複雑・ファジー小説
- Re: 奇跡と軌跡 −凪と夜絵の番外編書き中− ( No.101 )
- 日時: 2011/04/06 07:56
- 名前: ゆn ◆oJDlcFgr9g (ID: XLtAKk9M)
「はっ……ヤッパリ閉まってる……やべぇな……」
ハァハァと、息を切らしながら扉が開いているかどうかを確認したが、案の定閉まっていた。
一瞬扉を壊そうかと思ったが、流石に其れは許されないと思いやめた。
面倒事は嫌だしな。
「……今日は諦めるか」
もう学校には誰も残っていないと俺は思った。
だから、今日は諦めて、明日扉を開けてもらえるまで待つ事にしたのだ。
俺は何度も何度も小さな溜息をついていた。
何故、この時間まで眠ってしまったのだろうか。
何故、俺は寝てしまったのだろうか。
まぁ……今考えても無駄なんだけど。
そんな事を思いながら、すっかり暗くなった空を眺めた。
都会だから、星は見えない。でも、俺を照らし続ける月は見えた。
それだけで、安心できた。
今、俺は一人じゃないんだ。って。
——瞬間
バンッッ!!!!!
っと、豪快な音が扉のほうから鳴った。
俺は急いで振り返る。
だが、そこには誰もいない。
気のせいか? と、思っていると、今度は「凪君っ!」と声がした。
「学級……委員長……? いや、そんなはずはねぇだろ……うん、ねぇよ」
自己完結で解決したように思わせている、俺の心と脳。
でも、身体は正直過ぎる位に怯えていた。
怒られる可能性があるからな……。いや、怒ってくるだろう。
そんな嫌な事を考えながら扉のほうに歩を進める。
その間にも、学級委員長と思われる人物が扉を叩いている。
「委員長、なにしにきたんだよ……頼むからさぁ、俺の邪魔すんなよな。迷惑なんだよ」
俺は歩きながら言う。
この言葉に反論するかどうかそれが楽しくて言った。
「なにしにきたですって? 貴方が家に帰ってないって電話があったからよ!」
なにこの女……人の事で熱くなっちゃって……マジ意味わからない……。
心の中で悪態をつきながらも、本当は嬉しい。
誰も俺の心配なんかしないのに、委員長だけは心配してくれる。
それが嬉しかった。
ただ……そんな気持ちも一瞬で崩れ去った。
勿論、俺の言葉じゃないぞ?
委員長の言葉だからな? そこ、間違えるなよな。
「凪君って、 よね」
委員長が溜息混じりに言う。
俺は心底ムカついた。
「なぁ、委員長……この世には言っていい事といけない事があるって知ってた?」
わざと、優しそうな声で委員長に俺は言った。
委員長は固まったのか、無視してるのか判らなかったけど俺は小さな声で言った。
「嘗めた真似すっと……潰すよ……」
この日から俺はアイツを見つけては嫌味を言う生活が始まった。
この日から俺はアイツに仕返しをしてきた。
この日から始めた理由は俺がムカついたから。っていうのと……ちょっと夜絵……委員長に構ってもらいたかったから。
俺は今更だが、俺自身も悪いな、って思い始めた。
この日から……あの日から……。
俺と夜絵の攻防が始まった。
「夜絵ちゃん♪」
「なっ! なんで貴方が此処にいるのよっ!」
「あの日から」
Le fin