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複雑・ファジー小説
- Re: 奇跡と軌跡 ( No.6 )
- 日時: 2011/03/30 07:39
- 名前: ゆn ◆Jj3CntErgQ (ID: XLtAKk9M)
【少量の才能と多大なる努力】
「お前はなんなんだ?」
小学生の頃友達に俺が言われた言葉を登校中の電車に揺られながら思い出した。
俺が返した言葉は今聞いても意味がわからない。
何故俺があの言葉を口にしたのかなんかもう忘れてしまったからだ。
「誰も俺を知らない。だから、俺も俺の事を知らない」
その時のみんなの表情は唖然としていて見てると面白かった。
口が開いてるヤツもいたし、俺の事を笑うやつもいた。
でも、俺は自分の事を知らない。
記憶が無いわけではないんだ。
本当に自分の事が、
「わからねぇんだよなぁ……」
篠原駅に停車した電車を降りながら呟く。
篠原駅は俺が高校に入学してから使い始めた駅だ。
この駅は、少し寂びれている様に見えるが、新しく作られた建物だ。
一日に二十本近く電車が来る。
俺がこの電車に乗る時間帯は通勤通学ラッシュで、満員のすし詰め状態だ。
「さて……学校にでも行きますかね」
言ってすぐ、駐輪所に停めてあった自転車にまたがり学校へ向かう。
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