複雑・ファジー小説

Re: 奇跡と軌跡 ( No.20 )
日時: 2011/03/20 10:38
名前: ゆn ◆Jj3CntErgQ (ID: XLtAKk9M)

誰も「宜しく」や「初めまして」という言葉も掛けないで勉強に集中している。
俺には一番考えられない事でもある。
なぜ勉強するのか理解に苦しむし、其処までして勉強する必要なんか無いはずだ。

「其処の二人。早く席に着け! 授業が始まらないだろう!!」
教卓に両手をつき、眉間に皺をよせた先生に怒鳴られる。
面倒事になるのが一番嫌な俺は「はい」と返事をしたが、もう一人の男子生徒は小さく舌打ちした。
「先生、あんたに命令される事なんて何も無いと思うんですけど? なんで俺が一介の教師なんかに指図されなくちゃいけないんですか」
一番言ってはいけないことを言った。
俺は直感で感じてしまった。
俺の考えが当たったとおりに先生の顔が見る見るうちに真っ赤になっていく。

「なんすか、言いたい事でもあるんですか? あるならさっさと言ってください。俺、席につかなくちゃいけないので」
先生が口を開き何か言おうとしたのも遮り自分の話を続けた。
俺は……コイツだけとは関わってはいけないと感じた。