なぜならBL板でない方で暫くコレをあげていたからです。
反省したなら反省したなりに使用を控えろと思わなくも無いですが、反省したが故に別館に再度掲載しようという心の運びになりました。まだ自分の成した事柄の責任を終える年齢では無いので、そこは深く反省しております。
此方に掲載する文章は、自分の方からコピペしてきたものになります(間違えて掲載してしまった方はトップに上げなくしてあります。ロックの仕方が何故か分からなかったので分かり次第相応の処置を取らせて頂きます。)。
より多くのツイステ好きさんに楽しんでもらいたいので、「だからツイステ民度は低いって言われんだよ!」となるような事象がこのスレ内にありましたら、どうかなるべく柔らかい口調で(笑)ご指摘下されば幸いです。作者のココロは溶けた硝子の中に豆腐があるような構造をしています。
ハァイ!! じゃあ反省モードから切り替えてやっていきます!!
ツイステ好きよ集まれ、この小説の返信欄を雑談掲示板かって位にツイステ語りで満たしていこう!! そして私は語りが私だけの寂しい欄になっても投稿を止めない……。
低浮上になる時期もどうしてもあるかと思いますが、どうかどうか
読まなくておk 本編は返信欄にあるで~~。
名前:トンフェ・アレンデール (ノルウェー語で「第五の精霊」は“フェントーン”である為)
所属寮:ポムフィオーレ
誕生日:11月27日(アナ雪上映日)
身長:181.7cm(三年生時)
利き手:左(エルサは左利きらしい)
部活:サイエンス部
クラス:3-D(マレウスと同クラ) 一年時はヴィルと同クラ、二年時はポムではぼっち
星座:射手座
年齢:18歳
出身:氷の国
得意科目:召喚術(オラフやマシュマロウを作っていた事から)
趣味:雪だるま作り
特技:スケート
嫌いな事:人を傷つける事
好きな食べ物:チョコレート
嫌いな食べ物:熱すぎる物(猫舌なので)。ルークと同じく嫌いってより苦手。
家族構成:妹が一人、親は居ない。関係は良好。
ユニーク魔法:「凍った心 (ティアッタ・フローズン)」 自他問わず、人を凍らせられる。
(これは話の進み方次第で変更する場合がございます)
口調:「~よ、~だ」 「落ち着くのよ…」→「落ち着くんだ…」or「落ち着いて…」
「絶対出来るわよ!」→「絶対出来るさ!」or「絶対出来るよ!」
性格:余裕があり、ツイステ特有の妖艶で優美で淫靡な雰囲気を除けば全部エルサ。一定数ヤベェ目線で見ている生徒も居る(えrい目で)。セコムはいつでも発動準備オッケー☆
また、隠れ自己肯定感マイナス民(エルサ「こんな私が~」と歌っている)。いつもは飄々としている。――だが、ドロッドロの王家で育ち、更に己の“力”のお蔭で散々メンタルがボロボロになって、微笑んでいるその内には闇が見え隠れする。
容姿:アクアブルーの瞳、プラチナブロンドのストレート。胸まで伸ばした長髪に、頬へ影を落とす長い睫毛。通った鼻筋、色付いた唇、形の良い眉など、天下のヴィル・シェーンハイトさえ認める美貌の持ち主。一つひとつの所作が洗練された美しさだとして、ルーク・ハントは「氷の君 (ロア・ドゥ・グラス)」と呼んでいる。つまりえろ(ry
制服→2のアナの髪型 寮服→アートハランに来た時のエルサ 運動着→戴冠式のエルサ
式典服→氷の宮殿作った時のエルサ 実験着→1のアナ
裏話:エルサは元々、悪役として考案されたキャラだそう。実際1では人を殺めようとしていたし、中々に酷なトラウマ持ってるし、感情が昂って宮殿が黄色や赤に染まったり……と闇が深い。故意に棘々の氷を出現させて人を脅したりとかしているし。そこからネタ発想。IFかは分からんけど、何れ身近な人間か妹をエルサのように傷付けるかも(不本意で)。
