複雑・ファジー小説

Re: 奇跡と軌跡 −少しの間オリキャラ募集します− ( No.81 )
日時: 2011/03/30 07:30
名前: ゆn ◆6CisTuKno. (ID: XLtAKk9M)

午前十二時三十分。午前の授業が終了した事を告げる鐘が鳴る。
鐘の音と同時に、クラスの人間ほぼ全員が立ち上がった。
その中の“ほぼ全員”に入っていないのは俺と凪だ。
俺はなにをする訳でもなくボーっとしていた。
凪は、そんな俺を放っておいて寝ていた。

「さて……購買でも行くかな」
「あっ。俺も俺も〜♪」
寝ていたんじゃなかったのか? と疑問に思ったが気にせずに席をたった。
凪もそれに続く。

「つーかさぁ、お前あの教師みて何か思ったのか?」
幾多の生徒と擦れ違う中、凪が今日で何回目かの問いかけをしてくる。
だんだんこの質問返すのに飽きてきたのだがな。
「思ったよ。どうしたらこの先生の才能を振る活用できるんだろう。ってね」
「あっ。ごっめ〜ん、聴いてなかった♪ ちょっと、言わなくちゃいけない事があってさ」
そういう凪の方を見てみると、一人の女子生徒が睨みつけていた。
確か……あの生徒の名前は……皐月夜絵、だっけか?
記名章と顔だけでしか覚えていないから大分曖昧だ。
「ちょーっとねぇ、あの子には大人しくなって貰わないとさ?」
睨まれているのに気付いているのか、気付いていないのか……。
俺は凪のこういうところに、すごいと思う。
「まだ、睨んできてるけど?」
俺は凪から夜絵に視線を移す。
瞬間、夜絵は驚いた顔をした。思っても見なかった事が今目の前で起きているかのように。
「んっとー、C組の皐月夜絵さん? 俺と凪に何か用ですか?」
凪が邪魔する所為で顔が良く見えないが、聴いてみる。
「いいえ? ただ、柳架君に興味があるだけですよ?」
「……あ?」
俺に興味がある? え? もしかしてこの人頭可笑しいんじゃねぇの? とか思ってしまっている俺の脳は許容量をオーバーしたのか真っ白になった。
何かを考えても途中でその考えが消えてしまって答えにまでいかない。
「ですから。私は柳架君、貴方に興味があるだけです」
もの凄いまじめな顔をして同じ言葉を口にする。
「あのさー、皐月ちゃん? 俺さぁ、もっといっぱい言いたい事あるんだよねぇ……。柳架に聞かれても良い? 俺が君に言いたい事♪」
満面の笑みで夜絵に提案する凪を“悪魔”だと思った。
それよりも、こんな奴らと関っている俺自身にむかついてきた。