BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 好きの二文字が言えたなら
- 日時: 2025/01/22 21:31
- 名前: なちゅ (ID: rfy7IlR/)
※百合です。
登場人物
泉崎 咲(いずみざき さく)
秋村 凛華(あきむら りんか)
咲目線です。
- Re: 好きの二文字が言えたなら ( No.1 )
- 日時: 2025/02/08 20:13
- 名前: なちゅ (ID: oRnw6v/P)
外では雨が音をたてて降っている。
窓から視線を前に戻す。目の前には私の幼なじみであり、思い人である秋村凛華が座っている。「ねぇ凛華ー、疲れたよー帰ろうよー」
「疲れるの早すぎだろ」
そんな事いいながら構ってくれる凛華が私は大好きだ。
「そういえば。どうでもいいけど咲は好きな人いないの?」
急激な質問にびっくりしてむせりそうになる。
「はっ、はぁ?どうしたの凛華?」
「いや、別になんでもない…」
口を尖らせてそっぽを向いてしまった。いや、言わなきゃわかんないだろ!
そういえば…この前の事が蘇る。
違うクラスの凛華を迎えに行くとクラスの中から話声が聞こえてきた。
「凛華はいないの?す・き・な・ひ・と❤️」
言葉に反応してしまい。耳をすませる。
「えーー?そうだな」
少しドキドキしながら唇を噛みしめる。
「あたし好きって言われたら好きになっちゃいそうなんだよねー」
その言葉に嬉しいよな苦しいような不思議な感覚を覚えた。
(「好き」か……)
そう言ったら凛華は振り向いてくれるかな?少し期待してしまうが、すぐにやめる。だめだそれはなんかずるい気がする。
「そのうちあたしにも彼氏できるのかな?」
凛華がそうつぶやくのが聞こえて口が滑りそうになる。
「駄目だよ!私が凛華の事す……」
「す?」
「す……てきな人にするまで」
声が小さくなる。なんで言えないんだ。たった二文字なのに。もう少しなのに。
すると大きなため息が聞こえてきた。
「なんで好きって言わないの?」
「え?」
「この前聞いてたでしょ。あたし達の会話。」
まさかばれていたなんて頭を抱えていると、凛華が微笑みながら言う。
「好きって言って欲しくてずっと好きな人の話してたんだ。ごめんね。」
その笑顔はとてもきれいだった。
「だからもう一回言ってくれない?」
心の中で考える今度は言えるだろう。あの二文字は私と凛華を繋げる文字になるのだから。
- Re: 約束はこの恋が実るまで ( No.2 )
- 日時: 2025/03/21 21:53
- 名前: なちゅ (ID: LGYhX5hV)
※続き?みたいな感じです。
凛華視点
窓の外では風が木々を揺らしている。
今日は修学旅行。一日のレクレーションが終わり、ホテルで寝る準備をしている所だ。
「ふーー、終わりっと」
布団をしき終わり、安心していると、ガラッと大きな音がして友人達が顔を出した。
「やっほー!凛華!」
「何しに来たの…」
はぁーーとため息をつくと、聞き覚えのある声がした。
「凛華!」
友人達の後ろから飛び出して来たのは咲だった。
「なんで…」
「いやー、会いたくなっちゃって!」
可愛くにこりと笑われ、言い返せなくなっていると、
「ねぇ、せっかく来たんだからゲームでもしない?」
「いいね!何する?」
という陽気な声が聞こえてきた。
「ちょっと…」
「そりゃー、修学旅行といえば〝王様ゲーム〟でしょ!」
それから話はどんどん進んでしまい、私達もやることになってしまった。
「じゃあ、いくよ!王様だーれだ!」
引くと王様ではなく、7という数字が見えた。
「あたしだ!じゃあ~
5番と7番がポッキーゲーム!」
7と言われ、固まってしまう。はぁー、これだからゲームは……
「あっ!5番咲だね。」
「7番は?」
勢いよく手をあげてしまった。
「よし!二人はポッキーゲーム!」
「え!は?うそ?」
咲はまだ状況を飲み込めていないようだ。
だが、そんな事は気にせず向かい合わされた。
はぁ、仕方ない。ここまで来たなら……
ばっとポッキーを出してくわえ咲に差し出す。
「え。凛華?」
「いいから早く」
私の真剣な眼差しに気づいたのか、咲もゆっくり顔を近づけてきた。
あと数ミリでポッキーをくわえそうなところで、咲がばっと立ち上がった。
「ごめん……できない!」
そう叫び、部屋を出ていってしまった。
みんなぽかんとしてしまい、しばらく沈黙が続く。
「ちょっと私行ってくるね。」
といい、部屋を出た。
咲を探して、うろうろしていると、鼻をすする音が聞こえてきた。聞こえる方へ行くと、廊下の隅っこに咲がしゃがんでいた。
「咲?大丈夫?」
「!、凛華……」
涙目でこっちを見る咲に心が痛む。申し訳ない事をしてしまった。謝らなきゃ……
「ごめんね。咲の意見も聞かずに……」
「違う……。もう少しで、もう少しで凛華とキスできたのに…。」
「え?」
少し顔を赤くする咲にドキッとしてしまう。
可愛いな
「あたしが恥ずかしがったから……」
なるほど、そういうことね。だったら…
ゆっくり顔を咲に近づけ、おでこにキスをする。
「え…凛華?」
「ここにするのはもう少したってからね。約束」
指を唇におき、にこりと笑いかけた。
まだ、この恋は終わりそうにない。
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