BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

百合小説・短編集
日時: 2024/03/17 21:25
名前: 黒百合 ◆rvWqDClaVQ (ID: SGjK60el)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13867

⬆️作家プロフィール

不定期ですが、ここに短編の百合小説を載せていきます。百合好きの方々どうかお楽しみください。登場するキャラは、全てオリキャラです。

>>1『恋に溺れる』
>>2『夕暮れの学校にて』

Re: 百合小説・短編集 ( No.1 )
日時: 2024/03/17 21:22
名前: 黒百合 ◆rvWqDClaVQ (ID: SGjK60el)

人は恋を様々なものに比喩する。恋は盲目とか恋に溺れるとか。私は恋に溺れるという比喩表現が好きだ。

というのも私自身、水泳が特に苦手で水泳の授業がある時は毎回休む。もし休めなかった時は、トイレに籠る。

それぐらい水泳が苦手なのだ。クロールや平泳ぎなんてできるはずもなく、水に顔を浸けることすら怖く、水に入ったら簡単に溺れてしまう。決して、誰かに海に沈められたとか、水を使って虐められたとか、そういうわけではない。

私はいつものように水泳の授業で見学していた。真夏のプールサイドって、なんでこんなに暑いんだろう。これがフライパンで焼かれる食材の気持ちなのかな。なんて考えて過ごしている。

「水瀬さん~」

後ろから、名前を呼ばれる。私って、こんなにも水が苦手なのに名前は水瀬凪沙みずせなぎさ。……水関連のものしかない。

そんなことは置いといて、話しかけてきたのは、夏川彩芽なつかわあやめという人。ショートヘアでいわゆる陽キャ女子。私とは正反対の存在なので、できれば会話を避けたいぐらいだ。

「水瀬さんって、なんでプール入らないの?夏だし、気持ちいいよ!」

そんなこと言っている、夏川さんも見学しているけど。その台詞ってプール入っている人が見学者に対して言うことじゃない?

「話そうよ……水瀬さん!」

急に夏川さんが、横から抱きついてくる。ザ・陽キャの距離感!これだから陽キャは……。

「さっきも聞いたけど水瀬さんって、なんでプール入らないの?」

私は、理由を一通り話す。

「そうなんだ。でもプールなんて入らなくてもいいもんね。私はサボってるだけなんだけど……」

笑いながら夏川さんは言う。夏川さんの無邪気に笑っている顔が可愛いなんて思ってしまった。

「そもそも誰にだって苦手なことなんてあるし、何回か挑戦したならそれだけで偉いよ。私なんて逃げてばっかりだからね」

微笑みながら言ってる言葉は、私の心に響いた。この言葉を聞いた時に、夏川さんへの思いがクソ陽キャから恋に変わった。

「偉い偉い、良い子だね~よしよし」

私のことを子供のように扱っているように感じるが、その優しさが声から伝わってきて幸せを感じる。思わず涙が出てしまうほどだ。私は、夏川さんの心がある場所に飛び込む。心臓の音が聞こえる。

「水瀬さん、疲れてるんでしょ。仕方ないよ。いつも水瀬さんが頑張ってるの私は見てるから……」

よくよく考えれば、これはストーカーだということに気づくはずだが、この時の私は、ただ認めてもらえたことが嬉しくて、泣きながら夏川さんの心に飛び込んでいた。

「あなたを好きになってもいい?」

私は……私たちは、そんな思いを言葉として伝えずに、抱きしめ合うことによって心から伝えていた。

__真夏のプールサイドで、抱きしめ合う少女が二人、恋に溺れていた。

Re: 百合小説・短編集 ( No.2 )
日時: 2024/03/17 21:23
名前: 黒百合 ◆rvWqDClaVQ (ID: SGjK60el)
プロフ: https://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode

「ねえねえ、紗菜さな!私、彼氏が出来たんだ~!」



放課後、二人きりの教室で、私に向かって嬉しそうにその言葉を言っている優美ゆうみの声だけが聞こえる。



理解が追い付かなかった。



「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」



私はそれだけ言ってトイレに駆け込む。耐えられない……私は嘔吐する。きっとストレスのせいで吐いてしまったんだ。



なんで優美に彼氏が出来ちゃったの?優美には私がいれば良いと思ったのに……。私には優美しかいないのに……。



__トントン。



誰かがトイレのドアをノックしている。誰がノックしているのかは、もう分かっている。



__ドンドン!



さっきよりも強くドアをノックされている。誰がノックしているのか分かるからこそドアを開ける勇気がない。



__ドンドン!!



さっきよりもさらに強い力で、ノックされているのは分かる。でも……。私とドアノブの間に言葉では表せないほどの距離があるような気がした。



「ねぇ!私……優美だよ!開けてよ……」



名乗らなくても優美なのは分かってるよ……だって優美の微かな息づかいも良い香りも全部、知っているし……愛しているから!



「紗菜、出てきてよ。ねぇ……」



優美が少しすすり泣いている。泣きたいのは、私の方だよ……と思う。優美を泣かせた罪悪感に襲われてる。私はドアノブに手を置く。私がドアを開けた瞬間に……する。今、心の中で考えた作戦を思い浮かべてニヤニヤする。



ドアを開ける。少し泣き顔の優美がこちらを見て微笑んでいるのが見えた。優美の柔らかい頬を掴む。そして私は優美の唇にキスをする。



逃げられないように優美を壁の方に追い込み壁ドンする。そのまま、キスを続ける。優美の全てを味わえるように……。



「紗菜!やめて……」



そんな可愛い顔されたら、余計にキスしたくなっちゃうよ。本当に可愛いね……。



優美がやっと私の愛を認めてくれたのか私に抱きついてきた。キスを止めてから優美の頭を優しく撫でる。



優美が猫のように懐いてくれた。決して私が操ったのではない。自分の意思でこうなってくれたのだ。私は嬉しすぎて、少し強く抱き締める。



「ねぇ、私からキスしていい?」



優美がそんなことを呟いたことに驚く。私は勿論、了承する。優美が背伸びをしてキスをしてくる。私の方が、かなり身長が高いので、背伸びをさせなくてはならない……ごめんね。



「……愛してる」



優美が恥ずかしそうに言ってきたので、包み込むように抱き締めてあげる。



「紗菜、ごめんね。私は、あんな男より優美が好き。本当に大好き!」



そう言ってくれると嬉しい。でも……そいつと、どこまでしたの?



「手も繋いでないから安心して。私の全部、優美のものにしていいよ」



チャイムが鳴る。もう最終下校時刻か。私たちは永遠の愛を誓ってから家に帰る。

Re: 百合小説・短編集 ( No.3 )
日時: 2024/03/18 07:56
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

初めまして。女剣士です。

読ませていただきました。
素敵なお話ですね、尊敬します。
私も、こんな風に上手く描けるように頑張らないといけませんね。
お互いに連載を頑張りましょう、それではまた来ます。

Re: 百合小説・短編集 ( No.4 )
日時: 2024/03/19 20:43
名前: 黒百合 ◆rvWqDClaVQ (ID: SGjK60el)

>>3
ご感想ありがとうございます!お互いに
頑張りましょう!


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。