補足:エルサは風、火、水、大地の精霊と(最終的に)良好な関係を築き上げ、何より自身が第五の精霊である為、殆ど授業に苦戦しない。ちな卒業したら“陛下”となる(サラッ
無属性攻撃は光。魅了属性が付いてる(と思う)。天然タラシになる可能性は大いにある。
「サザン・シー」に隣接する「ダーク・シー」の何処かには、「魔法の氷河」――「アートハラン」が存在するらしい。そして彼の一家……王家は、代々その川を守っているそうだ。また、エルサの出来る事は全部出来る「力」を持ってる。偽名は「ノーサルドラ」。
本編に出てくるとは限らない『氷の国』についての小ネタ:
冬は白銀の国、銀雪の国とも呼ばれ、魔力の濃い地域が多数存在する、雄大な山脈を持つ広大で美しい国。海に囲まれた王城では毎冬に一度スケート大会が行われ、城の門は常時開け放たれており、幾つかの国と盛んに貿易を行い繁栄している。
精霊の力で守護された一定の地域では―また王城のある街の一定の者は―“第五の精霊”を信仰しており、ある民族は今も精霊と生活を共にしていると言う。
四季が豊かで自然と人口のバランスの取れた、現代では珍しい国。ずっと北の方では“北風吹けば川さえ凍る”と謳われる寒冷地が存在し、其処では天然の川から生まれた透明度の高く貴重な氷を産出している為に『氷の国』の名が付いた。
トナカイは、大昔の逸話より駿馬の如く雪の上を駆け幸運を運ぶとされる。高い山河に囲まれた土地は“茨の谷”然りあまり電気機器が発達していない。但し漁業、船を除く。
“ノースマウンテン”という一際標高の高い崖のような山は特に魔力が濃く、真夏でも美しく巨大な“氷の宮殿”が存在していて国の管理下にある。また通称“魔法の森”“変貌の森”と呼ばれる神秘的な森ではある民族が生活しており、自らを「太陽の民」と呼称する。昔の逸話から王家とこの民族は二度と互いを傷付けてはならないという誓約がある。
近隣の国にも魔力濃度の濃い場所が幾つか存在し、その中でも「太陽の国」と呼ばれる自然豊かな国とはある共通点を通じて仲が良い。ちなみに「太陽の国」は「コロナ王国」が元で、“共通点”は王族が魔法とは違う『特別な力』を有する事にある。(コロナ王国→ラプンツェルの居た王国)
- Re: ⚠再掲ツイ腐テ二次⚠ アナ雪エルサの子孫、NRCに通うってよ ( No.1 )
- 日時: 2022/04/06 19:53
- 名前: ゆずれもん (ID: 08bdl7kq)
第一部 1-1 トンフェ・アレンデールという人物
出演:一人称視点 ~ ルーク・ハント ヴィル・シェーンハイト ~
第三者視点 ~ 天の声
それはまるで、雪のような。
降ればひととき、美しい世界を残してくれるが、人に踏まれれば汚く濁り、何れは溶けて流れゆく。
初めに持った印象は、そんなふわふわとした新雪の思い。
それはまるで、氷のような。
ひやりと漂う冷気に、触れれば溶けゆく儚さが混じったそれは、凛としているが抽象的な危うさを持って大輪に咲く。
触れてから持った印象は、そんな透き通った薄氷の思い。
それはまるで、妖精のような。
ヒトにはない輝きを持った妖精達が、美しい翅を広げて踊り明かした後の、朝露に濡れた清らかな空気。
感じてから持った印象は、そんな煌めく妖精の粉(砂金の粒)の思い。
それが損なわれぬように。
それが傷付かぬように。
それが、失われぬように。
自らに出来る事は、何と言おうと只一つ。
「――ボン・ジュール、氷の君 (ロア・ドゥ・グラス)! 今日も太陽が燦々と煌めいて眩しいよ。君の雪で出来たような肌が溶けてしまわないかと心配になる程にね」
それは、まるで、軽やかに鳴り響く鈴の音のような。
