複雑・ファジー小説

Re: 奇跡と軌跡 −少しの間オリキャラ募集します− ( No.99 )
日時: 2011/04/05 20:17
名前: ゆn ◆oJDlcFgr9g (ID: XLtAKk9M)

でわ、ネタ切れということで番外編のような物を。
もの凄い短編です。
1000字にも満たないです。

*登場人物*
+皐月夜絵
+西野凪

夜絵視点(1つ目の「****」から、凪視点)

「あの日から」

あの日から私は彼を見つけては隠れるという生活が始まった。
あの日から私に対して酷い言葉を彼は言ってきた。
でも、あの日から起きたことは元を辿れば私の所為。
私が彼に言ったのが悪かったのね。

今思い出しても自分が悪いとは思えないけど……。

それは、私と彼が同じ中学校だったときに遡るの。

 ****
「ちょっと、凪君? 提出物出してないの凪君だけなんだけど?」
相変わらず憎たらしい口調で言われてムスッとする。
たかが学級委員長の癖に俺に指図? 笑わせるなよ。
なんで、俺がコイツの言う事を聞いて提出物なんか出さなくちゃいけねぇんだ。
「知らねぇよ、俺は出しても出さなくても良いんだしよ」
まるで、学級委員長を除け者扱いしているかのように、
手で「いなくなれ」と表現している。
だが、コイツは堅物、鈍感女。
相手にするのも疲れるんだよ。
この気持ち誰か判るか? しかも、俺が気持ちよく屋上で寝てるのまで邪魔してくる。
「良いから、早く提出物出して! 先生に怒られるの私なんだから!」
凄い剣幕で怒鳴ってくる。

「……うるせぇなぁ……出せばいいんだろ、出せば……」
俺が面倒くさそうにかばんからだしたグシャグシャのプリントを手に取る委員長。
「有り難うっ!」
そういって屋上から立ち去った。
学級委員長がいなくなってからまた俺は寝た。
本当は直ぐ起きるつもりだったのに、熟睡してしまってこの日の授業を全部すっぽかした。

案の定日が暮れて、カラスも巣に帰る頃に俺は目が覚めた。
寝すぎてだるくなった体を伸ばして立ち上がる。
伸びをすると骨が何度かボキッとなったが気にしない。

俺は足早に屋上の扉の元へと向かった。
この扉は午後五時半になると鍵がかかってしまうからだ。
ただ、俺は起きるのが遅かったからもう既に鍵を掛けられているかもしれない。
そうなると、明日の朝まで屋上で過ごすことになる。
それだけは絶対に避けたいのだ。