BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 赤い糸を結ぶ ( No.1 )
日時: 2022/01/11 17:46
名前: ほしうらら (ID: f7aWX8AY)

「おねぇちゃん!」

私はおねぇちゃんの服の袖を握った。
彼女は実の姉ではなく、近所の人だ。
幼い頃はよく彼女に遊んでもらったことを今でもよく覚えている。
おねぇちゃんは私が遊んで、としつこく言うと「仕方ないなぁ」と言ってよく遊んでくれた。

私が小学生になる頃には友達も増え、彼女とも疎遠となっていってついには私はすれちがっても声をかけなくなっていた。

私が記憶しているのは小学三年生の頃にすれちがったこと。
声をかけようと試みたものの勇気がなくそのまま通り過ぎてしまった。

***********

高校生になって数ヵ月、中間テストが終わって数日のことだ。
一人暮らしの私は電話で母と話していた。

『天って最近岬ちゃんって見た?』
「みさき…あぁ、おねぇちゃん?」
『そうそう』

あまり呼んだことないがおねぇちゃんの本名はみさき

「それがどうしたの?」
『…行方不明なんだって』
「え?行方不明…?」

突然の告白に私はぽかんとした。

「…もう社会人でしょ?上京したとかじゃ…」
『両親が捜索願い出してる、回覧板にあるのよ』
「…はぁ」

状況が呑み込めない。
そして胸が苦しくなってきた。
混乱してきたので私は母に電話を切ってもらうことにした。

***********

一人で考える中、チャイムが鳴った。
なんでだろう、と苛立ちを覚えながらも玄関を開ける、と。

「あの…すみません、一時的にここに入れてもらってもいいですか?」
「え、あ…え?」

息が荒い女性が私をじっと見つめてきた。私はそんな彼女を恐怖で入れる、なんてこと出来なかった。

「帰って…下さい」
「でも…助け…」
「怖い…やめて!帰っ…て」

私は睨むため彼女の顔を見た。
すると、どこか覚えのある顔つきをしていた。

「…おねぇちゃん?」

覚えのある顔つき、おねぇちゃんと瓜二つだった。

「ねぇ、捜索願出てるって…」

気づけば私の口は柔らかい何かによって塞がれていた。
それに気づいたときには抵抗しても意味がなかった。

「ちょっ…貴方…」
「いいから」

女性はいつの間にか玄関に入っていた。

「…分かった、待って…これだけは確認させて、誰にも言わない…














おねぇちゃんなの?」
「…ん」

ちょっと不機嫌そうに頷く女性、もといおねぇちゃん。
私はとりあえず家に入れた。