複雑・ファジー小説

Re: 戦場の双子 ( No.59 )
日時: 2011/03/21 09:09
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)

#14


チーンと、トースターの音がした。私は握っていたフライパンから目玉焼きとハムを出して、トースターに向かった。リラも走ってくる。


「うわぁ、おいしそう!!」


リラが叫ぶ。トーストされたパンは、見事に焦げひとつなくふんわりと焼きあがっていた。いい香りが漂う。
私はティーポットに向かい、紅茶を探した。リラが場所を教えてくれる。私は小さな木の籠からティーパックを出した。


「あ、私アールグレイがいいな」


リラが言う。私は出しかけたセイロンティーのパックを戻して、アールグレイのパックを出した。リラはトーストと目玉焼きとハムが乗ったお皿を二つ手にとって、テーブルに置いた。
私は紅茶を運ぶ。トーストの香りと、紅茶の香りが強く鼻に入ってくる。リラが深呼吸して、笑った。


「食べよっか」

「うん!」

「いただきます」
「いただきまーす!」


リラはトーストに目玉焼きを乗せて一口、大きく食べた。リラの顔に、満開の笑みが咲く。私も嬉しくて、笑った。