複雑・ファジー小説

Re: 奇跡と軌跡 ( No.22 )
日時: 2011/03/20 10:24
名前: ゆn ◆6CisTuKno. (ID: XLtAKk9M)

「なんで、俺なんだよ!」
俺は怒りをアイツにぶつける。
「お前一人でやれば良いじゃないか!」
アイツは耳を塞いで「うるせー」とか言ってる。
内心俺はイラッと来ているが、感情には出さない。
いまは、俺を巻き込んだことに対する驚きの感情だ。

俺も俺の感情の有り方も知らないから一応制御する所は制御している。
一度だけ感情に流されて暴力沙汰になった事を悔やんでいるからでもある。
そのときは、俺以外にもう一人警察に歩道された奴がいるんだけど、俺は覚えていない。

「あのさぁ、俺の名前“お前”じゃねーんだけど?」
「は?」
急に話を変えられて意味が解らなくなった。
「俺の名前は、西野凪だっつーの」
アイツ……西野凪は、制服のネクタイを緩めながら自分の名前を言う。
俺は、色々と状況の整理が片付いていない。

「お前は小野柳架だろ? 一年前に、暴力事件で補導された」
何も考えていないという様に、俺の隠していた過去を掘り返された。
背中から変な汗が流れているのがわかる。
嫌でも感じてしまう。

「この情報を今知らない人たちに教えてやってもいいんだぜ? 俺に協力してくれないなら」

卑怯だ。
……人が“嫌だ”などと拒否する事ができない様に話を進めていっている。

「わかった、協力する」
考えた末に出した結果だ。