ぽつりぽつりと、艶めく唇から発せられる声の数々。これを妖精達が談笑する鈴の音でないというのなら、何と言うのか。
「お早うルーク。今日は飛行術があるから、晴れるかどうか心配だったんだけど」
それは、まるで、拒絶の蕾がふわりと花開くような。
ぽろりぽろりと、僅かに赤らんだ頬と綻んだ笑顔で笑う彼。――何と美しい! 彼の近くに居る事を極限まで許されている私は、何と幸運なのだろう。
愛の狩人 (ル・シャソゥ・ドゥアムール)――ルーク・ハントは、美しき女王の奮励の精神に基ずくポムフィオーレ寮の一年生だ。
今年、幸運にも同じ寮に入寮する事になった世界的モデル兼俳優であるヴィル・シェーンハイトと、謎に包まれた神秘の大地『氷の国』の王位継承者であるトンフェ・アレンデールと特に仲が良い。仲が良いというより、美を求め美を助く事を人生のテーマとしているルークにとって、その二人は絶好の標的だった。勿論、入学して一番目の友人として、毎日仲良くもしている。
今日もナイトレイブンカレッジは美しい学友と共に輝いて見えるね! ニコニコと笑顔を浮かべながら、ほくほくとした気持ちでルークは充実した学園生活を謳歌していた。
(ああ、けれど)
けれども彼は狩人である。秘められた物を暴きたくなるのも、逃げ隠れする獲物を捕えたくなるのだって当然の事だった。何せ狩人、狙った標的えものは逃がさない主義なのである。
ルークの流した切れ長の瞳が、残光を引く光と成ってある一人を――トンフェ・アレンデールを捉えた。立っているだけで輝いて見える程、彼は美しさに溢れている。人目を惹く眩いばかりの容姿は勿論の事、一つの手の動き、一つの足の動き、一瞬の表情の機微……どれをとっても洗練され尽くした、無駄の無く、それでいて嫋やかな一挙手一投足。そんな彼を何より輝かせているのはその性格だった。
ただ優しいだけではない、他人の事を考え実行に移す勇気と、自信と、実力を持ち合わせている。故になのかは分かりかねるが、彼は柔らかい声と態度で、ポムフィオーレ寮生のみでなく、他寮の人間でさえトンフェを好いていると言うのだ。それを聞いた時、ルークはいよいよ感服した。
彼は、誰がどう見ても妖精にさえ見えるだろう。
そう思ってしまう程だった。
「あの花、少し萎れてしまったかな」
ふと気付いて足を止め、繊細な装飾の施された花瓶を持ち、水を換えに行くその姿さえ。微かに笑みを浮かべながら、花に語り掛けるその姿さえ。まるでこの世の物では無いような――少し大袈裟かもしれないが、天使のような、不思議で神秘的な、手が届きそうで届かぬ美しさを、彼は持っていた。
けれど狩人の目は誤魔化せない。あの美しい国から来た美しいトンフェが、時折見せる微笑に隠れた暗闇を…時折見せる、高校生とは思えない、全てを諦観したような冷徹の瞳を。彼には何か大きな秘密がある。友人としてそれを無理に暴こうなどとは思えないが、それにどうしても興味が湧き出るのは仕様のない事で。秘密があるというのは仮定でしか無いが、自他共に認める観察眼を持ち合わせたルークの事だ、それにかなりの信憑性が生まれるのも確かだった。
「ルーク、準備は出来た? 今から朝食を摂りに行くけれど」
「ウィ、待たせたね。席が埋まってしまう前に急ごう」
振り返るその所作でさえ洗練された美しさを帯びる。僅かな高揚を感じながら、トンフェの後に続く。隣に立つ程近くに居なければ感じられない程微かな、だが華やかで上品な良い香りがふわりと香ってきた。前に聞いたが、香水などは付けていないのだという。
「あら、お早う。今日は少し早い?」
コツコツと甲高いヒールの音を響かせて近付いてくるのは、朝の洗顔が終わったのだろう、少し顔に水滴が残ったヴィルだった。早朝でも美への努力を怠らないその姿は実に美しい。ボーテ!
