複雑・ファジー小説

Re: 戦場の双子 ( No.120 )
日時: 2011/04/22 21:16
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)

#26



「リラを、止める、か」


図書館に戻った私は、走りだした。
城へ、リラへ、由紀へ。

とめる。
世界のオワリをこの手でとめる。

正直なところ、不満もあった。
何故、私なんかが。
何故、とめなくてはいけないのか。
何故、終わらせてはいけないのか。

次々に浮かんでくる疑問を、私を切り裂く風に流した。


「私が、止めるんだ」


私は、走って走って走った。
城についたのは、夕方のことだった。

行きに時間がかからなかったのが不思議だ。
帰りはその何倍も、何倍も走ったような気がする。
やっぱり、竜が呼び寄せていたのか?

私は、リラと由紀が待つ部屋に、飛び込んだ。


「お姉ちゃん?どうしたの、そんなにあわてて」

「あーっ、由美ねぇちゃん、どこ行ってたんだよーっ」


由紀とリラが同時に叫んだ。
私が、リラの肩をつかむ。

そのまま、硬直。

おい、止め方を知らねぇぞ?


「ねぇ、なに?」


………あの竜の野郎。とめ方教えなかった。
どうすればいいんだ…。

私は固まったままひたすら考えた。

出た答えが、コレだ。


「なあ、死んでくれないか?」




「「え?」」