BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 創作BL集
- 日時: 2022/09/25 22:28
- 名前: 森人 (ID: D2NnH/3T)
オリジナルのBL小説を載せていこうと思います!
苦手な方はUターンしてください。
繋がりあるもの載せたいですが、主が気分屋なので、更新もマチマチに好きなものを載せたいと思っています。
感想に返信を載せることは基本的にしないですが、感想を乗せてくださることは構いません。
では、よければ閲覧していってください。
- Re: 創作BL集 ( No.1 )
- 日時: 2022/09/26 01:31
- 名前: 森人 (ID: D2NnH/3T)
藤崎亮と矢野夜
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ガチャッと音を立てて、寮の自室の扉が開く。
「あれ、亮だけ?」
「おかえり、ヨルさん」
そこから顔を覗かせたのは1学年上の矢野夜。彼もまた、同室であり、先に部屋にいた人物へ声をかけては誰かを探しているようだ。
寮は二段ベッド2つがある一部屋で、計4人が同室となる。
彼と仲が良いのは2人ほど心当たりがある。
その上で、今自室を覗いて自分以外の人物を探しているとなると、選択肢は2つ。あと同室2人のどちらかという事になる。
彼と仲が良いと感じるのは、同室で同じクラスの佐々木誠人だろうと予想する
「誠人先輩ならまだ帰ってきてないよ」
「え? なんで誠人?」
「ヨルさん、誠人先輩探してるんじゃないの?」
「いや違うけど」
どうやら、2択の1つを間違えたようだ。
となると、消去法で彼が探していた人物は、自分と同じクラスの森田千秋という事になる
「それなら、千秋に用があったの?」
「うーん、まあ」
部屋に入るなり、自分の荷物をベッドサイドに置いて、腑に落ちない返事をする矢野夜。
彼は基本的に感情をストレートに表現する事が得意な方だと思うから、このように濁した発言は亮にとって気になる案件であった。
「俺から千秋に伝えておこうか?」
「いやいや、用って程じゃないんだよ」
また濁した返事。話をふってから一向に彼と視線が合わず、彼は別のところを見ている。亮はそれに少し気分が良くない。
夜の何かを隠しているように、話を躱そうとしている態度に逃がさないよう追求する。
「じゃあ、なに?」
「うーん」
やっとのこと視線がかち合った彼は眉を下げて困った様な表情に首を左右に振って周囲に人の気配がないか確認し、自分のベッドに腰掛けている亮の隣へ腰掛けた。
突然隣へと距離を詰められたことで、亮は少し緊張する。
「森田って、今日帰り遅い感じ?」
「えっ、うん、日直だから」
「じゃあ、亮には話すけどさ、これ他言禁止な?」
「うん、なに?」
口元に人差し指を立てて、真面目な顔で小声で話す夜は人との距離感がバグっている。
普通ならもう少し距離を取りたいが、自分が距離をとったことで夜が傷つく恐れもある為、その場から動けず、あまりに近い距離に、亮は平然を装うのに精一杯だ。
「誠人ってさ、森田のこと、好きっぽいんだよ」
「ん?」
「恋愛的な意味で」
しっかり間をとって口から零した夜の話題は、すでに亮も感じ取っていたことで、あまりに当然の話題すぎて反応が少し遅れる。
「ああ、そうだよね、そんな感じした」
「え、マジ?」
「うん、凄く分かりやすいじゃん誠人先輩」
「すごいな、亮…オレ相談されるまで気づかなかった!」
夜は誠人に相談を受けたという事が分かった。となると、話は勘や噂ではなく事実。同室で恋愛沙汰、それも同性同士でそうなるとは、少し厄介だ。
人の恋愛情事は好きにして構わないが、巻き込まれるとなると別の話で、夜も亮も巻き込まれるのは苦手なタイプであった。
秘密を話せた開放感か、夜は肩の力を抜いて大きく深呼吸をする。
「あー、なんだ亮も分かってたのか〜」
「それが話したかったの?」
「うん、森田居たらちょっと話しにくいじゃん?」
「言伝じゃないし、言ったら誠人先輩とも仲悪くなりますね」
「そうそう…だからって誠人や森田を2人きりにさせる為に〜とか、オレ達が気を遣って何か行動を抑えようぜって、提案ではないんだけどさ」
「うん」
「まあ、見守っていこうぜって、亮だけ部屋にいるなら話せるじゃん?」
「うん」
「ひひっ」
亮のベッドにそのまま背中を預け寝転がった夜は天井を見上げスッキリした表情だ。
亮はその表情を見つめて、少し複雑な気分になる。
気にせず、夜は口を開く。
「オレはさ、恋愛とかそういうの、まだよく分からないからさ」
「うん…俺もです」
「嫉妬とか束縛とか、誠人は大変そうだけど、そこまで人を想えるってのも、良いなって、ちょっと思う」
「うん、そうだね」
天井を見上げた夜の瞳は純粋で、混じりっけのない真っ直ぐな思いが、亮にも伝わる。
夜のそういった真っ直ぐさはとても魅力的な所で、優柔不断な亮は尊敬の眼差しを向けた。
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