私とトンフェは偶然にも同じ部屋が割り当てられたが、ヴィルは少し離れた部屋が割り当てられている。私とトンフェが行動を共にし、後からヴィルも合流すると言うのは、いつの間にか朝の見慣れた光景となっていた。
「ヴィル! 朝から君の輝きは衰える事が無いね」
「当たり前でしょ、誰に言ってるの」
「私は朝に弱いから、早い内から頑張れるのは尊敬するな」
「急にどうしたの、思ってもない事言わないで。トンフェだって輝いてるわよ」
「…ふふ、嬉しい。でも嘘じゃないよ?」
麗しのヴィルとトンフェが二人並んで歩いていると、それだけで周りに満面の花が咲き誇ったような感覚に陥ってしまう。二人の周りがキラキラと輝いて、一国の名手が描き上げた絵画のように美しい。
僅かに口の端を持ち上げて微笑んだトンフェが、姿勢を前に倒しヴィルを下から覗き込むようにして言った。何処か面白がる雰囲気を纏ったそれは予期せぬ色香を含んでいる。ヴィルはふぅ、と息を吐いて「はいはい」とそれをあしらうと、再び話題を変えて話し始めた。
「それはそうと、貴方達 朝食を摂りに行くのね。アタシも同席して良いかしら」
「勿論、構わないよ」
「喜んで」
パッと雰囲気を変えたトンフェ。その後も少し話し込み、気が付くと下まで来ていた。
いつも通りの朝。それがこれ程輝かしいものになるとは、ナイトレイブンカレッジに来るまで思ってもみなかった事。言葉を投げかけ合うヴィルとトンフェを盗み見しながら、私はいつも以上の笑みが零れるのを抑える事が出来なかった。
少し重くなったバッグを持ち直して、アタシ――ヴィル・シェーンハイトは満足気な息を吐いた。
準備が済み、登校中。鏡舎を通り、メインストリートに沿って本校舎へ向かう真っ最中。恒例の“チェック”が終わり、いつものメンバーで登校していた。概要はアタシが中心に、ルークが右を、トンフェが左を陣取って横並びに歩いているスタイルだ。
ルークはこの短期間でアタシが認める優秀な“鏡”。その観察眼は誰にも劣らないものだけれど、良くも悪くも思った事を脳内直結で口に出すタイプで、アタシはそれに時々助けられているのだ。
(デリカシーが少し欠けているのは玉に瑕ね)
そしてアタシのサポートもしてくれる大切な友人。最近では全身をアタシがチェックしてダメ出しをするという、最高のサービスもしている。
もう一人はトンフェ。曰く『氷の国』の王位継承者らしいけど、普通の友人と同じようにラフな関係を築いている。でも、式典で彼がポムフィオーレに選ばれた時から、彼を特別視していたのは認めるわ。だって――
(こんなに美しいんだもの)
勿論、アタシ以上に美しいなんて言わせないけれど。アタシは美に対して誰よりも努力している自負があるし……それでも、モデル並の容姿をしていると言って差し支えない。見ただけで目が縫い付けられたのではと錯覚してしまう程に人目を惹くのだ。
雪だるまを作るように、冬の新雪を固めて作ったのではないかと思える程に白い肌。吸い付くようなきめ細かい肌は、触れ心地も見目も滑らかで輝かしい。胸の辺りまで伸ばされたプラチナブロンドのストレートヘアはこれ以上ない程に艶がありサラサラで、まるで絹糸を解いたように艶あでやかで華やかな雰囲気を持っていた。
通った鼻筋に形の良い眉、薄く色付き艶めく唇。シャープですっきりとした印象を持たせる顎と、彼の芯の強さを思い起こさせるバランスの取れた目。顔のパーツのどれを取っても一級品な上、歩き姿や立ち姿さえ優雅で気品に溢れていた。
何より、まるで冷え切った氷を彷彿とさせる濃いアクアブルーの瞳は、色素の極端に薄い長い睫毛で縁取られていて宝石のよう。均等に切り揃えられた爪にはアイスブルーのネイルが静かに存在を主張していて、どこを取っても隙の無い美しさがあった。
「ヴィルったらどうしたの、私の顔に穴を開けるつもり」
「……いいえ、ごめんなさい。少し考え事をしていただけよ。で、話の続きは?」
