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複雑・ファジー小説
- Re: 奇跡と軌跡 ( No.44 )
- 日時: 2011/03/25 13:29
- 名前: ゆn ◆Jj3CntErgQ (ID: XLtAKk9M)
協力。協力。協力。協力。協力。
俺の頭の中をぐるぐる回っている。
下手したらノイローゼにでもなってしまいそうだ。
授業も全然頭に入ってこない。
しかも、隣の席は凪だし……。
「ハァ……」
シャーペンを手に持ったまま小さく溜息をついた。
「小野、そんなに俺の授業がつまらないのか?」
憎たらしそうな声で俺に嫌味を言う。
どうせここで「つまらない」とか言ったら怒鳴られるんだろう。
かといって、私情だと言っても無駄だろう。
「別に……なんでもありません」
返事する事も面倒になっている俺は棒読みで返事を返す。
横目でチラッと凪を見れば笑いを堪えるのに必死な様子だった。
「じゃぁ、この問題とけるだろう。俺の話をちゃーんと聞いてたんだろうからな!」
うざい……けど、遣らなくちゃどうせ嫌がらせでもしてくるタイプだろう。
「判りました……」
そういって俺は前でた。
黒板に書かれている問題は東大の入試問題だった。
別に難しいとも簡単とも思わない。
一度解いた事のある問題だ……。としか、思う事は無かった。
「ん? 小野難しいか? え?」
後ろで意地悪そうにニヤニヤしている先生を今始めて“コロシタイ”と思ってしまった。
そんな自分に驚きながらもチョークを手にする。
「お手並み拝見♪」
小さく凪が呟いたのが聞こえた。
だけど、俺は振り向かない。
絶対に、アイツの顔は見たくない。
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