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＃２８



「え、ちょ、お姉ちゃん!なんてこと…」


あわてる由紀をさえぎって、私はもう一度、繰り返した。
今度は、はっきり。


「だから、死ね」


リラは、切なそうな、今にも泣き出しそうな悲しい目をして、私を見た。
リラが小さく、縮んだ。


「…やっぱり、そうだよね。私はいらないんだよね。いたら、いけないんだよね。死んだほうがうれしいんだよね…」


そんなリラの言葉は、この事態を抱えるには、あまりにも小さすぎた。
由紀がリラをなだめにかかる。


「そんなことないよ、リラ。元気出して」


そして、由紀は私を睨んだ。
言いたいことは分かっている。
だけど、私は竜の話はしない。竜の願いだ。


「お姉ちゃん!!」


この後の言葉は覚えていない。
涙で、全部見えなかったから。


「そう、だよね。いいよ、由紀お姉ちゃん。私は死ぬから…」


リラの目から、私の目から、由紀の目から、大粒の涙が降った。

そこで、大切なことを思い出した。


「まずい、悲しみも駄目だ!!!」


後悔。