「そう! それで妹が――」
そんなトンフェに、邪な思いを持つ者も少なくない。今でこそ「王位継承者」であり「新入生」だからと何気ない先輩と言う立ち位置を確立させているが、傍から見れば下心があるのが丸分かりだ。それで平気な顔をしているトンフェが信じられないと思うのと同時に、彼に危うさすら感じ始めている始末。
普段と変わらない普通の時間、少し違う所を上げるとすれば、飛行術用に予め落ちにくいメイクをした位。それでも浮き立つ気持ちを抑えられないのは、きっとアタシが二人に期待しているからだわ。
すると、トンフェの視線が突き刺さる。何、という思いを込めて目を見ると、トンフェは困ったように眉を寄せ、意を決して言葉を紡ぎ始めた。
「ヴィル、言って良いか分からないんだけど……何か良い事でもあったの?」
「あら、そう見える?」
「ルークもね。二人して私に何か隠し事?」
「おや…毒の君 (ロア・ドゥ・ポアゾン)、疑われているようだけど」
表情とは裏腹に、そう悲しんでもいないような、こちらの非を面白可笑しく認めさせているような声音だった。アタシは困り眉を寄せて、ルークはチラリとこちらを見て。ふ、と目を瞑ると、隠せないわねと呟いて歩きながらバッグを開けた。
「実はね、トンフェ。――これを見て」
「っ、これ!」
「性別・年代問わず人気を博しているファッション週刊雑誌、『シュール・メジュール』。キミも見かけた事位はあるだろう?」
「ええ、売れてる俳優やモデルを年代問わずキャスティングして、どんどん年齢層を広げていってるって話題になってたの……聞いた事がある」
「はぁ……ルークにはバレてると思っていたわ。二人共に黙ってたのに…アンタはアタシが出てる雑誌、片っ端から確認するでしょう。トンフェにだけ黙っていた訳じゃないのよ」
そんな言葉の裏腹には、「本当は二人共にサプライズとして知らせたかった」という年相応の思いが隠れている事を、トンフェもルークも分かっていた。
アタシが差し出したのは、今朝もテレビのCMで流れていた人気ファッション雑誌。その表紙の中心には、『“あの”ヴィル・シェーンハイトが人気俳優をコーディネート!?』『自分に似合うファッションを見つけよう!』というキャッチコピーの中心を、大々的にアタシが飾っていた。
今までずっと狙っていたこの雑誌、少し前からオファーは来ていたのだけど、ロイヤルソードアカデミーの「ネージュ・リュバンシェ」とアタシのどちらを表紙にするか、ギリギリまで会議がなされていたみたい。
「それで、ヴィルが選ばれたっていう事?」
こくり。頷けば、トンフェの頬はみるみる内に上気していき、目は見開かれていく。信じられないように眉根を寄せながら「うそ、」と呟いたのが聞こえた。
「嘘じゃないわ、正真正銘このアタシが選ばれたの」
「……凄い、凄い凄い! 流石ヴィル!!」
そう叫ぶやいなやトンフェはいきなり立ち止まり、不審に思って振り返ると、ぴょんとジャンプする勢いでアタシに抱き着いた。抱き着くと言っても、その語感から思い浮かべられる柔らかな抱擁などではなく、何も考えずに感情のまま抱き着いたような勢い任せの物だった。擬音に起こすなら、“ぴょん”ではなく“ガバッ”という感じ。
「ちょ、っと! 危ないじゃない……」
よろりと体勢が崩れヒールが変な方向に向かうが、何とか根気で自身の体を支える。危ないじゃない、と言った口調は厳しい物だったけれど、受け入れたという意思表示にすっと回した手の効果でより一層力が強くなった。
「仲間の成功を心から祝う、これぞ友情……実にマーベラス!」
「――………ぁ。ごめんなさい、苦しかった?」
最後にもう一度ぎゅっと力を込めてから名残惜しそうにトンフェの体が離れる。僅かに赤らんだ頬、ゆるりと弧を描く唇、そっと垂らされた眉と優し気に宿る目の光によって、トンフェの顔付きは何処か……扇情的だった。
