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複雑・ファジー小説
- Re: Ultima Fabura—〝最後〟の物語—参照200突破! ( No.63 )
- 日時: 2011/04/29 00:53
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: もっと小説を書く時間がほしい。
第 二 章
prologue
天使族だった祖父。
精霊族だった祖母。
天使族だった母。
神霊族だった父。
——闇の、神霊だった父。
同じ血が流れているわたし。
穢れた血を継ぐわたし。
忌まわしき存在であるわたし。
それを知っても尚、君はそばにいてくれたね。
傷つけてしまうかもしれないことを知っても。
わたしが誘ったのにね。
突き放そうとしたのにね。
優しすぎるよ。
駄目だよ。 でも行かないで。
矛盾してるのはわたし。
『黙って殺されるの? だったら一緒に逃げようよ』
今わたしは自分の言葉を後悔してる?
宿命から逃げる。君に連れられ、君を連れて。
でも無理だったよね。君もわたしの宿命に巻き添えを食らった。
空を統べる雷。
母なる海は水。
道を作った地。
雷水に加わった。ひとつ。君が加わってしまった。
なんで?
なぜ?
どうして喜ぶの? わたしといられるから?
いつものフザけた態度。時折見せる哀しい顔。厳しい顔。
憎悪から、復讐から救ってくれたって君は言ったね。
それだけのこと? それだけのためにわたしといられれば悪魔にも魂を売るって?
駄目だよ。
もう傷つけたくないのに。
わたしのために傷つく人は見たくないのに。
でももう巻き込んでしまった。後戻りは——できない。
守らなきゃ。君も。わたしが。
>>62 Before Capter >>64 After shot
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