どくり、心臓が脈打つのが分かる。一年生になり三ヶ月が過ぎて彼に持った印象は、いつでも冷静沈着に落ち着いていて、物事を正しく判断しすぐさま行動に移せる。慎重な時と賭けに出る時のメリハリが激しいが、それで失敗したと言うのは殆ど見た事が無い。
そんな彼がこんなに感情的になっているのは―それも自分の為だと言うのだから―、純粋に「嬉しい」と感じる心と裏腹に、心の隙間に優越感が生まれるのをハッキリ感じた。
それでも感情は表に出さず、
「さ、行きましょ。詳しい話はまた後でするわ」
と受け流す。トンフェから体を触れさせるなんて珍しい事そうそう無いだろうし、しっかりと覚えておかなくちゃ。次の機会がいつなのか、分かったものではないから。
(……。…やだ、アタシったら。どうして同級生のハグを覚えておこうとなんてするのよ)
気付かれないように小首を傾げてみるが、その時のアタシは深く考えず、嬉しそうに話を続けるトンフェを見つめてふっと微笑んだ。今は、ただトンフェがアタシの為に喜んでいるという事を、感じていたかったのだ。
1-1 終
同級生に危うさを感じられている人
小さい頃から色んな目で見られてきたし修羅場も潜ってきたので今更性的な目で見られる事に動揺はしない。というより危機感を感じにくい(過去にもっとヤベェ事があった為)。
性別はモチのロン男、一人称は「私」。転生者ではない事だけ伝えておく。
大分、結構、かなり致命的に口調が定まらない。【急募】エルサ男性ver.の口調
因みに色香を振り撒いているのは無意識だし魅了したかもしれない事にも気付いてない。
表紙を飾って内心ホクホクな人
自分が嬉しかった分、友人ともその気持ちを共有したいけど、どうせなら驚かせたいとも思っていた年相応の精神を持ち合わせているタイプのヴィル(15歳)。
トンフェの容姿は認めているが自分には届かないと思っている。トンフェの顔が好み。
おや? ヴィル・シェーンハイト のようす が おかしいぞ・・・!?
もしかしたら、魅了にかかったかもしれない。
狙った獲物は逃がさない主義の人
ちょっとヴィルさん贔屓しちゃったかな…? ごめんな、いつか出番回すからな……。
トンフェに何かしらの秘密があると見抜いている愛の狩人。恋愛感情とはまた別の意味でトンフェに興味がある。秘められた物を暴きたくなるのはヒトの本能だろう? らしい。
「今の所は」、一番トンフェの深いトコロに行き着いている。
知的好奇心の方が大きいので、ヴィルのような立ち位置にはいかない、筈。恐らく。
シュール・メジュール
特に若い方の年代に愛されているファッション雑誌。
フランス語の女性冠詞で“オーダーメイドの服”を表す「ヴェットマン・スール・メジュール」をもじった物。今後出てくる可能性は極めて低い。
作者
「アナ雪見てたらネタ構想と創作欲求が湧き出てしまい、手が勝手に動いていた」「正直スマンかったと思っている」などと供述しており、ジャンル:BLにした件は「こんなBLとツイステが好きなのに、私の副菜である“総受けジャンル”が少な過ぎた世界が悪い」、「BLを書いた事が無かったので興味本位でやった。総受けはオイシイぞ」としています。
まだそこまでイチャァしてない。種が植えられて微かに芽が出た位。今三年生の子が一年なので、「一年生→MK3(マジで恋する3秒前) 二年生→トンフェに意識させようとする 三年生→バリバリに攻める」という構成にしようとしている(※キャラ全員が攻めになる訳じゃないよ)。おじたんが一番初めかなぁ、ぽい事するのは。年長者だからね。
約6920文字くらい。読んでくれた人が居たらその人は私と握手しましょう。
BLっぽい事をするのは数回先です、投稿するのをお待ちください。おこがましいかもしれませんが、反応・アドバイス下さると嬉しいです……。
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